ベネデッタのレビュー・感想・評価
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すごい人もいたんだなあ。
実在した修道女の話。8歳で出家し、数々の幻視をみて、聖痕が現れる。それらを啓示と受取り修道院での地位を高めてゆく。が、同時に禁じられた欲望も解き放たれて…。
聖痕は果たして本物なのか?本物とはなんなのか?本人のみぞ知るところであるが、数々の"奇跡"はまさに狂った信者そのものであり面白い。一種のギャグにはなっているがバカにしているわけでもなく、キャラクターそれぞれがマジなので、面白おかしさの純度が高まり笑える。エピローグにはベネデッタの人間味溢れる行動も感じとれ、良いものを観たなあといった感想。舞台やあらすじなどで小難しく感じるかもしれないが、案外観やすく良い映画です。
超絶!意地悪ブラックコメディー!!
映像が美しいですね。
ほぼ中世の宗教画、そのまんま。
中世のシスターの話と言うと堅苦しいのかな?と
思いきや、なんと言う俗っぽくて生臭い映画か(爆笑)
主人公のベネデッタ!
始まりからこの子、思い込み激し過ぎてやばくね?
と、思わされるエピソードが詰め込まれます。
修道院の生活の中でも、
そこそこ裕福な暮らしをしていたらしい少女にとっては
結構きつい暮らしが続くので、
自分はイエス・キリストと特別な絆があると言う思い込みを
更に強く持つようになってゆく。
その行動、果たして本当に思い込みか?
それとも全て演技なのか?
最初はそこが気になるのだけど話が進むうちに
ベネデッタよりもその周囲の権力者達が
己の特権と利益に群がりしがみつく、
醜さの方がどんどんとクローズアップされて
肉らしさを通り越して笑えて来てしまう。
中世の世界を完全再現した贅沢なルックに隠された
超絶!意地悪ブラックコメディーです。
で、月に8回程映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
鬼才ポール・バーホーベン監督
1938年7月18日 御歳85歳!
撮影は1年とか2年とか以前としても80歳過ぎた監督の
作品とはとても思えない画面上の妥協の無さ!
加えていい意味で予想を裏切る展開!
実在した修道女の記録と言う時点で驚きだけど、
それを更に監督の味付けが、生々しくも可笑しいシーンへと
仕上げられて、観る者を退屈させない。
例えば、ベネデッタとベネデッタが助けたある少女とのシーン。
終わったらこれで〇〇するのよ。
と言いながら、壁一面に積み上げられた藁の束から
一掴み引き出してそれをするシーン(爆笑)
確かにこの時代ならそうなるわね。
更に末端の修道女達には質素、倹約、禁欲を強いていながら
自分の食卓には山ほどのご馳走様を並べて、
出てきた妻は妊娠中!と言う権力者の振る舞い!
なんだよ!この俗物野郎!!
とことん権力者の欺瞞を嘲笑う監督の目線。
「ロボコップ」の一作目と
前作の「エル」の時も思ったのだけど、
ウディ・アレン監督の様に、若い女性を理想化したり
偏った愛し方をするでも無く、
女性の美しい面も狡い面も同じように人として描く
バーホーベン監督の女性を観る目が好きです。
年齢が心配ですが次回作も期待していたい。
ずっと待っていたいですね。
行き過ぎた信仰心
中世のヨーロッパの時代においては、修道女になるには、お金💰が要る事にびっくり‼️
ベネデッタは、裕福な家庭に居ながら修道院に行くのはなんとも、凄い時代😵💫
そこで、ベネデッタが登り積めるために偽りや、欲望をこれでもかと、生々しく描いた監督に降参🏳️
面白い🤣🤣
ポール・ヴァーホーベン節が鳴り響いていて最高、とポール・シュレイダ...
ポール・ヴァーホーベン節が鳴り響いていて最高、とポール・シュレイダーの『カード・カウンター』と同じ感想になりますが後期高齢者の監督がやりたい放題やってるのはやはり良いものです。
あんなデカい声はばれるでしょう?
個人的にノストラダムスの大予言を信じていたたちなので
ハレー彗星が来るたびに世の中が混乱する
ペストは土葬するな、酒で消毒せよてのは
あーこういう時代だったんやな、と目に焼き付きましたね。
そんな英知を超えた彗星、伝染病などは神の思し召し
といった当時の雰囲気が全編から感じられ面白かったです。
またエロ全開はいいんだけど
こんな自分勝手な女を舎弟にしたら自分のクビも締まるよ
もうちょっと選べよ、と思ったりしました。
60点
5
アップリンク京都 20230225
17世紀の凄惨極まりない現実を生々しく下品に活写する、実にヴァーホーヴェンらしい大傑作
修道院に向かう途中で幼いベネデッタに起こるアホみたいにベタな奇跡から始まってグッチャグチャになるクライマックスの惨劇まで延々と繰り返されるインモラルなギャグに爆笑しまくりましたが他に笑ってる人がいなくて寂しかったです。イタリアの話なのにセリフは全部フランス語、ほぼ全編ドリフの大爆笑を真顔でなぞってるみたいなデタラメなのにでもこれ全部史実だよ?とせせら笑いながら叩きつけてくるヴァーホーヴェン師匠の大昔から変わらぬ底意地の悪さに圧倒されました。
ポスタービジュアルも実に素晴らしい。70年代のジャーロ映画風な邦題デザインからしてイタリア汁が滲み出してますし、この主人公の出立ち、恐らくはルルドの聖母ことベルナデッタの亡骸に似せてるんじゃないかと。『氷の微笑』『ショーガール』『ブラックブック』『エル ELLE』の系譜と監督自らおっしゃってる通りの作品、圧倒的に不利な状況なら反則したっていいだろ、そもそも社会がデタラメなんだからとでも言わんばかりの雄弁さが清々しい。個人的には『ロボコップ』のアン・ルイス巡査もそこに並べたいところです。
何がいちばん攻められたのか…
神を信じると言うことはこういう事なんだ、と。見えることが全て真実ではないという事をくっきり描いていてわかりやすい。レズビアン主義を攻められたというよりは修道院長になる過程のエゴやエロとかがメイン。キリストとベネデッタの関わりをくっきり映像で表現しているのがヴァンボーベンっぽくてあきない。興味深く面白くみれた。
やったぜ全員悪者
ベテラン監督が匠の技で人間の業みたいなヤツをじっくりコトコトことこと煮込んで灰汁抜きとか全くせずに出してきて、どうしてこれがこんなに面白い映画になっちゃうんだっていう感じで、非常に良かったです。
エロも当然なんだけど、皆醜かったなー。
これとっても褒め言葉です。
当然コロナウイルスの怖さが身に沁みてる現代の我々からすると当時の民衆の恐怖は他人事ではない、そしてそれを自分のために利用する統治者の思惑の怖さもあり、うーん見事って感じ。
1番近いのは北野映画のアウトレイジシリーズかなって思って観てました。
ヒーローはイケメンでなければ許さない女
劇場型のシスターが成り行きで昇進し街をも巻き込んでいく話。
LGBT要素あり。
良い点
・話術
・異を唱える者、利用する者など様々な立場の交錯
悪い点
とくになし
その他点
・ばち当たり
中世教会のリアリティ
日本人には理解が難しい中世の教会の現実。
教会の影響力がわかる映画で、大変中世のキリスト教の支配の実態がよくわかる。
映像もリアリティがあり、現実に対する理解が進む。
バーホーベン監督だから表現できる映像でした。
バーホーベンから見ると
神も悪魔も同じような存在なんだろうなあ。
「トータル・リコール」も、「氷の微笑」もそうだったように、
何が“真実”かで踊らされているよりも、
そこで起きている“現実”を信じているのだろう。
時代の流れ
これ、四半世紀前に見たら、相当衝撃的だったと思うけど、時代も流れて世間も私も寛容になってきた昨今、LGBT問題に一石を投じている作品だと考えてしまう、今日この頃。
ポール・ヴァーホーベン監督?と思ったが、「氷の微笑」か。昔友人とドキドキしながら見に行ったのを思い出したぜ!
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