「「狂ってる」21世紀に生きキリスト教信者でない私が本作を観て先ず頭に浮かんだこと。でも映画としては良く出来ている。」ベネデッタ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「狂ってる」21世紀に生きキリスト教信者でない私が本作を観て先ず頭に浮かんだこと。でも映画としては良く出来ている。
①ベネデッタは恐らく宗教的陶酔に陥ったりや神憑りになった時に、幻覚を見たり精神が身体に働きかけて傷が出来るような珍しい特異体質だったのだろう。
ただ、ベネデッタには、それが狂信的であろうと妄信的であろうと神に対する信仰心があったのは確かだと思う。
それがペストの恐怖に怯え神にすがるしかない信者が、ベネデッタに対して圧倒的な支持と信頼とを寄せる要因ではなかっただろうか。
一方、神に仕える身でありながら実は心から神を信じていなかった周りの人々はそんなベネデッタを不審に思ったり自分の栄達の為に利用しようとする。
そんな彼らに対抗するためにベネデッタも意固地になったり同じ様に権力欲を満たそうとしたのではないだろうか。
非キリスト教信者としては、悪魔がリーガンの口を通して言うのと、神(イエス?)がベネデッタの口を通して言うのとは結局同じことではないかと思ってしまう(こんなこと言うと、中世ヨーロッパでは間違いなく火炙りだな)。
③異性がいなくて同性ばかりだとセックスの相手は同性になってしまうのは古今東西どこでも一緒で(軍隊とか、警察とか、寺院とか)、ベネデッタのケースは公式では史上初のレズビアン裁判になったわけだけど、実際はずっと昔から修道院でもあったんでしょう。ベネデッタの場合は、そのカリスマ性や権力へのやっかみから通報があったのが真相かも知れないし。
それに、修道院には女性しか基本いないのでレズビアンにされてしまっただけで、本当はバイセクシャルだったのかも知れないし。「イエスと結婚した」と言っていたらしいから、例の道具もイエスのぺ⚪スと思ってやってたのかも知れない(ここまで言うと間違いなく火炙りだな)。
④ともあれ、そういう虚々実々を上手く脚色して見ごたえのある映画にはしていると思う。
⑤配役としては主役についで二番目に重要な役である(最初の)修道院長に久しぶりに大きな役のシャーロット・ランプリンク(くどいが『地獄に堕ちた勇者ども』『愛の嵐』『未来惑星ザルドス』『さらは、愛しき女よ』『エンジェル・ハート』『評決』等の頃にはこんなに息の長い女優になるとは思わなかった)。