ストーリー・オブ・マイ・ワイフのレビュー・感想・評価
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この二人だからこそ成立し得た、169分かけて紡ぐ夫婦関係の海
上映時間を見て驚いた。ひゃ、169分っ!?果たしてそれだけの語るべき中身があるのかどうか。私の関心はまずそこだった。結論から言うと、これは何か巨大な展開や仕掛けがあるというよりは、船長を生業とする主人公と妻との数ヶ月おきにしか会えない特殊な関係性を、じっと見つめた作品という点で面白い。手掛けるのは『私の20世紀』『心と体と』の異才監督。海上では天候や波風を的確に予測し、どんな緊急時も迅速に対処できる船長なのに、なぜか地上では妻の内面や私生活のあれこれに至るまで、何ら想像力を働かせることができない。そんな船長の迷走ぶりをあくまで彼の主観に基づいて描いた作品なのである。これを面白いと思えるかどうかは人それぞれだが、主演陣がどちらも抜群に上手いのは特筆すべきところ。レア・セドウはもちろん、船長役のハイス・ナバーもさながら陸に打ち上げられた鯨のようで、刻々と揺れ動く心理も含めて、妙に見応えがある。
運よく美人妻を得た船長がさまよう、愛と嫉妬の暗い海
イルディコー・エニェディ監督のベルリン金熊賞受賞作「心と体と」は、ともに孤独な中年男性と若い女性が「鹿になった夢を見る」という奇妙な共通体験から距離を狭めていく不器用な恋模様を描いた珠玉作だった。レア・セドゥも好きな女優で、当然ながら新作の期待値は高かったが、さてどうだったか。
イルディコー監督のオリジナルストーリーだった前作とは違い、「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」は監督の出身と同じハンガリーの作家ミラン・フストが1942年に発表した小説が原作だ。1920年のマルタ共和国のカフェで、オランダ人船長のヤコブは美しいフランス人女性のリジーと出会い結婚する。だが幸せな生活は長く続かず、リジーの男友達デダンの登場により、ヤコブは嫉妬に苦しむことになる。
映像は美しく、雰囲気もいい。マルタのほか、ブダペスト、ハンブルクでロケ撮影を行っていて、100年以上ほとんど変わっていないであろう古い街並みの趣が物語を盛り上げる。20世紀前半の欧州の都市生活を再現する衣装や美術にも相当な労力が払われただろう。ヤコブ役のハイス・ナバー、妻役のレア・セドゥの演技も悪くない。
でもこの2時間49分の優雅で高尚な恋愛物を、はたしてこの混迷する2020年代に観る意義はどれくらいあるのか、と素朴な疑問を感じてしまう。まあ、別世界に現実逃避する効用はあるだろうか。イルディコー監督と原作の相性がよくなかったかなとも思う。次回作はぜひまた、オリジナルストーリーでお願いしたい。
まったりと流れるレア・セドゥの魅力
「心と体と」が良い意味で独特な雰囲気で映像もとても良かったので、同監督の本作も期待して鑑賞。
淡々と流れていく長尺ものは個人的には結構好み系なのだが、それにもまして本作は想像以上のまったり具合。ストーリーの核としては夫婦の問題のみなので、それを169分かけて描かれてはさすがに眠気が…。内輪揉め的にて「大人の愛の道標」と言われても今一つぴんとこない。
でも映像は期待通りの美しさ。特に、船上から望む海はとてもきれいに撮れていたと思うし、寂れた赤の塗装と海面のコントラストも印象的。意味合いはよくわからないが7つの章に分かれているのも、映像的にはメリハリが付いたかも。
個人的には期待し過ぎた分少々期待外れだったが、レア・セドゥ推しであればじゅうぶん楽しめる作品ではあると思う。
本来90分でじゅうぶんおさまるストーリーを、淡々と長尺に描くのも映画の醍醐味というべきか。
それにしてもラストの解釈、大いに気になる。
え?これっておもしろい?
ヤコブ船長、切ないね
ずっと海の上で生活してきた船長、「最初にカフェに入ってきた女性と結婚する」の宣言通り、レア・セドゥ演じるリジーと結婚
うまくいっていたのは最初だけ、途中からヤコブ船長は辛い結婚生活に
ずっと長い間留守にしてて、美しい妻が他の男性と親しげにしてたらそりゃ疑ってしまうもの
それをあえてしているように思えるリジー
プライドが高いからなのか、主導権を持ちたいからなのか、嫉妬される事で愛されていると確認する人のように思えて、リジーもヤコブ船長を愛していたのではないかと思います
っていうかそうであってほしい
ヤコブ船長はリジーに対して誠実で、早くあんな女と別れたら良いのにって観ながら思っていたけど、男の人は美しくてミステリアスな魅力がある人とは離れられないものなんでしょうねー
付き合っているだけならリジーみたいな人でも良いけど、やっぱり結婚するなら同じような誠実な人じゃないと
リジーと結婚するまではちょっと野暮ったい感じだったヤコブ船長が、結婚してからはなかなかのイケオジに見えてきたせいか、ヤコブ船長のリジーへの愛が切なかったです
すごく長い作品だったけど長さは全然感じず観れました
レア・セドゥの美しさ、衣装もステキ、ロケーションもとってもきれい、切ないストーリー、とても良かったです
ストーリー・オブ・レア・セドゥ‼️
友人とレストランで会食していた船長のヤコブは、店に最初に入ってきた女性と結婚すると宣言。現れた美しい女性リジーに求婚し、めでたく結婚した二人。しかしヤコブはリジーが浮気をしているのではないかと疑う・・・。ちょっと小悪魔的なリジー役レア・セドゥがホント魅力的、でヤコブを翻弄する謎の若妻リジーがハマり役‼️この作品は彼女の魅力を楽しむための映画ですね‼️ただイマイチこのリジーというキャラがつかめないのも事実で、ヤコブを本気で愛してるような描写もあれば、ヤコブの株券を盗み、資産家のデタンと逃避行したり、離婚して7年後に彼女の死を知ったヤコブが友人からリジーはあなたを愛していたと聞かされ、彼女の幻覚を見てみたり。もうちょっとフラッシュバックとかでもいいから、リジーの真意がつかめるような描写があれば、ラストの悲しみや感動が倍加したと思う‼️なんかスッキリしないエンディングだった。
人となりを知らずに結婚する
レアセドゥ扮するリジーは、レストランに入るや否やハイスナビー扮する最初に店に入ってきた女性に求婚しようとしていた貨物船船長ヤコブから突然結婚して欲しいと言われ受け入れた。
言う方も言う方だが、受けた方もどうなんだろうね。まあ一目ぼれするくらい女性が綺麗なら男性はラッキーだがまともに受け入れてくれる確率は低かろう。
やがてヤコブは救援隊の仕事を話したリジーの友人に嫉妬するが、そもそも妻の事情もろくに知らないのだから無理もなかろう。人となりを知らずに結婚するとこういう事になる。女性には愛がないとしたらそばにいてほしいか。なかなか難しい展開だね。モテるねは良いがヤコブもいい加減な男だ。あまり共感出来るところは無かったよ。
Honest Man
誠実なだけが取り柄である船長。途中から美少女グレーテの姿が見えなくなったけど、離婚しなければ結婚できないってところも誠実なヤコブならではのこと。まぁ、何ヶ月も妻リジーに会えないのだから、ある程度寛容にならなければならない辛さも感じられ、船員の言ってた妻3人の話にも耳を貸さなかったところがエラい。
レア・セドゥの魅力だけで長尺にも耐えられるけど、169分なんて必要ない!7つの海にかけた「7つの教訓」という章立ても重要ではないし、リジーの小悪魔的な態度にも変化が見られないのが残念だった。それにしても船員さんは大変。妻に浮気される職業NO.1だと思う。会う度に初デートといった新鮮さはあるんだけどなぁ。
長すぎない?
人生は戯れに満ちた変化の連続に過ぎない 海を航海するような男女のロマンス作品
レア・セドゥ見ているだけでシアワセ
オトコ側からの目線だけで作った
伏線を放りっぱなしにする
オトコが苦悩に七転八倒する映画。
まあこんな美人を嫁さんにしてもそのうち疑心暗鬼で
のたうち回るのがオチだろうけど。
80点(レア・セドゥだけで)
0
MOVIX京都 20220825
パンフ購入
リア・セドゥをオカズにどんぶり飯3杯食え!って言うw
困った女。でも可愛すぎる。
地味男の嫉妬映画
これは疲れる。
レア・セドゥ主演作品
一番身近な《他人》のことがわからなくなったら観るべき良作
耐久169分という社畜と奥様と受験生を始め全人類泣かせの上映時間の長さでありながら、最後の最後まで飽きさせない展開。素晴らしい。全体的に場面を長尺で撮ることがなく(夫婦の仲良シーンだけは長かったが)、テンポ良く場面場面が切り替わっていくため、悪く言えば軽すぎるが良く言えば一場面に足を取られることもないため、非常に観やすい。この辺、最近の時間ばかりが長い中身の薄い以下省略。
ざっくり言うと堅実派の仕事人夫vs奔放かつ享楽主義妻の話。なおこの2人は恋愛結婚ではなく、主人公夫が「なんか次に店に入ってきた女子と結婚するわフフフフーン」とか言ってマジでその言葉を完遂させた結果による。来たのがレアセドゥだったので結婚したけど、実際温水洋一氏みたいなご尊顔の女子なら絶対考え直したやろ自分と全力でツッコミ入れるのがこの映画の冒頭部分です。温水洋一氏に失礼。
なおこのレアセドゥですが、深掘りするとネタバレになるので控えますが、最初っから謎の女でしかないです。素性もわからなければ本人も話す気がさらさらない。唯一わかることといえば、よく言われるテンプレフランス人女性というところでしょうか。これ本当全部が全部こういうタイプじゃないと思うんすけど。どうなんよ。
一方の主人公夫。田舎の出で社交界とか全く知らん現場一筋の船長ですね。しょっちゅうリバースしてますけど、腕と勘は確かみたいです。なお船の操縦はうまいですが、能力は仕事部分に全振りしてるようですね。詳しくは言うまい。
この2人の腹の底の攻防戦と言いますが、夫婦なのに激熱な心理戦が繰り広げられるのですが、セリフではなくちょっとした描写やBGMで代弁させているのがホント、ハイセンスです。私、滅多に映画にセンスを求めない奴ですが、この映画に関してはストーリーからカメラワーク、キャスティングから描写の運びまで全てがセンスの塊と言うしかないです。絶賛です。
一番身近な他人に対して、一体何を信じれば良いのか。そんなことがわからなくなったら見返しておきたい良作。
レアセドゥの代表作と言っても過言ではないかと思われます。
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