アネットのレビュー・感想・評価
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異常な熱量だけど
酔っ払いって怖いよね。
スタンダップ・コメディアンのヘンリーとオペラ歌手のアンが結婚して子供を生んで徐々に変わっていくミュージカル。
スタンダップ・コメディが日本には馴染みのない文化もあって、ヘンリー、なんかこの人怖い・変だなと思ってたらちゃんとその感覚合ってて安心した。足くすぐるイチャイチャとかアダム・ドライバー身体でかいし、変なおどけ方で怖いのよ。
そしてヘンリーの暴力性がついに全面に出るシーンも、酔っ払って制御の効かない大男の怖さ。この"際どい男"を演じるの『最後の決闘裁判』に続き、上手いなぁアダム・ドライバー。
このポスターのシーン、見る前は男女が普通に踊ってるかと思いきや、よく見たらちゃんとアンが引っ張られてるように見える。男性の暴力がいかに傍から見て隠されているのかわかるし、劇中でもヘンリーって殴る蹴るのあからさまな暴力は振るわないけど何故かすごく暴力的に見えるのよな。
あと、ヘンリーが落ち目になってきて妻を殺したジョークを披露して観客にキレられるシーン、めっちゃウィル・スミスの件思い出した(笑)こういうブラックジョークって扱う人の感覚と受け取る側の感覚の擦り合わせみたいなもので、それが少しズレるとすぐアウトになる。ここにも一種の"際どさ"みたいなのがリンクしてるように感じた。
最初のショーで、銃で撃たれる演出ほぼ誰も笑ってないけど1人だけ笑ってる人がいて、これがスタンダップ・コメディの本質なんだろうな。そのジョークで笑える人も笑えない人もいて、そのジャッジはその場の雰囲気が決めている。あまりにもクリーンすぎるコメディしか見てない日本人には難しい文化だ。
「アネット」というギミック
ミュージカル映画ということぐらいしか知らずに鑑賞しましたが、まぁアバンからカッコいいのなんのって。第74回カンヌ国際映画祭のオープニング作品として上映されたとのことですが、まさにオープニングにうってつけの作品だと思います。
プロットは全般古典的な内容ですが、アダム演じるヘンリーのあふれ出る「不穏さ」と、マリオン演じるアンのどこか「儚げ」な感じ。そして、二人の愛の結晶である「アネット」のギミックがシュールで最後まで目が離せません。
観ているとあるシーンで福島リラさんと古舘寛治さんが出演。また別のシーンでは水原希子さん(出来れば彼女のソロも聴きたかった!)。他にも山川真里果さんと日本人キャストが4名も。そう言えば、カラックス監督は以前、日本との合作オムニバス映画『TOKYO!』の第2部『メルド』で監督していますが、あれはかなり変わった映画でした。
ヘンリーに時折「第四の壁」である鑑賞者(我々)を意識させつつも、全く対照的な「存在感」のアネットを微妙な表情だけで我々を理解させる不思議なバランスが絶妙で、どこかクセになる一本です。
ストーリーを見るのか、演劇作品として見るのか…
『スパークス・ブラザーズ』とニコイチで鑑賞したい、安易な感情移入を拒否するどこまでもキテレツで絶望的に切ないミュージカル
かなりキテレツな物語。スタンダップコメディアンのヘンリーとオペラ歌手のアンの燃え上がるような恋物語かと思いきや、二人の間に娘アネットが生まれてから生活は一変。ヘンリーの人気は急下降、優雅な生活に翳りが見え始めたかと思えば物語は坂道を転がり落ちていく。観客の感情移入を拒否するかのように高らかに歌い上げられる物語も異様ですが、アネットの姿が全く可愛くないパペットで表現されているのも異様。劇中歌には周囲の雑音も一緒に取り込んだライブ録音のようで、何もかもが奇妙で不細工で赤裸々。所々でひょっこり現れるロンとラッセルの飄々としたユーモラスな佇まいも相俟ってまさにスパークスの楽曲が映像化された世界は『スパークス・ブラザーズ』を観ていなければついて行けないくらい唯我独尊で、それは物語を一人で引っ掻き回すヘンリーを演じるアダム・ドライバーの怪演と見事にシンクロしています。ヘンリーが振りかざす一方的な父性に黙々と応えるアネットの健気さは昨日観たばかりの『ハッチング -孵化-』の主人公のそれと重なって見えましたが、父親像が完全に対照的であるところに全く異質の狂気を見ました。
全くもって万人向けの作品ではありませんが、娘を持つ父親であれば終幕の切なさに激しく胸を掻きむしられること請け合いの堂々たる異色作です。
ちなみに日本からは水原希子と古舘寛治が出演。特に水原希子の役回りがタイムリーすぎてビックリすると思います。
私は歳を取りすぎたか
商業的に作る事の大事さを学ぶ
アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールでミュージカルやりました。←ココがずっと引っ張られていて、近所で「スパークス」を上映しているので飛び込み鑑賞。演者と要所要所は良かったが刺さらなかった。ヘンリーがどうにも日本で言うとこのバーター系芸人みたいだったからかな。コメディアンの凄みみたいのは始めから感じることが出来なかった。
二人の演者と産婦人科医は最高でした。でも「わかる奴がわかれば良い」感じはどーにも。それが好きな人がいて棲み分けみたいなもんであるのはわかるんですけどね。やっぱ、「始めて出会った貴方を楽しませる事」は大事な気がします。アダム・ドライバーで言えば「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」が好きな自分が言うのも何なんですが(苦笑)。
アネットの演出も好きだっただけに、「惜しいなぁ」が溢れてしまう鑑賞になりました。両者のグズグズな夜とかあれば良い意味で胸糞になれたかな?でも蛇足かな?なんてね。
手からこぼれ落ち、それから色々考えてもねぇ
今週見たい作品があまり無く、予告編だけのイメージで鑑賞しに行きましたが、悪くはなかった。
アネットが人形である点やミュージカル敬遠しがちな方には受け入れられない部分も多いのかもしれませんが、独特の世界観で最後まで見飽きることはありませんでした。
ただ、アダム・ドライバー扮する主人公の人間性には疑問が。
自分で蒔いた種の部分が多々ありながらその悲劇に後から嘆いてもね、自分の周りにはいてほしくないタイプですね。
とはいえアダム・ドライバー、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」「スター・ウォーズ」「ハウスオブグッチ」、そして本作品、どんな役にも違和感なくハマるのは流石!マリオン・コティヤールの美しさも良かったです。
話は変わり、今ちょうどスパークスの映画も上映中ですが、アネットを見て俄然興味が湧いてきたので鑑賞してみようかなって気にさせられました。
主役二人が好き
独特な世界観が魅力
カラックスがミュージカルを撮るというと少し意外な感じがするが、「ホーリー・モーターズ」ではカイリー・ミノーグを迎えて短いミュージカル・シーンを撮っていたし、「汚れた血」ではデヴィッド・ボウイの「モダン・ラヴ」をバックに多分にミュージカル映画的な疾走シーンを描出していた。そこから考えると、今回のミュージカル映画は決して意外ではない気がする。
ただ、期待が大きかったのだろう。結論から言うと、今回の映画は余り満足のいくものではなかった。ミュージカルならではのカタルシスがあまりなく、これならば普通にドラマとして撮った方が見応えのあるものになったのではないか…という気がしてしまった。
現実から虚構への鮮やかな導入部は確かに素晴らしいものがあった。アンの公演からバイクのタンデムに繋がるシークエンスにも興奮させられた。しかし、以降はこれらを超えるミュージカルならではのカタルシスが感じられなかった。映画のポスターにもなっている嵐のヨットのシーンも、寓話性を強調した実験志向の強い演出で面白かったが、どうせやるのであれば更なるダイナミズムを追求してほしかった。
カラックスの作家的資質を考えれば、ミュージカル映画は合っているような気がするのだが、現実にはそうとも言えないようだ。確かに他とは一味違った独特の作品になっているが、過去の傑作と呼ばれるミュージカル映画を観ている自分からすると、どうにも中途半端に感じられてしまう。
音楽を担当したスパークスの楽曲が余り耳に入ってこないというのも残念である。長い間カルト的な支持を得ているバンドであることは承知している。近年の彼らのサウンドはポップスの中にバロック風味が加味されることで一種独特な世界観が構築されている。その独特のサウンドが映像に合わさることで相乗効果的に盛り上がればいいのだが、残念ながらそこまでの高揚感は得られなかった。
このようにミュージカル映画として見た場合、色々と物足りなさを感じてしまう作品だった。
ただ、随所に毒気とユーモア、皮肉が込められており、カラックスにしか撮れない作品になっていることは確かである。その意味ではまずまず楽しめた。
例えば、アネットを人形にしたギミックは面白い。彼女の存在はビジュアル的にもドラマ的にも大変ミステリアスで、そこに込められた意味については深く考察できる。自分が想像するに、それはアネットの神童性、更に言えばヘンリーとアンにとっての実在感の薄さ、不完全な親愛を表現しているのだと思う。ラストの人形の変容に鳥肌が立ってしまった。
また、凋落していくヘンリーと成功を収めていくアンの対比にはショウビズ界の残酷性が感じられた。この図式自体、決して目新しいものではないが手堅く描かれている。
アンの辿る顛末にもドラマチックさが感じられた。すでに舞台上でそのことが示唆されていたことに気付かされ運命の皮肉を感じずにいられない。
キャスト陣では、ヘンリーを演じたアダム・ドライヴァーの力演が印象に残った。挑発的なスタイルのスタンダップ・コメディアンということで、何かと聴衆の攻撃に晒されやすいのだが、表舞台での笑いと裏での苦悩。その狭間で疲弊していく姿に引き込まれた。
とりわけその巧演振りが光っていたのは中盤。ステージ上でアンをくすぐり殺したと息巻いて観客から非難の嵐を受けるシーンである。ここで彼は独壇場の一人芝居を見せており、改めてその芸達者ぶりに感服してしまった。
CGを極力避けて、マペットを使うなんて、実に洒落ている。
お伽噺ではなく悲劇でした。
レビュー出来ない。。
ネタバレは含みません。安心してください。
アダム・ドライバーをはじめとするキャストの皆さんの演技はとても良かったです。
ストーリーや描き方については何も言えません。良いとも悪いとも言えません。こればかりは観ないと分かりません。レビューしようと思って言葉が何も思いつかないのは初めてです。それくらい稀な作品だとは言えます。
・ミュージカルが好きな方
・アダム・ドライバーが好きな方
・レオス・カラックス監督が好きな方
・最近の作品に飽きている方
・激しい恋をしている、したことのある方
以上に当てはまらない方にはこの映画はお勧めしません。特に映画が好きでもない方がなんとなく観ても時間の無駄に感じる可能性があります。特に理由はないがどうしても観たいと言う方は逆に観てもいいかもしれません。
・ミュージカルが好きな方:
本編ではほぼ常に誰かが歌っています。ミュージカルが好きな方でないと途中で鬱陶しくなる可能性があります。
・アダム・ドライバーが好きな方:
主役であるアダム・ドライバーさんのシーンがとても多いです。例えミュージカルが好きでなくても彼のファンであれば最後まで観れると思います。
・レオス・カラックス監督が好きな方:
彼が好きな方は観るしかないです。また、どう言った雰囲気かは想像がつくと思います。
・最近の作品に飽きている方:
なんか最近の映画には飽きたなと思う方は時々こういった作品を観ると他の作品を見返したくなったり新しい何かを発見したりすることができます。
・激しい恋をしている、したことのある方:
この映画のテーマの一つは愛だと思います。死にそうなくらい誰かを愛している方、愛したことのある方は共感する点が多々あるかもしれません。
友達や家族、恋人などと誰かと一緒に観るというより1人で色々と感じたり考えたりしながら観る作品だと思います。
実に魅力的
元々スパークスの新作アルバム「アネット」の企画が、カラックスと出会い生まれた映画「アネット」。
このダークなロックオペラは実に魅力的でした。
それは冒頭のワンカットから溢れており、しかもロンとラッセルからそのスタートを切るんですね。あれはやられました。
カラックスの「ホーリーモーターズ」でもスパークスが流れてましたが、あそこら辺がこの出会いのきっかけだったのでしょうか。
物語はオペラ歌手とコメディアンという、相反するセレブから織りなすクラッシックな悲劇。
スパークスサウンドをバックに、アダムドライバーとマリオンコティヤールがとても瑞々しく絡み合うんです。
それとキービジュにもある、物語の起点となる嵐のクルーザー。
このシーンはスタジオ撮でしょうけど、この不自然な絵面が逆に良い。
舞台上の演出っぽく見えて、正にミュージカルやオペラのワンシーンのようでした。
そうしてアネットの自我が芽生える事で迎える、家族と愛の完全な崩壊。
ラストのまとめ方に、エンドロールも良かった。
それとアネット(子役)の歌がすごかったです。
もう一度劇場に行きたくなるような癖が強い作品、とても堪能できました。
自分好みでとても良かった!
観られる時間帯の作品が本作のみ。
前情報一切無しで鑑賞。
これが良かったのかも。
新感覚のミュージカルって感じ。
全体的に不思議な感じのシーンが多目。
新鮮味があって作品に没入出来た感じ。
アダム・ドライバーさん演じるコメディアンのヘンリー。
マリオン・コティヤールさん演じるオペラ歌手のアン。
二人の間に生まれた赤ちゃんのアネット。
この3人を中心としたミュージカル映画。
警察での取り調べもミュージカル。
裁判もミュージカル。
何もかもがミュージカル(笑)
ほぼ全てのシーンが歌。
ほぼ全てのシーンにアダム・ドライバーさんが登場。
ほぼ全ての曲がかなり自分好みで良い!
とにかく凄かったのはアダム・ドライバーさん!
その演技に圧倒。
歌がメッチャ上手い!
コメディアンの演技も凄かった。
日本人向けのギャグじゃないので面白くは無いけど、観客との歌の掛け合いのシーンは迫力満点。
本作のキモはタイトルの通りアネット。
赤ちゃんのアネットを最初に見た時はかなりの違和感。
だけど次第に顔の表情とか仕草が可愛く見えて来るのが不思議。
終盤。アネットとヘンリーとの掛け合いの歌がとても良い!
アネットと歌声がメッチャ凄い!
歌も良かったけど映像も素晴らしかった。
アメフトのハーフタイムショーでアネットが登場するシーン。
あれは完全に虐待行為です( ´∀`)
アート系ロックオペラ
アネットはマリオネットの姿をしている。木でできた人形が、喜怒哀楽を見せることはできない。ところが、ある瞬間からアネットの表情を読み取れるようになる。アネットの心の内を推し量るがあまり錯覚したのだと思うが、アネットは間違いなく悲しげな表情をしていた。この錯覚を持ったことが幸いして、ラストを強烈に感じることができた。
全体的には、アート系ロックオペラといった趣だが、幅広いジャンルからなる楽曲と各シーンの組み合わせは抜群にいい。
ヘンリーのステージシーンでは、観客の合いの手もミュージカルに組み込まれているが、ヤジはリアルなセリフになっていて、受けているのかスベっているのかはそこで区別されている。
最初の頃は、好印象だったヘンリーが、徐々にダメンズの片鱗を見せ始める。ダメンズではなくクズ男であることが決定したあたりからは、人間のダークサイドをこれでもかと、味あわせてくれる。
スペシャルサンクス:クリス・ロック
こういうステージ物として、シングにはまっているせいもあって、スタンダップコメディのシーンのつまらなさに戸惑った。ネタのつまらなさと映画的なつまらなさ、どちらでもきつかった。ジョーカーもだけれど、つまらないスタンダップコメディとして描いているが、つまらないことの言い訳になってしまうため不愉快。R100とかも。ラストは子供はお人形じゃないぞという意味なんでしょうが、人形なのは勝手に制作側が作った演出なので、マッチポンプにみえる。作家主義の名の元に甘やかすのは、感心しない。指揮者のちょっと待ってとかは面白いのになぁ。ストーリーとしては氷点みたいなことかな。あと、アダム・ドライバーの歌がそこまで能力もなければ、魅力や味も感じられない。ここ最近で音楽映画は流行りまくっているので、このレベルは低すぎる。演奏がかっこよかろうが、センス良かろうが、あんな歌声では文脈を共有していない人には届かない。プロデューサーだし、そこをコントロールできる人はいないか。逸脱として評価するのは、甘やかし過ぎだ。
どう受けとめたらいいのか。
レオス・カラックスのファンの女性に薦められて鑑賞。
ミュージカルファンです。登場人物が突然歌い出したり踊りだしたりするとワクワクするミュージカルファンです。
カラックス作品は初めて観ました。
オープニングにワクワク。途中からあれ、ちょっとちがうぞ。もっとぶっ飛んだミュージカルかと思ってました。もちろんぶっ飛んではいましたが。
でも楽しめました。
友達や見知らぬ人には薦められるかな?
チャッキーが、ちがう、アネットが産まれてくるまでが長い、もう少しテンポよく短くすれば万人受けするのに。でもそれじゃダメなんですよね。
アダム・ドライバーすごいな、好きにはなれないけど。
マリオン・コティアールのピアフ観たくなりました。
水原希子もっと出てるのかと思った。
古舘さん、短い出番なのにシーンさらっていきましたね。
以下余談(今までも余談でした)
30年以上前に米国に住んでた時、お笑いブームというか、TVでスタンダップ・コメディの番組をよくやってた。映画に出る前のエレン・デジェネレスやジョン・レグイザモ、トレーシー・ウルマンらが出てて、英語があまり解らないなりにも面白かったなあ。今でも覚えてるから。
30年経つと笑いも変わってくるのか、ヘンリーのステージ全然笑えなかったや。
30年ぶりに「リトルショップ・オブ・ホラーズ」観た。ぶっ飛ん出るけど良くできたミュージカルだったな。今見ても面白いや。スティーブ・マーティンとビル・マーレーのイカれっぷり最高だし、なんと音楽がアラン・メンケンだった。リトル・マーメイドや美女と野獣より前の作品。楽曲が全部耳に残ってるはずだ。
大好きなぶっ飛んだミュージカルです。
ぶっ飛んだ作品と、ぶっ飛んだ人が作った作品とはちがうってのがわかりました。
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