「世界観に惚れる」アネット bluecinemaさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観に惚れる
前作のホーリーモーターズから9年、待望の新作はミュージカル。監督は映画監督を志す前はミュージシャンになりたかったのもあり、ミュージカル映画はいつか撮ろうと思っていたとのこと。脚本も独特でいいのだが全体の世界観が好みなのでそれだけでも満足できている。今回ミュージカルだったり、赤ちゃんに人形を使っていたり、しかも俳優はミュージカル俳優ではない人に実際に現場で歌ったものを収録しているとのこと。そういった非現実的な要素や作り込みすぎない要素があっても、チープにならないしむしろリアリティがある。さらに一定の緊張感が漂い続けていて何より画やアクションがかっこいい。いかにもフランス人らしい美意識のように感じるが、北野武がフランスで評価をされているように、日本人が持つ美意識、侘び寂びのようなものもどこかに感じる。とにかく好き。
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