劇場公開日 2021年6月25日

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「「魂でつながる二人」」ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン) かなさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「魂でつながる二人」

2024年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

 110分の上映時間が濃密で映画に引き込まれる自分がいた。13歳から親友となった七月と安生の27歳までの物語が描写される。二人の間にちょっとした溝ができる、それは七月が好きになった家明の存在だ。いつのまにか安生の三角関係になる手前で安生は、一人旅にでる。
 自由に奔放に生きる安生、地元に残り優等生タイプの七月。二人は文通で連絡をかかさない。しかし、やはり家明が原因で二人は別れる。そしてあることをきっかけに二人はまた一緒になる。この二人の心の揺らぎが繊細に描写され二人の運命を感じる。
 この映画の最大のポイントは、安生が小説を書いていることだ。それも七月名で。映像に映っているものは。現実世界のことなのか安生が書いている小説世界のことなのか、判別がつかなくなる。まさに現実世界と小説世界が交差されながら描写され、観ていて心地よい想像力の喚起をうながしてくれる。まるで息が詰まるほどに。
 親友二人の14年におよぶ物語は、安生役のチョウ・ドンユイ、七月役のマー・スーチュン、家明役のトビー・リーの役柄にぴったりとフィットしている演技、それを引き出したデレク・ツァン監督の演出の見事さ、そしてスタッフ・キャストの総合力がいかんなく発揮された魅力的な映画であった。

かな