偽りの隣人 ある諜報員の告白のレビュー・感想・評価
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幸せに暮らすために
私の正しさは、お隣さんに通用するの?。私の正しさを他者に強要したら、世界は平和になるの?。
緩急のつけ方が、私の好みと違う映画ですが、監視国家は、過去の話か、あるいは未来予想図なのか、選挙で決めましょ。選挙ができるうちにね。
選挙で選んだ人が、暴走することもあれば、目先の政策に賛成するだけで、先の読めない有権者もいます。それでもここは、反対票を投じた人を記録する、形だけの信任投票するクニでもないし、対立候補が一服盛られたり、不審死するクニでもありません。まして軍隊が、選挙結果を蹂躙することもないのだから。
突撃!、隣の正義さんみたいな彼。彼にとって正義とは?。幸せとは?。幸福も選挙も、大切にしなければ腐敗します。
…誰かが世界を変えられる…。その誰かとは、映画の主人公のことですか?。あるいは今日、映画を観た皆様かも知れません。
「赤狩り」
映画ではありません。マンガですが、映画好きなら確実に喰いつくはず。脚本家のトランボを筆頭に、映画の主人公クラスの人が、続々登場。疑心暗鬼が不寛容となり、不寛容が分断された監視社会へ。いつの間にか、そんな時代に逆行しているから、こうしたお話が、今になって創られるのかな。
タイトルが失敗?内容は素晴らしい
ありがちなタイトルのせいか、2週目の休日の割にお客さんが少なかった。内容は凄くよいのでとても残念。
民主化運動を描いた韓国映画に必ず出てくる拷問シーンも殺される人の数も最小限で、コロナ禍でこれ以上暗い気分になりたくないという人にもおすすめできる、最後は辛い悲しい涙ではなく温かい涙が出るストーリー。
いつも思うんだけど、韓国映画も韓国ドラマも人間の生理現象だとかの細かい描写が多い。
この映画であれば、●●。ネタバレになるので控えますが。。そしてそれが伏線とか鍵となっていて、ほんとに脱帽。
見に行こうか迷っているひとはぜひ今から劇場に行ってほしい。
【ダメなものはダメ】
ストーリーは、金大中拉致監禁事件をモチーフにしたものだ。
金大中は日本で拉致された。
韓国の軍事独裁政権は、金大中のみならず、対立分子を海外で殺害するなど、今では到底考えられない暴挙を働いてきたと推察されている。
そして、それは、あらゆる民主化運動の弾圧にも繋がり、様々な映画にもなっている。
この物語はフィクションなのだけれど、こうした歴史を乗り越えた韓国の人たちにとっては、胸を締め付けられるような感覚になるのだろう。
(以下ネタバレ)
途中、お隣さん同士の屋上で、タバコをもらって吸う場面がある。
初めてで咳込んでしまう。
これと同じで、なんとか理解に努めようとしても、ダメなものはダメなのだ。
これがきっと政治信条としての答えなのだ。
だから、身を賭して闘わなくてはならないのだ。
ところで、この作品、最近は、なりを潜めていたように思っていた、韓国映画にありがちな、状況を掻き乱すキャラが登場して、なんか嬉しくなった。
たまには、社会派サスペンスなんだけど、所々コメディみたいなのは悪くないと思う。
KCIA 南山の部長たちを彷彿
でも、こっちの方が軽めで見やすいかな。
一応、フィクションだけど実際もこんな感じ?いやもっとひどい?韓国に限らず、どこも似たようなものだけど、もう少し上手く(工作)やれよと思う。
シリアスなんだけどコミカルなシーンもあったり日本には無い感じよね。
日本人必見
コメディから入ってサスペンスに展開し、最終的にヒューマンなところに着地する、韓国映画お得意の展開。それでもやっぱり終盤は涙を搾り取られるのだ…
こうやって民主主義を勝ち取ったから韓国の民主主義は強いのだと、ただ与えられて自ら勝ち取ったわけでもない我が国の民主主義はだから駄目なのだと、思い知らされる。だが、韓国のこの頃(85年前後?)の状況は、我が国の現在と似通ってはいないだろうかと、自問する…
地味ながら、日本人必見の映画…
独裁末期の韓国。自宅軟禁された民主派政党党首を隣宅から監視する情報...
独裁末期の韓国。自宅軟禁された民主派政党党首を隣宅から監視する情報機関員が、盗聴で一家の暮らしに触れる中で次第に心情を変えていく。
ポスタービジュアルより序盤はかなりコミカルなタッチだったが、機関が容赦なく政敵に手をかけ始める頃からシリアス度が増す。とはいえ全体には軽めで前向きな娯楽作にまとまっている。
最近だと「KCIA」、過去に「大統領の理髪師」も観たが、(本作はフィクションと銘打ってはいるが)苛烈な政治史の一面をリアリズムだけでなく笑いを含め多様なアプローチで描き、不謹慎あるいは偏向と言われずに公開できるのには同国映画界の奥深さを感じる。
【追記・ネタバレに変更】とはいえ後味の悪さもある。
党首の娘は、党首を偽装交通事故で殺害する作戦で誤って殺される。主人公は事故の瞬間を目撃、最期にも立ち会い、父を守ってと遺言される。
抑圧する側にいた人間が真実に触れて改心し行動するのは王道で、主人公にとってはこれが組織に反逆するきっかけとなっただろう(より直接的には自身の家族に対する機関からの脅迫だろうが)。
だが、作戦には主人公自身も党首殺害の目的を知りつつ尾行役で参加していた。決行を止める機会を探っていたかにも見えたが、党首が車を乗り換えた際には車のナンバーを報告して、娘の車の方を追跡した。無線が不調で乗り換えが伝わらなかったが、受信されていれば成功していただろう。
自身が作戦に関与していたことや、先に機関が党首の親友議員を謀殺した際の反応の薄さと比べて、党首の娘の死への主人公の反応が唐突というか、それまで良心の呵責、葛藤があったようにはあまり見えなかった。それだけ自身の任務が引き起こした現実の死への衝撃が大きかったのだろうと想像はするし、そこまで内面を描く作品ではない(あるいは自分が読み取れていない)と思うが、結末も個人的救済に留まっているようで、すっきりしなさは残る。(実際の民主化運動で失われた命を想起して、私自身が不謹慎と感じているのかもしれない)
実際の事件を連想させるが、とても良質な人間ドラマ
80年代以降の政治や社会情勢を扱った韓国映画が増えているが、本作もそんなイメージで視聴。ところが冒頭でフィクションであることを知らせるテロップが。朴正煕と全斗煥が政権を握っていた韓国を扱った映画は、実話ベースと銘打っていてもかなり攻めた内容のものが多くなっていたので少し意外な印象を受けた。
実際、当時人気のあった野党側の大統領候補が拉致された事件もあったし、韓国の情報機関による盗聴なんかは日常茶飯事だったんだろう。そんな狙われる側と監視・盗聴する側でこんな話を作り上げるとは。
設定と話の基本構図はシリアスなのに、中盤までは結構コメディテイストであることに驚いた。ちょっと笑ってしまったよ。こんな間抜けなエージェント大丈夫かって疑問も湧くんだけど。
でも、後半からは俄然シリアスに。そして一気につらい展開と感動のラストへとなだれ込む。ここらへんの脚本の作り方はさすがだな。そしてこのラストを作りたいからフィクションであることを強調したことに気づいた。ベタだけどとてもいい終わり方!現代韓国の闇を描きつつ、フィクションとして、素晴らしい人間ドラマを見せてもらった。
政治のサスペンス映画
陰謀と正義。サスペンスと感動。
金の為に雇われた主人公が監視を続ける内に何が正しいかを見極め変わっていく。
途中シリアスな場面は韓国サスペンスならではの面白さに、ラストは涙!!
映画はじめの方のシーンでボットン便所の場面は、本当観てるだけでもしんどかった。
韓国映画特有のユーモア有りが、途中少し長く冷めてしまった点がマイナス0.5
韓国映画らしいシリアスさと、悪から善に変わる感動ストーリーで面白かった!
隣のおじさん
自宅軟禁された大統領選出馬予定の野党総裁と、彼の監視を諜報機関から命ぜられたものの揺らぐ男の話。
1985年全斗煥政権次代第五共和国の韓国という設定で描かれたフィクションで、シリアスな政治サスペンスだと思っていたけれど、始まって程なく特段コミカルでは無いシーンのBGMに違和感が…??
そして総裁宅の隣家での監視が始まると、まさかの昭和のコントの様な展開も。
ここまでコテコテにコミカルな描写入れなくても良くないか?と思いつつも、サスペンスあり、人間ドラマあり、喜怒哀楽が詰まっていてとても面白かった。
B級映画だと思ってナメてたけど最高!
「タクシー運転手」「1987」などに続いて、韓国が軍事政権下の時代が舞台。ですがこれまでの作品のように、軍事政権に抵抗して民主化を勝ち取った姿をストレートに見せるのではなく、軍事政権側の人物を主人公にしており、話はより複雑です。主人公は民主活動家の大統領候補の隣に住み盗聴していますが、次第に心をほだされていく感じは「レッドファミリー」を思い出しました。
また、大統領候補を知るうちに、自分の中の正義と職務のはざまで揺れ動く姿は「トガニ」っぽいなと思いました。
映画全体の雰囲気として、たぶん意図的だと思いますが、安っぽいシンセの音楽と、主人公をはじめとしたなんとも垢抜けない役者たち(娘は別でとにかく美人)がベタな笑いする感じがなんとも野暮ったいです。でも野暮ったい笑いのシーンがあったかと思うと不意に感動させられたりもするそのバランスが絶妙でした。
特に、終盤の暗殺を阻止する方法がずっこけますが、プロテストとは真面目な顔をして抵抗するだけではなく、こういうナンセンスな笑いにズラす方法もあるのだと妙に感動してしまいました。それはこの作品が重いテーマでありながら笑いを交えて作られた姿勢と繋がると思います。
ラストシーンも、前半からの水虫や歌謡曲といったキーワードが見事に利いてきて実に巧いと思いました。
B級映画っぽい感じだと思ってナメてました。
日本にもこんなリーダーが欲しい!
素晴らしかった!
民主化を志す野党政治家を盗聴していた主人公が徐々に盲信していた軍事政権に疑問を抱き始める。
重い内容と思っていたら途中ドリフのコントみたいに笑える場面も。温かいシーンも多くリラックスして鑑賞していたら終盤に向かいシリアスな展開に。
歪んだ権力や欲望の為に若い命が犠牲になるのは本当に悲しい。
ラストを観て日本にもこんな素晴らしいリーダーが現れて欲しいと強く感じました。報道や警察組織に介入し国民より己の保身や都合を最優先させる今の与党は支持出来ません。
緊張感と抜け感のバランスが…
民主主義を貫く大統領候補をめぐるお話だけどハートウォーミングな結末でちょっと間抜けな隣人諜報員達の活躍も気持ち良いけど、いつものことながら容赦ない展開も目白押しで気が抜けない。こんなおはなし現実でもありそうだよな…。
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