「受け入れることも、国外退去させることもない?」東京クルド caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
受け入れることも、国外退去させることもない?
真実はわからないが、このドキュメンタリーを見る限りでは、日本の難民政策は問題を先送りし、何も判断することなく、受け入れることも、国外退去させることもしていないらしい。
まったく知らなかったが、入国管理局に、難民と呼ばれる人達が何年も拘留?収容?されているというから驚きだ。
不法入国は犯罪かもしれないが、本国に強制送還すると、生命の危険がある場合は、難民として保護する必要があるというのがタテマエだ。
確かに、偽装難民はいるとは思うが、時間が経過してしまうと、子供は日本で学校に通い、日本で成長し、日本で就職しなければならなくなる。親も本国での生活の基盤が無くなっていくことは容易に想像がつく。
在留資格がないまま、日本で生活させるのであれば、子供だけでも、ビザを与えるなり、対策は必要だ。
要は難民として受け入れることはないが、強制送還して問題になると困るので、自主的に出国するのを待っていると言うことだろう。
移民政策も含め、日本の外国人受け入れは、とても閉鎖的だ。これは、国を閉ざしているとも言えるが、誰も責任を取りたくないために、判断をしないということだと思う。
このようなぬるま湯に浸かり、日本は三十年もの月日を失ってしまった。
クルドから来て日本に住んでいる人達は、1500人程度らしい。彼らが、本国で生命の危険にさらされていたとすると、誰かが助けてあげなくてはいけない。
日本は経済成長していなくとも、経済大国であることに変わりはない。
国際社会で何もすることができない日本は、このまま二流国家へと衰退していくのか。このドキュメンタリーは、誰も責任を取れない日本という国の行末を暗示しているようにも見える。
飼いならされた人達の群れは、どこに進もうとしているのか。流されるまま、流される方向へと進んでいくだけなのかもしれない…。
国外に出る費用は自己負担でしょうね。
入国は片道切符で来て、亡命を申請して、入国管理局に収容されるんでしょう。
出国することもできない人は、本国で殺されるということだと思います。