「20年経ったからこそ生まれた傑作」機動戦士ガンダムSEED FREEDOM サブロウタさんの映画レビュー(感想・評価)
20年経ったからこそ生まれた傑作
詳しいネタバレ無しに言うと
年に似合わぬ心と立場を背負わされた少年は年相応に思い悩み、誰かを頼り共に戦う『自由』を与えられ
迷う事を強いられ、真っ直ぐに己の道を歩くことすら許されなかった少年は自分の中の揺るぎない『正義』を取り戻し
物語に踊らされ、蒙昧な尖兵のまま戦いの中を駆け抜けさせられた少年は『運命』を切り開く翼を手にした
そんな映画です
なーんてポエミーな表現で誤魔化さず言うと要するにこの映画では『キャラをその時の自分の好き嫌いで重用したり干したり美化したり貶めたりしていたメインスタッフ』が居ないわけですよ
その方は既に故人なのであまり悪く言いたくはないのでここまでにしますが、つまりは『遂に全てのスタッフが一丸となって作れたSEEDの物語』なわけでそんなの面白くならないわけないじゃないですか
今までCEの歴史の中で戦ってきた多くの者たちが誰も彼も蚊帳の外になることなく今の自分にできる事で物語に関わってくる
最高じゃないですか
勿論『王道ではない』人達に関しては出てきませんが、それでもTVシリーズ2作品の集大成、DESTINYまでにあったもやもやを吹き飛ばしてくれる傑作です
しっかりしたストーリー、SEEDのスタイリッシュな機体を縦横無尽に動かすCG技術、随所に挿入される手書きロボやお約束のバンク映像、SEEDキャラ大集合等々に加えて、ガンダムファン、サンライズファンに向けた小ネタも随所にある傑作映画なので是非劇場で観ましょう
でも最後に一つだけ
これは『ガンダムSEEDシリーズが大好きな人達』が満足する映画ではありません
『ガンダムSEEDシリーズを嫌いになれなかった人達』へのご褒美のような映画です
色々言いたいことはあるけど、やっぱりSEEDが嫌いにはなれなかった
スパロボでのSEEDの改変に喜びを感じてしまうような、そんな『思う所があるまま過ごしてきたファン』に向けた映画だったと思います