劇場公開日 2022年4月15日

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「俺たちの火の鳥はこれくらいがちょうどいいんじゃないの?」ニワトリ☆フェニックス 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0俺たちの火の鳥はこれくらいがちょうどいいんじゃないの?

2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作未見。
もうどにでもなれ感満載のふたりのロードムービー。現実とも幽界ともいえぬ様々な場所を訪れ、妙なやつらと出会い、漫画のような展開を乗り越え、行きつくところに落ち着くラスト。
なんだかパンクでファンキー。セリフはどうも"スジナシ"のようなやり取りで、中身はなくて行き当たりばったりの雰囲気。それが好きならいいが、ちょいとイラついてしまった。

日野正平が現れて、「蝉は今を一所懸命ですな。」と言う。これも"スジナシ"かよ?と思いつつ、そのあとけっこう的を得た説法を説く。言葉に真があるように聞こえるのは、彼自身が某局で自転車旅をしていろんな人と出会ったからだろうと思えた。まじめに生きてきた人間じゃなくて、多少の脱線を犯してきた人生を生きた人間だからこその言葉だった。たぶん今が日野正平にとって、「地上にでた蝉」の時なのだろうな。

二人は、先が短いと覚悟を決めている。だから、今を一所懸命生きようとして旅に出た。今を生きればいいことがある。そう割り切ってみたら、ほら、いいことがあった。

栗太郎