「蝉の声と波の音が胸に沁みるロードムービー」ニワトリ☆フェニックス 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
蝉の声と波の音が胸に沁みるロードムービー
井浦新と成田凌、地元伊勢志摩で撮影されたロードムービー。観ない訳がない。
幼なじみの草太(井浦新)と楽人(成田凌)はかつて都会で一緒に遊び暮らしていた。草太は自堕落な生活と訣別してひとり故郷に帰る。久しぶりに楽人から連絡があり旅に誘われる。
さまざまな人たちと出会いながら、火の鳥を見ることを目的とした二人の旅が続く。
草太は病を抱えている様子で旅の記録を自撮りしており、裏社会の一員である楽人には組から何度も召集の連絡が入るが足を洗いたい楽人は拒絶している。
最初にFuck the storyの文字が出る(成田凌が着ているシャツに書かれている)ので、ストーリー重視でないことを宣言した、雰囲気だけの映画かなと思っていたら、結構しっかりしていて、映像もきれいだし、ロードムービーにしては耳に優しいピアノの劇伴も美しい。
旅の途中で出会う人たちが語るメッセージも恥ずかしいくらいにストレートに伝わってくる。
自転車青年は旅での人との触れ合いを語る。
僧侶は、過去は変えられないが今をどう生きるかで過去の意味が変わってくるし、今が未来だと語る。
映画館で上映される映画の中の登場人物は生まれてきた意味を語る。
スナックとS M女王のエピソードだけもっと普通に、飲み過ぎて失敗した、入ってはいけない所に行って危険な目にあった、という別の描き方にすればよかったと思う。
あまりにも奇怪すぎて、作る側は楽しんでるんだろうが、観る方は楽しめなかった。
絡んでこない花嫁と草太のナレーションによる解説がいっそなければなぁと思っていたら、最後に、、、。
不覚にも号泣してしまった。(単純)
主役の二人は画面に映っているだけでずっと見ていられる。
奥田瑛二が上手いのはわかってたけど、僧侶役の火野正平が自然な語りでよかった。最近あまり出てこないけど良い俳優さんですね。
最後には津田寛治も見せ場があってよかったです。
空の青さと稲穂の緑が鮮やかで、蝉の声と波の音が胸に沁みる。
地元撮影の作品なのでどうしても甘くなります。
地元の伊勢志摩で撮影されたのに、なぜ映画館何も宣伝しないんだろう。イオン配給なのに三重県内に5つあるイオンシネマで一館しか上映してないし。
観に来て欲しくないんだろうか。
映画館のスタッフのほとんどがアルバイトだから、観客がたくさん入ろうが入るまいが関係ないんだろうけど、こういうところが、この映画に出てくる映画館主が嘆く今の映画館は、、てことなんだろうな。
今晩は
本店でしたか‥。失礼しました。
ラストの捻りを効かせたシーン。私も思わず涙腺が・・。
あれは、ちょっとずるいよなあ・・、と先ほど第一作を配信で観て思いました。第一作の粗削りな作りより、私はこの作品の方が好きでしたね。
何より、年頃の娘を持つ男としては沁みましたね。
酒を控えて(一日、”益々繁盛”から少し抑えてね・・。)55歳まではガンバって仕事して、稼いで、元気に過ごしたいモノです。では、又。