ドリーム・ホースのレビュー・感想・評価
全129件中、81~100件目を表示
あなたの、そして私の夢が走ります
共同馬主
馬主(競走馬のオーナー)のうち
競走馬の代金・飼育費等を複数人で
分割しその分け方は最大数百口に分かれ
決して富裕層でなくとも競走馬を所有
できる制度(競走馬価格によるが)
日本では共同馬主クラブが
購入した競走馬に募集をかけ
事務手続きを代行して広く出資者を
募る方式が普及しており
かつては個人馬主の
良血の強い馬に敵うことは
難しかったものの
近年では内国産馬の隆盛に伴い
三冠馬やビッグレースを勝つ
事も珍しくない
2022年の有馬記念を制した
イクイノックス号も
一口8万円で500口に
分けられた共同馬主の馬である
この作品は
ウェールズ北西部の端っこ
高齢化も進むヴァレーの夫妻が
一念発起で競走馬を育成
共同オーナーを村から募り
もう一度人生に張り合いを持ち
最高の体験をもたらした
ドリームアライアンス号の物語
レース鳩で全国優勝した
事もあるジャネットは
今ではスーパーと自宅を
往復する毎日
テレビを眺める夫ブライアン
そして夫と折り合いが悪く
老々介護状態で
別居している両親
そんな日々を送っていた
ある日夜勤先のパブで
税理士ハワードが話している
競走馬の話に惹き込まれ
繁殖牝馬を買い付け
種付けをして産まれた
子供を村の人々で
共同所有するという
突拍子もない計画を
立てます
夫も周囲も税理士も
反対しますが
「朝起きた時に何か違う
張り合いが欲しい」と言う
ジャネットに皆惹き込まれ
一人毎月40ポンドの出資で
競走馬育成計画は実行
共同馬主で家庭が崩壊
しかけた経験がある
ハワードはそう簡単に
勝てるものではないと
釘を刺しつつも
馬好きがどうしても
止められず奥さんに内緒で
こっそり組合の財務を担当
300ポンドの肌馬に
アメリカの長距離レースで
活躍したビエンビエン号の種
3000ポンドを付け
仔馬は産まれたものの
肌馬は引き換えに死んで
しまいます
希望の光となった仔馬に
共同オーナー達は協議の末
ドリームアライアンス(夢の連合)
と名付けられます
ドリームはすくすく育ち
半ば押しかけ同然で
地元の評判のトレーナーに
掛け合い調教管理の依頼も
取付けいよいよレースデビュー
オーナー達は応援団となって
ウェールズの田舎から
競馬場に乗り込みます
デビュー戦は大出遅れも
ありながら最後詰めて4着
それでも一同は大喜び
ドリームは徐々に3着2着
と成績を上げついに
大レースで大馬主の本命馬を
負かしてドリームは
勝利しついに組合の資金は
10万ポンドを超え
ヴァレーの希望と新聞にも
取り上げられます
ハワードはそんな躍進を
続けるドリームに
自分の父が騎手を目指して
いたのに挫折したことを
聞かされていたことを
ジャネットに打ち明け
今最高に夢が叶っていると
とうとう勤め先をやめて
税理士事務所を立ち上げて
しまいます
大馬主が購買を持ち掛けると
ジャネットは拒否しますが
共同オーナーからは勝手に
決めるなと批判もされて
しまいます
この辺が共同馬主の
むつかしいところでも
あります
(定款はあるんでしょうけど)
夫ブライアンも
ドリームが活躍するごとに
どんどん手元を離れていく
事に寂しさを覚えまた
テレビを眺める日々に
戻りつつありました
そしてついに
エイントリーの大レース
(恐らく英国で一番人気がある
グランドナショナル競争でしょう)
調教師は登録を決意
ジャネットは両親にも
知らせますが両親はそっけなく
ジャネットは落胆も怒りも
抱えながらその場を後にします
そしてレース当日
ドリームはいい感じにレースを
進めていましたが向こう正面で
突然ドリームがいなくなり
障害で転倒しけん断裂を起こし
転倒しているというまさかの
知らせ・・
競走馬は立てなくなれば
歩けないで苦しむより
安楽死処分を取ることが
ありジャネットらは決断を
迫られます
治療を選択した場合
積み立ててあった資金は
全部使われます
どうするかをオーナーで
決めますがジャネットは
ドリームがくれた希望に
我々は何も返せていない
今ここでドリームを助ける
べきだと訴えると
言い返せるものは誰も
いませんでした
ドリームは手術を行い
なんとか一命をとりとめますが
競走馬への復帰は難しいと判断
ジャネットはそれでも良かったと
共同オーナーたちとともに
以前の暮らしに戻ります
ただハワードはドリームの
腱を治すための方法として
幹細胞治療を見つけていました
間もなくジャネットの父も
亡くなりますが娘の前では
そっけなかった父も
実はドリームの新聞記事は皆
スクラップして取ってあった
事を知りジャネットは
慟哭します
幹細胞治療は身体の他所から
取り出した細胞から損傷した
組織を体内で再生させる治療法で
日本でもカネヒキリ号が同種の
治療で競争能力を取り戻し
大レースを勝ったことが
あります
そして数か月後
ハワードは調教師から連絡を
もらいジャネットらとトレセンに
向かうとそこには元気に走る
ドリームの姿が!
調教師はレースにも使えると
言いますが大怪我の後なので
復帰の可否は共同オーナーで
話し合ってと告げます
ジャネットは走らせたくない
と弱気に訴えますが
オーナー達は走るために
産まれてきたんだろうと
復帰を支持します
お婆さんの「Live to Race」
という言葉が印象的でした
受け入れきれないジャネットは
場を離れますが
ブライアンにドリームは
走りたい目をしていたと
言われ復帰をひとまず許可
使うレースは地元の
ウェルシュ・クラシック
地元で復帰戦を迎えるドリームに
ヴァレーの村も皆応援ムード
ブックメーカーも大混雑
ウェールズ国歌を皆で歌い
一丸でドリームを応援します
ただジャネットだけは
また怪我をしてしまわないか
不安で胸がつぶれそうです
馬主の気持ちってほんとこうです
勝つとか負けるとかより
何着でもいいから無事に回って
きてほしいという気持ちに
なってしまうものです(体験談)
一口馬主やってる人には
ここはほんと共感できるはず
ドリームは力強く障害を飛越し
直線で鋭く抜き去って
復帰戦の地元レースを凱旋勝利で
飾ってしまいます
くれぐれもこれは実話です
この映画はあまりこれまで
映像で見ることがなかった
英国の競馬場の雰囲気がすごくいい
ギャンブルと言ってしまえば
それまでな競馬ですが
いろんな人の思いを背負って
馬が走っている姿は
心を打つものです
「シービスケット」
「セクレタリアト/奇跡のサラブレッド」
「ライドライクアガール」
競馬の映画って良作が
多いんですよね
今作もその中に間違いなく
入ると思います
新年一発目
良い映画が観られました
ブエナビスタ
ウマ娘から競馬そのものにハマってはや2年近く。ドキュメンタリーやアニメなどで競馬の創作に触れてきましたが、実写の映画として触れるのは初めてなのでとても楽しみにしていました。
う〜ん‥思っていたほど良くなかったというか、そんなに上手いこといくか?と実際の競馬と見比べてしまったのがあまりのれなかった原因だと思っています。
まず日本競馬と違い、スタート位置が決まっておらず、よーいドンでスタートするイギリスのスタイルにまず驚きました。他にも障害の範囲が狭かったり、実況の無慈悲な反応だったりと、日本競馬の形に慣れている自分からすると、このスタイルがハマらなかったです。人馬が競走中止したら、どちらも無事なことなんで滅多のに無いのに…。
展開がポンポン進むので、レースの格がどれだけ凄いのか、ドリームアライアンスの強さとは、組合での言い争いの行方は、など気になる点がいくつもあったのですが、だいぶ有耶無耶になってしまっていたのも残念でした。
ドリームアライアンス号をはじめ、馬たちが走る姿はやはりカッコよかったですし、競馬のシーンそのものは迫力十分だったと思います。お話にインパクトが感じられず、少しダレてしまったのが足を引っ張ってしまった印象です。エンドロールのキャストの歌はかなり酷かったですが笑
鑑賞日 1/10
鑑賞時間 14:10〜16:10
座席 D-13
「ありきたりなんじゃないか」と侮るなかれ
私、イギリス英語が好きでして、さすがに地域ごとのイントネーションや言い回しの違いまでは判らないのですが、本作のように都会ではない場所のパブで、コンプライアンスの欠片もなく、ストレートで下品なことを言い合うおっちゃん達を観てるだけでニヤニヤしちゃうのです。
ちなみに、ジャン(ジャネット)を演じるトニ・コレットはイギリス人ではなくオーストラリアの人ですが、この人はどんな役をやらせても上手だし今回も素敵です。
なおこの映画、実話が基に作られていますが、実際トレーラーを観るだけでだいたい「こんな展開だろうな」とわかってしまいます。しかし、それ自体はあまりマイナスではなく、十分に楽しめて手に汗握ります。
実にその理由と言えるのが、まずは馬の見せ方が素晴らしい。ドリームアライアンス号が仔馬からどんどん育つ様子から、臨場感たっぷりのレースシーン(劇場鑑賞の価値あり)など、可愛いし、素晴らしいし、いつの間にか映画の中の彼らと共に応援し、結果に一喜一憂してしまいます。
そしてドリームアライアンス号の活躍と共に応援団が増え、勝てばパブに集まって呑んで歌う彼らを観てまた幸せになります。ジャンの言葉「朝起きてワクワクする毎日であってほしい」やハワードの「金のため(儲けたいわけ)じゃない」という動機に、大事なことを気づかされ羨ましくなります。
さらに物語が終わってエンドロール前に実話ベースの映画にありがちな「ドリームアライアンス号やジャン達のその後」が紹介された後、キャスト紹介の歌唱シーンが素敵。ちょっとしたサプライズが待っています。
なお、物語中も度々歌唱シーンがありますが、全般いいですね。「ブライアンが入歯をはめた」とか、その歌詞なんやねんと笑ってしまい、また元気をもらいます。
トレーラーだけで「ありきたりなんじゃないか」と侮るなかれ。良作だと思います。
※映画.comの解説、ダミアン・ルイスが演じたのは「ジャンの夫」ではなく、ジャンに競走馬を持つきっかけを与え、アドバイザー兼共同馬主になるハワード役です。夫のブライアン役はオーウェン・ティールです。
奇跡の感動物語に元気をもらえる
村人たちの夢と希望を背負って大きなレースに立ち向かう“ドリーム”。
幾度なく映し出されるレースのシーンでは、まるで自分も競馬場にいる気分にさせられる。
見ている私は、ドリームが障害物を飛び越えるたびに胸を撫で下ろし、一喜一憂…
村の人々と共に、スクリーン越しに観客も固唾を呑んで見守るはず。
大きなスクリーンで悲しみも、感動も、喜びも、劇場で味わえる喜び…だから劇場鑑賞はやめられない。
ストーリー構成はやや王道で凡庸、とはいえやっぱりこうでなくちゃね!
そもそも、これが実話というのも凄い。
ドリームの優しい瞳にウットリし、そして
“ドリーム”がジャンと村人に与えた希望と生きがいに涙…
エンドロールも見どころたっぷり。
素晴らしき映画でした!
競馬通の方の感動は難しいかも?
平場のG1勝利が題材でもなく、障害レースでも「グランドナショナル」勝利でなく、「ウェルシュナショナル」勝利程度では、競馬ファンは「おめでとう」は思っても、感動までは難しいですね。
やっぱり競馬ファンの私の一押し競馬映画は「のるかそるか」で不変です!
目前の金に目が絡まなくて良かった
レースに勝ち、金持ちオーナーに売却話を持ちかけられたが、断って良かった。
もし売却した後に馬が故障していたら金持ちオーナーは間違いなく処分していただろうし
そうなればその後の活躍も当然起こり得なくなる。
金儲けを目的にしなかったが故の成功。
競馬ファンのみならず、ウェールズ文化を知る資料としても最適。
レースシーンはよく撮れたなと思いました。特にみんなの推し(であり主人公のジャンにとってはある意味、我が子のような)である《ドリームアライアンス》の、強烈な末脚もさることながら、他の馬についてもどうやって撮影したんだろう?と思うくらい。
正直、ストーリー自体はそこまで凝った内容かと言えば、まあよくある話です。実話ベースですが。片田舎の動物好きの夫婦が、我が子同然に惚れ込んだ馬を花形競走馬にするという内容。面白いのが、馬主となるのがウェールズの“ど田舎民”達なのですが、それぞれに決まった額を出資するという組合方式を取っている点ですね。
この辺、推しのアイドルやアーティストに金を突っ込むファン達のFCみたいなもんかと思いました。いや、実際にその後のドリームアライアンスの活躍ぶりはウェールズきっての名馬とされるようになるので、ある意味国民的アイドルという表現でも間違いではないかと。
また今作では日頃何気なく見ている馬の生まれから引退まで、わりとスピード展開ながらも非常にきめ細かく描かれていました。
怪我で苦しませるくらいなら、銃殺するか。
生き永らえる方法をとって、違う生き方を提示するのは、これまで競走馬として生きてきた馬にとってどうなのか。
いろいろ考えさせられる作品でした。
またこの作品、ちょいちょい下町風味のなかなか直接的なジョークが出てきますが、その辺がよく聞く英国式ジョークとはまた違って、非常に面白かったです。
よくよく考えたら、ここまでウェールズ文化にどっぷり触れている作品、あまりお見かけしていないかもしれません。
走れ~走れ~「ドリーム・アライアンス」。本命、穴馬掻き分けて~
実在の競走馬「ドリーム・アライアンス」
を題材にした物語りとのことだが、
過去にもこのカテゴリーには感動作が多い。
競走馬を扱ったものなら
見た目が悪く生まれたにもかかわらず
引退後は種牡馬にまでなった〔シービスケット(2003年)〕、
または三冠馬の活躍を描いた〔セクレタリアト 奇跡のサラブレッド(2011年)〕。
騎手であれば
オーストラリアで女性騎手初の栄冠を手にした
『ミシェル・ペイン』の〔ライド・ライク・ア・ガール(2019年)〕と
枚挙にいとまなし。
が、本作、同系列に位置付けされるも、
馬そのものや騎手に焦点を中てた作品とはやや文脈を異にし、
主役となるのは「ドリーム・アライアンス」の共同馬主の人々。
当然、レースのシーンの迫力は満点、
勝敗に一喜一憂も、それ以上に
関係した多数の人々にスポットライトを当てた、人間ドラマが面白い。
ウェールズに住む『ジャン(トニ・コレット)』は五十歳を目前にし、
やるせない思いに囚われていた。
子供は既に独立も、夫は仕事もせずに無為に毎日を過ごし、
両親の健康は衰え、折にふれ面倒を見に行く日課。
自身も昼はスーパーのレジ、
夜はパブのバーテンをこなし糊口を凌ぎながらも
主婦としての変わらぬ暮らし。
そんな彼女が或る日、競走馬を育てレースに出し
賞金を稼ぐとのアイディアを思い付く。
やや唐突にも思えるが、
嘗ては犬の品評会や鳩レースで優勝との経歴、
且つ自宅には家畜もおり、
町中にも馬がうろついているとの環境も影響しているよう。
パブの客である『ハワード(ダミアン・ルイス)』の協力でノウハウを得、
更には町の人々に声掛けをし
少額出資の組合方式で資金面も乗り越える。
牡馬を買い入れ、安い費用で種付けをし、
生まれた仔馬を「ドリーム・アライアンス」と名付け育て上げ、
調教師に預け、レースに出るようになって以降は
結果も残しだす。
ここで変化したのは、『ジャン』とその夫、
または『ハワード』を含めて共同馬主の人々。
閉鎖的な片田舎で灰色の日々を過ごしていたのが
一頭の馬の活躍によりにわかに輝かしい毎日に変異する。
レースがある暇日は勿論、バスを仕立てて応援に。
その道中も馬主席でも宴会状態。
着内に入ったといっては喜び、優勝すれば歓声を上げ、
馬の存在が生き甲斐ともなって行く。
鄙びた町の他の住人達とて例外ではない。
おらが町の生んだスターの行く末を、
住民こぞって手に汗握り固唾を飲む。
勿論、馬主間で意見の隔たりも出よう。
が、その時は、馬を第一に考えることが、更なる幸運を招き入れる。
エンドロールの前に、同馬の引退後、
最終的に馬主達への分配金が提示され、
それは思いの外、少額。
まぁ、二十人もの人間に配分し、
更には元々掛かった経費を差し引けば、
その程度のものなのだろう。
とは言え、彼女や彼等が「ドリーム・アライアンス」と関わった間に得たのは
まさしくプライスレス。
どれだけの素晴らしさであったかは、
その後に『ジャン』がしたことを見ても判ろうと言うもの。
予定調和でいいんです!年始から元気・勇気・やる気を貰いました
実話ベースで、これほど観ている側が期待しているとおりにストーリーが展開するのか!と言うくらいポジティブに物語が進みます。
一人の「競走馬のオーナーになりたい」気持ちが閉塞感にあえいでいた人々の心を開放させていき、大円団へと向かう心地よさ。
共同馬主になる意思決定の難しさも描かれますが、登場人物が善き人ばかり、心配事は杞憂に終わるのがまた良かった。
結果、人々にもたらされたのは利益ではなく心の充足感だったのでしょうが、それでいいんだよと頷いてしまうような、前へ進む気持ちを貰えました。
そしてトニ・コレットの演技力!それに負けないお馬さんたちのキュートな表情。
良かったです。
楽しい映画でした
オフィシャルサイトの写真やストーリーから、事前に、この映画の大まかな内容が分かってしまいますが、それでも、観ていて楽しい映画でした。
実話を映画化したとのことで、ドリームアライアンスの馬主になった面々が、この馬から、人生にとってお金は大切ですが、それ以上に生涯に忘れられないような感動体験をする素晴らしさを知り得た様子が、とても上手に描写されていると思いました。
「競走馬」を、カネ儲けの手段としか見ない人が居る一方で、フランスの印象派画家のエドガー・ドガのように、競走馬の美しさ・愛らしさに惹かれて、深い愛情を抱く人もいます。
ドリームアライアンスの馬主たちの多くは、最初は、おそらく前者の立場でしたが、ドリームアライアンスの活躍により、全員が後者の立場へと、心情が変わっていく様子が、自然に描かれていて良かったと思いました。
また、後半で、この物語の舞台のイギリス・ウェールズ出身のメゾソプラノ歌手のキャサリン・ジェンキンスも、少しですが、登場します。
私には、心暖まる楽しい映画で、観て良かったと思いました。
良い映画だと思う。だけれども、心底感動させないのは何故かな。
正月最初に観る映画は、夢があって楽しめて笑える映画がみたい。寅さんや釣りバカ或いはトラック野郎、クレジィキャツや社長漫遊記シリーズが懐かしい。
それらに代わるものとして、鑑賞した。良い映画だと思うし、主要な主人公の人物背景もしっかり描かれている。笑いもある。でも、心底私を感動させないのはなぜだろう。競馬対する文化の違いだろうか。人生をワクワクさせる胸の高鳴りが、レースの勝負にしか繋がらないのが問題だろうか。それと金が絡んでしまうのがいけないのか。不思議。
佳き…
そんなに上手くいくもんかねぇ…とは思うが、実話ベースらしいので納得せざるを得ない。
まぁそうした展開よりも、組合のみんなの抱える事情や想い、思いやりなどに心を打たれるのだけれど…
なによりも、夢中になれるものが欲しいという気持ちと、馬(ドリーム)に対する気遣いが美しく、ドリームはそれをもたらしてくれたんだなと素直に思えた。
そしてエンドロールが最高だな。
佳き…
涙腺ゆるゆる ❢
最近はCGを駆使した大作とか、やたら過激な
シ−ン、大袈裟な展開の映画が多い中で実話ベースのヒューマンドラマに惹かれ、更に主人公がナイト・シャマラン監督のあの「シックスセンス」でアカデミー助演女優賞候補になったトニ.コ−ルと知って観に行きました。
ウェ−ルズ片田舎の主婦が雌馬を購入して、種付をして出来た子馬を競走馬に育てレ−ス
に勝つサクセスストーリー程度の予備知識
はありましたが。母馬が子馬を産んだ直後に
死んでしまうドキドキのスタート!!
ネタバレになるのでストーリー展開については止めておきますが
途中からドキドキワクワクの展開で涙腺が緩くなったのかウルウルが止まらなくなりました。今日は感情が高ぶっておかしいのかと思って隣のおじさんを見たら何度も鼻水を拭ってました。
兎も角、脚本と俳優陣が素晴らしい。
私は大の映画ファンで年間5~60本は鑑賞
しますが間違いなく本年イチ推しです。
余り評判になってませんが見逃すには勿体ない一本です!
"競馬"を知ってればより楽しめる。
私は映画鑑賞屋歴40年以上だが、競馬ファン歴も30年以上、なので、色んな観点で作品を楽しめた。
実際に馬主になる事はとても大変で、日本でも個人馬主のハードルは結構高いが、一口馬主制度を設けているクラブ馬なら気軽に馬主気分も味わえたりする。
馬主って、儲けようとして始めたら絶対に痛い目に遭う(劇中の台詞にもあった。)から、本当に馬が好きで、人生を捧げる位の想いと覚悟が無ければ出来ない事を主人公のジャンが巧く投影してたし、それを演じたトニ・コレットも見事だった。
物語の軸をジャンとその周囲に重きを置いた分、調教師や騎手らの描き方が稍雑になっていたのは仕方ないが、単に人間ドラマとして観ればなかなかの仕上がりだと思う。
あと、確かに競馬は所詮ギャンブルだと軽く見られる部分もあるが、競馬に命を捧げ、自分の競走馬によって人生を変えられた人々も多数いる事も教えてくれた気がする。
あと、エンディングロールでモデルとなったジャンとその夫ブライアン、ハワードと妻のアンジェラの実物が、演じた俳優達と肩を組んで熱唱する姿にはちょっとホッコリした。
あ〜、観ながら馬券買いたくなった。
自宅農園で動物を育てて生活をしていた主婦のジャン。ある日飲み屋で出会ったハワードの影響で、馬主になろうと決意。旦那にはバカ呼ばわりされたが、共同馬主20人を集めるのに成功し雌馬をゲットし仔馬を授かる。みんなの夢を背負った仔馬の名前はドリームアライアンス。競走馬として有名調教師に預けられる。このドリーム、やけに可愛い。犬や猫みたいにガッツリ演技はしてないんだけど、何だか気持ちが感じられる。ジャンに撫でられると何だか幸せそう〜。展開としてはレースに勝つ為にみんなが頑張る話ではなく、馬主達の夫婦関係のぶつかり合いが楽しかった。何より子供のいないジャンがドリームを我が子の様に感じて心配している姿が微笑ましい。途中、ドリームが大変な事になったけど、そこは予想通り復活。バラバラになりそうな馬主組合もドリームの走りで団結。関係ない村の人達まで応援してくれる様になる。王道の成功ストーリー、本当に事実ベース?って思うくらいハッピーになれました。
驚いたのはウェールズに国歌があった事。て、事はイングランドやスコットランドにも国歌があるんだろうな。知らんけど。それとウェールズの競馬は障害物レースが普通なのかなぁ。知らんけど。
結構泥臭い実話の映画化ですが英国流の切れ味鋭いシャレがワサビのように効いたハッピーで楽しいヒューマンストーリー
英国ウェールズの谷間にある小さな村。昼はスーパー、夜はパブでパート勤務のかたわら失業中の夫ブライアンの世話と両親の介護をする毎日を送っているジャン。ある日税理士のハワードが競走馬オーナーの話をしているのを聞いて強い興味を抱いたジャンは突然競走馬飼育について独学で猛勉強を始め、ついに家畜の飼育に長けたブライアンを説得して血統のいい牝馬を購入、村で共同オーナーを募るチラシを配ってパブに集まった人達と馬主組合を立ち上げる。“ドリーム・アライアンス”と名付けられた仔馬はジャン達の期待を背負ってスクスクと育ち、いよいよデビュー戦に臨むが・・・という実話ベースのドラマ。
ジャンの献身にも関わらず我儘言い放題の両親、リビングで朝から晩までテレビを観ているだけの夫、自分を押し殺して毎日を過ごすジャンがなぜ競走馬を育てようと思ったのか、中盤でボソッと語られるその思いは老境に差し掛かった自分の現況が激しく揺さぶります。ドリーム号が成長するにつれてジャン達の希望がパブで酒を酌み交わすくらいしか娯楽のない村全体にじわじわと染み渡っていく様がとにかく爽やかで、クライマックスの熱狂は『インビクタス 負けざる者たち』のそれに匹敵する熱量。今を生きる観客の傍にあるもののと同じ憂鬱を飛び越えて疾走するドリーム号の勇姿に1円も出資していない自分もしっかり泣かされました。
最近では『へレディタリー 継承』や『ナイトメア・アリー』でのエキセントリックな怪演が印象的なトニ・コレットが本作では慎ましやかな演技を披露、雷に打たれたように使命に目覚めたことで笑顔を取り戻す様を見事に体現しています。
上記な書き方をすると湿っぽい作品を思い浮かべるかも知れませんが、そこは英国映画なので切れ味鋭いシャレがいくつも仕込まれています。特に痛快なのが独居老人カービーがパブのカラオケで披露する『デライラ』。トム・ジョーンズの歌として有名ですが、楽しい宴の最中にブチ込まれる壮絶な嫉妬に裏打ちされた凄い歌詞にドン引きです。しかもこれが結構重要な前振りにもなっているのでオーソドックスなようでいて実は画期的な終幕では泣きながら大爆笑です。英国人にしか解らないようなカメオ出演(キャサリン・ジェンキンスとクレア・ボールディングって言われてもサッパリ・・・)もあったりしてやりたい放題の楽しい作品になっています。
良作ですが、奇跡に至る「必然」が、あとひとつ、ふたつくらい欲しい
片田舎の主婦が夢のない日常からの脱却するために一念発起し競走馬の馬主(そこの村人と共同経営)になって、それに関わる人々、それぞれがワクワクする様な人生の活気を取り戻そうとするサクセスストーリーです。
見せ場のレースシーンを忠実に再現しつつ、手に汗握るような演出は大変魅力的でした。日本の競馬と違い基本路線が長距離の障害レースなのでしょうか?ゲートもなくて想像とギャップがあって大変興味深いです。
実話ベースということで、最終的には奇跡的な結果をもたらすのですが、脚本上、もう少しその過程に「既存の考え方から脱却した新たな試み」などを付加し、この結果が偶然の産物ではない・・・っていうとこをアピールすべきかな、と感じました。共同馬主組合?だけじゃちょっと弱いかなと。
例えば、飼葉(競走馬の餌)に村の特産品の〇〇を混ぜてスタミナアップを図った、特殊な訓練をしてライバルを出し抜いた、などの「勝つにいたる必然」です。ぶっちゃけ、ここはフィクションで良い(笑)。
「目利き鋭く一発山張って強く念じたら大当たり。皆んな幸せになりました」・・・って話じゃ宝くじと同じ。むしろ夢がなくなってしまいますので。
全129件中、81~100件目を表示