「ソウが終わったから」スパイラル ソウ オールリセット maruさんの映画レビュー(感想・評価)
ソウが終わったから
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悪人をこらしめるのが警官なら、悪徳警官をこらしめるのも警官しかいない。過剰な白人警察官による取締で黒人が殺された問題がありつくられたのだろうか。主人公がクリス・ロックというところも意図してなのか気になります。
「ソウが完結したけど、でもこのフォーマットは売れるし、次回作なんかできないかな?…あ!じゃリセットしてみよっか?」という動機ではなく、前述したこの社会問題をどういった切り口で世間に広められるだろうか…というテーマでもって、「あっ…ソウのフォーマットいいよね?あれだと一見理不尽な拷問にも見えるけど、筋の通ったジグソウの意見が共感を呼んだじゃない。殺人鬼が殺人を犯すという表面的な印象で展開していくんだけど、実際犯人はものすごい理不尽な目にあっていて、正義という名の報復でもって警官を殺害していくみたいなのどう?」という経緯も考えられる。
主人公が黒人警官、犯人が白人警官。殺されるのは白人警官。ただ、ラストで主人公の父親の元署長(サミュエル・L・ジャクソン)を殺すことで「白人だけを悪者にしてるんじゃないんですよー。間違ったことをした人間を悪者として、劇中で捌いている殺しているんですよー」と、ラストシーンで印象づけているので、反感を買いづらい映画としてもうまい見せ方だなと思いました。
所々演出に多少の古さやベタさを感じましたが、オチの編集のテンポが(ソウそのまんまじゃん)という遊びごころもあり、全体的には映画として楽しめた。デザインや演出には新進気鋭な人をいれたほうがいいかも。
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