「殺し屋コンビやサバイバル夫婦のキャラ立ちまくった群像劇の面白さ」モンタナの目撃者 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
殺し屋コンビやサバイバル夫婦のキャラ立ちまくった群像劇の面白さ
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アンジェリーナ・ジョリー主演で、山火事の猛火の中、森林警備の女性が命を狙われた少年を救おうと奔走する。そんなジャンル映画的なプロットはウソではないが、一見、枝葉末節に思える部分が、実は本作の肝ではないか。ジョリーの役は、通り一遍の母性とは程遠く、ひたすら職業人として行動するし、悪役であるはずの殺し屋コンビは、予算と時間がないまま押し付けられた業務に振り回される雇われ人の悲哀を醸しており、そして脇キャラと思われた保安官の身重の妻は、ある瞬間から、この物語を動かす超アグレッシブなトリックスターであることが判明する。気がつけば、ジャンル映画の定番を裏切る、奇妙な群像ドラマが出来上がっている。これまで社会派の側面が強かったテイラー・シェリダンが、ひとつ壁を破った怪作。
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