「カメラ・カベロの才能と魅力が放射されるシンデレラ・ストーリー、それを支える多くの人たちの歌とダンスの素晴らしさ」シンデレラ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
カメラ・カベロの才能と魅力が放射されるシンデレラ・ストーリー、それを支える多くの人たちの歌とダンスの素晴らしさ
ケイ・キャノン脚本・監督による2021年9月アマゾン配給の米国・英国映画。音楽はマイケル・ダナ ジェシカ・ローズ・ワイス。美術はポール・カービイ、衣装はエレン・マイロニック。制作はソニー・ピクチャー(前身コロンビア)及びフルウェル・73。
出演は、カメラ・カベロ、イディナ・メンゼル(アナと雪の女王でアカデミー賞歌曲賞)、ニコラス・ガリティン。ミニ・ドライバー、ピアース・ブロスマン(5代目ジェームス・ポンド、ビリー・ポーター(2013年ミュージカルベストアクターためのトニー賞受賞)、タルーラ・グリーヴ、ドック・ブラウン(ラッパー)。
ミュージカル仕様で、ストーリーも今様に、衣装デザイナー志望のヒロインの仕事と恋両方のサクセス・ストーリーに仕立ていた。
シンデレラ役カメラ・カベロの歌と踊りは、そのハスキーがかった声と東洋的容貌と相まって、凄く惹きつけられるものがある。共作らしいが彼女による主題歌Million to oneも映画のヒロイン像と合致してとても良い。流石、全米トップのアルバムを出す人気シンガーソングライター。そして継母メンゼルの歌唱力は期待通りに圧巻だが、王子ガリティンの歌唱力も素晴らしくて驚かされた。
ガリティン妹のタルーラ・グリーブの政策オタクぶりも可愛いく、次期王が約束される展開は、なかなか上手いと思わされた。
ビリーポーターによる魔法のシーンのCG映像の楽しさと美しさは格別。お城内の内装の豪華さ及び美しさも素晴らしく、ガラスの靴の造形や、衣装のカラフルさも素敵だった。そして、集団によるダンスのダイナミズムは流石で、楽しさが満載で良かった。特にラストのカベロを中心としたダンスシーンの賑やかさ・楽しさは出色。
ただ、このお話の流れだと、王子は将来の夢のかけらも何も無く、シンデレラのヒモ男になってしまう。それで2人は長続きするのだろうか?とも思ってしまった。欲張りすぎかもしれないが、脚本で王子の将来像イメージに関する書き込みが、少しだけでも有れば更に良かった気がした。