「しょうがないよね。」前科者 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
しょうがないよね。
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保護観察官をやりながらコンビニバイトで生計を立てる佳代が担当している男がある日失踪。その男が警察官の銃を奪った容疑で指名手配になる話。
個人的にはドラマ版の方が好きだった。話の構図もかなり『護られなかった者たちへ』と似ていて新鮮味もなく、それだったら『護られなかった』の方が好き。
今作は割とサスペンスメインかつ佳代の過去の話も入ってきて、罪を犯した人がもう一度社会でやり直せるのかというところはそこまで深く描けてなかった気がする。
おそらくそれは誰しも何かの間違いを犯した前科者であるっていうことを今回はメインテーマだったからなのかなと思った。"前科者"は、森田剛演じる誠のことだけじゃなく、自分のせいで恋人の父親が死んだことをずっと負い目に思ってる佳代、誠の父親に手違いで住所を教えてしまった福祉課の人、法令で許されていたため薬を飲ませた先生、たちのことも指してるんだろうなと思った。
自分の境遇が不運だから人を殺すのは「しょうがない」という理論が許されないのと同じように、私たちの法律で問われない罪も「しょうがない」じゃ許されない。でもこういう福祉や制度も人がやってることだから何か漏れがあることは絶対で、それは「しょうがない」ことかなと思ってしまう。
その漏れをすくい取れるように、1つのところで100パーセントじゃなくて、色んな所で80パーセントが機能してる事が大事なんだろうな。
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