「園子温監督、狂気とはこのことだ」ジャッリカットゥ 牛の怒り nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
園子温監督、狂気とはこのことだ
人の持つ狂気にただただ圧倒され、色んな感情がグルグル渦巻いて、堪能させられました
園子温監督、狂気っていうのはこういう事をいうんですよ
”プリズナーズ・オブ・ゴーストランド”のクレイジーなんて嘘っぽいペラペラだって事ですよ
全般が退屈だっていう人が居ますが、謎だらけで興味津々でした
インドで牛肉を食べるのはヒンズー教徒以外の2割だけです
村の連中はみんな牛肉を食べてるんだから
えらい偏った少数の人達の話が映画になるんかと思いますが
インドは人口が多いから2割でも2億人
日本の倍の人口です
その2割はイスラム教とキリスト教の人達になるんですよね
調べてみるとケーララ州はインドの最南端の西側の細長い地域で、やはりほとんどがイスラム教徒とキリスト教徒みたいですが
彼らが宗教に関わっているとは全然思えないのも謎です
協会のカャッサバ畑がててくるんですが、個々の精神的な関わりの事です
インドの事情がさっぱりわからないのですが、ヒンズー教のカースト制度は生まれながらに身分が決まってしまうため、低い階層の人がイスラム教やキリスト教に改宗する傾向にある事は聞いた事があります
ちゃんと教育を受けていない人達が餌につられて入信しただけなのかな?なんて想像してみたり
日本人には全く理解できない人達
まず、一般人がちょっとした事でつかみ合いや殴り合いを始めるんだ
海賊や山賊じゃあるまいしね
かと思えば、頼りになる男が出現すると、中学生のようにみんなで連呼です
カルチャーショックの連続
唯一理解出来たのは
確執のある二人の男の殺し合い
これはいかにも人間的だから
彼らは宗教どころかちょっとした事で本能丸出しになる
はっきり言って人というよりケモノですね
扇動なんて必要ない
ヒトラーもジョーカーも真っ青
勝手に狂って集団で自滅するんだから
勝手に川に落ちて集団自殺する鹿の群れみたいだ
ヒトは特別な物ではなく、大脳皮質がちょっと大きくなったケモノなんだって事です
聖書の黙示録を引用していますが、根本は単純なんですよ
キリスト教はヒトは特別な物で、世界は人のためにあるという考え方があるのでややこしくなるんです
日本人にはとてもついていけない血圧の高いハイテンション
近寄りたくないです
1000人の狂人に追いかけられる水牛に同情さえしてしまいます
冗談はさておき、文化も何もわかからない日本人にはその狂気と迫力に圧倒されるか、キリスト教の観点から黙示録を体感するぐらいしかできませんが、インドの人達には色々とささるものがある作品なんでしょう
”チャーリー”という映画がこの地方を題材にして作られたらしいですが、内容を見ると予告編だけ観たような気がします