「追悼作でありながら王道エンタメ」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー MAGUNETTOさんの映画レビュー(感想・評価)
追悼作でありながら王道エンタメ
前提として
・「ブラックパンサー」は視聴済
・MCUの劇場版作品は大体視聴済
・原作と思われる作品は未読
泣いた。ブラックパンサーシリーズでこんなに泣くとは思わなかった。
もちろんチャドウィック・ボーズマンへの弔いであるために、その手の泣き演出は予想できたけど、それを"継承"という形に持っていったのがアツイし泣ける。
ストーリーとしては王道。今回は"継承"と"リーダー"がテーマ。
そこに移民問題や外交(特にアメリカ)、伝統や宗教が絡んでくる。
特に、シュリが伝統や宗教を信じていない感覚が非常に現代の若者として共感できるところだった。
そのままテクノロジーにのめり込むわけだが、トニー・スタークとどこか似ているところがある。
そこに出てきたのがリリ・ウィリアムズ。アイアンハートの初陣はオマージュたっぷりで大興奮。
今回のストーリーの都合上、存在がいるのかいらないのか曖昧なところが惜しい。彼女は非常に魅力的なキャラクターだ。次の機会に期待。
ウムバクは今回、重要かつかなりの和みキャラに変貌。いや、前回の作品を観たら当然なのか。彼だからこその言動が見られたのも嬉しいかな。
海底王国の世界観も素晴らしい。やっぱり映像で観ると違うものがある。ワカンダと同じように美しく平和である故に、戦争シーンは全く心が踊らなかった。
素晴らしい対比だ。
そしてネイモアはある人物に似ている。ティ・チャラとは真逆の国の守り方。ここがワカンダとタロカンの大きな違いとして描かれる。
特に掛け声に注目。
掛け声と言えば"ワカンダフォーエバー"。これをタイトルにしたのは単純ではない。この作品にこそ合うタイトルなのだ。アツイ演出で聴けるのでワクワクしてほしい。
そして最後のサプライズ。魂は受け継がれていく。
音楽面ではやっぱりずば抜けてカッコいい。MCU作品群の中では最も、音楽を重要視している作品とまで言える。
だからこそ、戦闘シーンの盛り上がりがハンパない。
粗を探そうとすれば見つかるんだけど(ロスの活躍とかリリの立ち位置とか)、ひたすらテンションアガるし泣けるし胸熱だったので満足。