「考えてみれば地上人の強欲さがなかったらワガンダとタロカン族との戦いもなかったわけで、どことなく代理戦争の様な趣き。だから気勢が上がらず感情もそれ程揺すぶられなかったのだろうなあ。」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0考えてみれば地上人の強欲さがなかったらワガンダとタロカン族との戦いもなかったわけで、どことなく代理戦争の様な趣き。だから気勢が上がらず感情もそれ程揺すぶられなかったのだろうなあ。

2022年11月12日
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鑑賞方法:映画館

①前作の『ブラック・パンサー』はアフリカ系アメリカン等の非白人に対する忖度というか媚びみたいなものを感じて今一つ乗れなかったし、映画自体としてもそれ程良くできていたとも思われなかった(ので、アカデミー賞作品賞にノミネートされてビックリ。まあ、アカデミー賞はある意味“お祭り”なのでどうでもいいんだけど。)
②実は予告編を観て「もしかしたら、これはマーベル映画史上最もエモーショナルな📽️になるのではないだろうか」と勝手にスゴく期待していたので、期待外れに終わって残念。前国王(前ブラックパンサー)の死の哀しみを乗り越えて再生するワガンダを描く感動的な話になるべきところを、突然海から湧いて出たタロカン族なんか絡めちゃたのが話が盛り上がらなくなった一因。
③個人的には新ブラック・パンサーが誕生するところはもっと賑々しく感動的に盛り上げて欲しかった。逡巡していた⚪が味方がもう絶体絶命となった時にブラックパンサーとなって現れて「実は…!」というような。
④タロカン帝国にいたシュリを助け出す時にネイモア(クルルカン)の瀕死の娘を置き去りにして逃げていくところは後味悪し。
⑤3時間近い長尺を最後まで飽かさずに何とか引っ張って行けたので演出力はあると思うのだか如何せん脚本がもひとつだったのが一番の戦犯だろう。ラストで⚪⚪⚪の⚪⚪を出してくるのも驚きというよりちょっとアザとらしい印象が強い。
⑥主要キャストの女優達(ご贔屓アンジェラ・バセットを含め)がみんな個性的なのでもう少し点数をかさ上げしたいところだが。
⑦本作は息子を失った母の悲しみと喪失感、兄と母を失った妹の悲しみと喪失感とが話の中心だが、そういう話だからこそ、戦いの中で死んでいくモブキャラにも家族や愛する人々はいる筈でそこに生じる悲しみが置き去りにされることに、この歳になるとついつい想いを馳せるというかやりきりない思いになって単純に戦闘シーンに熱くなれないのも確か。

もーさん