劇場公開日 2022年7月8日

「今やMCUで最も熱いロックが似合う男になったソー」ソー ラブ&サンダー 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今やMCUで最も熱いロックが似合う男になったソー

2022年7月9日
PCから投稿

面白い、そして熱かった。ガンズ&ローゼズと巨大ヤギの咆哮に彩られて、ソーの剥き出しの魂が燃え上がる。彼はひととおりの人生経験を積んだ4作目の今、まるで”中年のポジティブな悟り”のような、周囲から見るとやや面倒くさくもある境地に達している。対する最恐の悪役クリスチャン・ベイルが宿すのは、いわば絶望から生まれた”ネガティヴな悟り”。両者は相対する存在ではあるが、人生において直面しているものは意外と似ているのかも。一方、ジェーンは今では守られる側でなく自ら強靭に生きようとする人に成長しているし、ワイティティ監督の語り口は相変わらず豪快だし、思いがけないゲストといい、ベイルとの戦いでの創造性豊かな色彩といい、はたまた人生の喜びと悲しみを熱く燃え上がらせるテーマ性といい、終始ノリノリで本当に楽しい。もはやソーはMCUにおけるロックの象徴。1、2作目からは想像もできないが、そんな時代がやってきたのだ。

コメントする
牛津厚信