「神様は道化がお好き」ソー ラブ&サンダー @花/王様のねこさんの映画レビュー(感想・評価)
神様は道化がお好き
マーベルらしい、マイティ・ソーらしい作風が帰ってきた!小難しい話よりこういう馬鹿馬鹿しい分かりやすさが本来の路線だったと思う。
初見さんにも優しい解説、寸劇の演出に笑ってしまった。
タイカ・ワイティティ監督のセンスが好きなので、終始ニヤニヤが止まりません。
前作のバトルロイヤルネタやロキネタなど、ファンが喜ぶ仕掛けが満載でした。
しかしながら、あれ?なんだか既視感があるぞ?
と思って気づいたのは、ハリウッド作品で今まさに流行している「傷ついた親父が子どもに救われる物語」でした。
最近のハリウッドは大人が子どもに救いを求める作品が多く登場している様に思います。
昨年の外国映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」
「カモン・カモン」「トップガン・マーヴェリック」でも大人が新しい風、子どもとの関わりによって生きていく道を探していく、生きる意味を見つけていくストーリーでした。
今作でも辛い別れを経験している雷神ソーが敵に連れ去られた子ども達を助け出す、次世代を救うヒーローの姿が描かれました。
まるでヒーローショーの悪役かの如く、子ども達をビビらせるゴア。最初、痩せすぎていてクリスチャン・ベイルとは気づきませんでした。本当に努力の化身の様な俳優さんですね。大好きです。
子どもに恐怖を植え付ける、神など信仰しても救いは無いと教える姿もモノクロの世界の効果と相まってインパクトがありました。
絶望から復習を実行しても、残るのは虚無感のみ。本当に欲している物は愛なんだと、終盤に語りかけるソーの背中には最愛の弟ロキを偲ぶタトゥーが彫られていましたね。吹き出してしまいました。
愛と別れを経験し、いったいソーはどれだけの思いを背負って生きていかなければならないのかと泣けてしまいました。
最愛の人が病に侵されてなお、自分の死に様を自分で決めて生きる姿に震えました。
どれだけ見送れば、ソーもヴァルハラに行けますか?
そう、遠くない未来な気がするけど。
作中では大好きなムジョルニアも登場します。
元カノと元ハンマーがペアで登場するのも面白い。
ムジョルニアと話をしていると刃を静かに向けてくるストーム・ブレイカーの今カノっぷりが笑いを誘いました。
なんだかんだ言い訳しつつ、ムジョルニアに帰ってこーいとブツブツ言うソーも可愛かった。
一点だけ解せないのがジェンダーに配慮した?キャラクターの恋愛対象の同性愛化です。
同性愛に理解を示すのは良いのですが、極端すぎて嫌でした。別にヴァルキリーはレズビアンでは無かったと思います。家族の様な姉妹の様な戦友であり親友だったんだと思います。恋愛対象にしてしまうのやりすぎだと思います。
コーグも同性と火山の上で手を繋いで子孫を残すし、もう異性愛者が市民権を求めて抗議する日が来るんじゃないかってくらいゴリ押しの同性愛を押し付けられた気分です。
良いじゃない。わざわざ言わなくても。
同性だろうが異性だろうが、良いじゃない。
必要なのは許容であって、これ見よがしに理解をした風に擦り寄ることではないんだよなぁと思いました。
次世代の俳優を出して、MCU作品の延命措置を取らなければ!と言うことで、ヘイムダルの息子も出てきましたね!金色の目がお父さん譲りで嬉しくなりました。
エンドロール後にもサプライズ登場がありました。
出てくるかと期待していたロキは出てきていたのでしょうか?
映画しか観ていないので、ドラマ鑑賞をしていたら気付けた伏線もあったのかもしれませんね。
ともあれ、続編があるようなので楽しみにしています。
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グレシャム法則さん
コメントありがとうございます。
コロナもあって、世界中が孤独感を感じながら過ごしていますよね。
生きる力に触れて幸福感を感じられることは素晴らしいことですね。
そういった意味で今作は娯楽映画としての役割を見事に成し遂げた作品になったのではないかなと思います。
@花/王様のねこ 様のおっしゃることと少しズレてるかもしれませんが、オトナたちも疲れてるのかもしれませんね。
自分探しとか、認められたいという承認欲求にはゴールがないし、なんだかいつも誰かと比較して満たされない気分になってる人が割と広い世代にわたっているような気がします。
血の繋がりとは関係なく、こどもたちの未来のために何かできることがあれば、十分に満たされるし、幸せなのだと感じることができます。そういう意味で私もこどもたちに随分と救われています。