劇場公開日 2022年7月8日

「MCUにしては気楽に楽しめます」ソー ラブ&サンダー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0MCUにしては気楽に楽しめます

2022年7月11日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

シリーズ4作目、MCU第29弾ということで、あいかわらす過去作からのつながりが多いものの、メインストーリーは本作単体でも十分に理解できるので、未鑑賞過去作の多い自分にはありがたかったです。また、過去の背景について、ある程度はナレーション付きで振り返ってくれるのも親切でした。MCUにしては初心者に優しいサービスが好印象です。

ストーリーは、深い信仰心を持ちながらも、無慈悲に娘を失い、魔剣ネクロソードに魅入られ、神々の抹殺に取り憑かれた男ゴアの復讐劇を、ソーとかつての恋人ジェーンが、命をかけて食いとめるというもの。ゴアと娘、ソーとジェーンのそれぞれの愛を描きながら、ソーの魅力に新たな一面を加えるラストがグッジョブって感じでした。

冒頭こそ、重苦しい雰囲気で開幕したものの、以降は随所にユーモアを交えた展開で、最後まで楽しく鑑賞できます。ソーと周囲の人たちとのユーモラスな会話、言葉がなくてもわかるストームブレイカーとの関係、巨大なヤギ、ゼウスのサンダーボルトパフォーマンスなど、至るところに笑いのネタが仕込まれています。

映像的には、神々にふさわしい豪快なバトルシーンが見ものです。ややエフェクトが過剰な気もしましたが、マーベル作品らしい、スピードとスケール、派手な演出が楽しませてくれます。中でも、ソーならではの武器ムジョルニアの挙動がすばらしいです。スピードと重さを感じさせるのはもちろん、粉砕からの再生を利用したトリッキーな挙動もおもしろかったです。

主演はクリス・ヘムズワースで、文字通り体を張った熱演が感動と笑いを誘います。ジェーン役のナタリー・ポートマンは、美しさと強さが同居した女性版ソーがよく似合っていました。ぜひ次作以降も登場してほしいです。そして、なんといってもゴア役のクリスチャン・ベールが秀逸です。彼の存在と演技が作品全体を貫き、ぐっと引き締めている感じがしました。あと、脇を固めるラッセル・クロウもなかなかの存在感を発揮しており、次作での動向が気になるところです。

おじゃる