「作中世界最大のマッチポンプ開幕🤣」劇場版「オーバーロード」聖王国編 デブータさんの映画レビュー(感想・評価)
作中世界最大のマッチポンプ開幕🤣
絶対的強者にとっては権謀術数の茶番劇でも、ソレに巻き込まれる駒役の名も知らぬモブ達にとっては、想像を絶する恐怖と絶望…まさに地獄そのモノ。
【強ければ何をしたって構わない…】
コレがこの世の真理なのだ!と嘯くアインズ様…
この価値観は、モモンガ時代…ひいては、リアル世界の人間・スズキサトル時代に生きていたディストピアなニッポンで、血反吐を吐く思いで社畜しながら…支配階級たる富裕層を羨み妬む暇すら与えられず、人生の享楽の全てを、没入型ネットゲームに捧げざるをえなかった自身の体験から来るもんなんだろうな。
魔導国に傅(かしず)き、共に苦楽を過ごす覚悟の在る者には、とろけるほど甘い蜜🍯を…
対して、
魔導国に仇為し、其処に住まう民…即ち、«家族»を傷付けるモノ共には、一族郎党総て…その末代に到る迄、【死】が安らぎと芯から思える程の鞭を振るう。
世界のほぼ全てが敵になろうとも、それをものともせず、寧ろ蹂躙する。
何故ならば、、チート級に、伝説級に、神話級に、強いから。
然し、アインズ・ウール・ゴウン魔導国陛下の真に恐ろしいところは、
それほど強いにも関わらず、アタマや心の片隅には必ず…「自分達に匹敵、あるいはそれ以上の存在がいるかもしれない」と云う不安や恐怖が常に在ること、
それ故に過度な怠慢や過剰な慢心は絶対にしない。
だから、油断もしない。
あの弱者だらけのヌルゲーな世界で、油断大敵の精神をずっと続けていられるのが、そもそも異常だわな🤣
そこら辺が…本来チート祭りならつまらなくなる筈のなろう系で、他に一線を引く要因なのだろう。
つまり、オーバーロードの本質…面白さは、絶対的強者たるナザリック勢の物語ではなく、
彼らに翻弄され、てんやわんやする弱者達の、その生き様にこそ在るわけだ。
ものの見事に術中にハマり懐柔され心酔し彼らの手駒になる者、
たとえ滅びの道…瞬殺される道だと分かっていて尚、彼らに立ち向かい、弱者の意地を魅せる者、
彼らの実力すら窺えず、自らの弱さも直視出来ず、愚鈍で愚劣な弱者にも劣る死に様を晒す者、
人間色々、人生色々である。
原作小説も、あと少しで終わりと聞く。
アインズ一行の世界征服と云う覇道も、道半ばで«オレ達の冒険はココからだ!»エンドと云うことか?
叶う事なら、、くがね先生の人生を懸けた一大叙事詩として、これから先も20年…30年と書き続けてほしいと、つい思ってしまう。
勿体無いからと。
龍王国とビーストマン達の戦争に介入したり、アークランド評議国…ツァインドルクスと決着をつけたり…
はたまた、八欲王が遺した空中王城を攻めたり…
描けるネタ…拡がった世界観は、枚挙に暇が無いだろうから。
