「ホンモノの正義」劇場版「オーバーロード」聖王国編 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
ホンモノの正義
お、おもしろかった...。
原作もアニメも何にも見てない、完全初見状態の鑑賞だったけど、キャラクターや設定等で戸惑うところはあれど、思いの外楽しめてしまった。これはもっと早く、それもIMAXで見ておきたかった。何してるんだ全く。こんな面白いなら言ってよ!一見さんお断りな雰囲気出してるから見れないと思ったじゃないか!
予備知識ゼロで見たものだから、あまり踏み入ったことは言えないけど、ココ最近のアニメ映画の中ではトップクラスでよく出来た作品だと思う。2024年のアニメ映画、特に邦画は尽く上手いこといかず、「デッドデッドデーモンズ」「ルックバック」といった漫画▶︎映画化というスタイルでの傑作はあれど、完全オリジナル脚本の「きみの色」「ふれる。」やテレビアニメの劇場版にあたる「ハイキュー」「僕のヒーローアカデミア」「映画クレヨンしんちゃん」などの作品はどれもこれも失敗に終わっていた。
だけど本作は原作者のお墨付きというのもあって、驚くほど完成度が高い。お世辞にも面白いといえないアニメが続いていたから、これは嬉しい。アニメ少しずつ見ていこうかと思えるほどハマってしまったし、1本の映画としてもすごく満足度の高い映画だった。
ただやはり、完全初見というのは厳しい部分もあった。初見のおかげで常軌を逸した設定やストーリーにはビックリしたし、初見ならではのワクワクもあったのだけど、テレビアニメの続編であることを当たり前だが随所に感じるし、冒頭の説明だけじゃ事足りず、ストーリーを追いかけると同時並行でオーバーロードという作品の特性を理解するのは、なかなかに体力を使った。原作のライトノベルもテレビアニメも見てないけど、映画は見たいんだ!って人は作品の概要や主要キャラクターくらいは、事前情報として頭に入れた後、見に行った方がいいかも。
にしても、ストーリーがあまりに面白いもんだから2時間強全く飽きなかったし、アニメの劇場版を見てこんなにも興奮したのは久々だったもんだから、なんかいますっごい幸福度高い笑 劇中の用語や人物名を把握するのはかなり難しく、理解度60パーセントってところだろうけど、それでも初見をこんなにも楽しませてくれる劇場版ってマジで類を見ないと思う。抜け目のないキャラクターデザインや容赦しないアクションシーン、全編通して漂う緊張感に倫理観や価値観を問う壮大なメッセージ。いやぁ、面白かったなぁ。
物語はどのように始まったのか、この映画だけじゃ全く想像できないけど、アインズという主人公らしかぬ主人公がほんっと面白くて魅力的であっという間に好きになってしまった。聖王国の人々も皆個性的かつ人間的で、レメディオスなんか特に、ネット民みたいな腐った性格していてちょっと笑ってしまったし、差別主義なところとかむしろ現代を皮肉ってるなぁと感じた。
ほんとよくできた作品。完璧に楽しめたとはとても言えないからこの点数に留めておくけど、結構全力でオススメしたい。笑いとシリアスのバランスが見事なんですわ。マジでどハマり。今後とも劇場版作ってくださいお願いします🙇♀️テレビアニメ絶対みますんで🙇♂️