「(一作にまとめるの)頑張りました」劇場版「オーバーロード」聖王国編 まいたけさんの映画レビュー(感想・評価)
(一作にまとめるの)頑張りました
まず前提として当方は原作小説既読、アニメ視聴済、スピンオフ含めた漫画版やドラマCD、特典小説等も持っております。
オバロアニメは普段1クール3巻、1巻当たり4話前後で原作勢から尺が足りないと嘆かれ続けてるアニメなので約2時間15分は映画としては長くてもTVアニメで言えばざっくり6話分しかないのに2巻やるんだから見る前からカット祭りになるのはわかってました。
原作勢として見たかったアレもコレもソレもないし別の場面が合体してたりするけど、じゃあ現実的に前後編とかで制作できるかと言えばそんなことは無理なのもわかります。
諦観込みになってしまいますが制約のある中で視点を絞って1作にまとめてて十分楽しめる作品に仕上がっていたと思います。以下感じた点を列挙
・シズかわいい
・魔導国内のちょっとしたサービスシーンはニヤッとできた
・流石に昨今のアニメ映画と比べるとTVアニメから続く予算不足を随所で感じるものの
→城壁上でのネイアの戦闘やシズとネイアの共闘シーンはよくできてた
→亜人のデザインや3Dモデルなどはかなり頑張っていて満足
→城門突破のための聖騎士たちの洗練された動きや亜人の大軍勢の突撃など集団の描写をごまかさずにやっていたのは好感
・声優さんの演技が素晴らしくレメディオスが壊れていく様とネイアが救われていく(?)様の対比が秀逸
・NPCたちを出すために下手にオリジナルシーンを差し込まなかった判断はナイス
・原作と比べねちっこい表現が尺の都合か省略されレメディオスへの嫌悪感は薄れてむしろ可哀そうさが増していた
・どうせ客層の中心はおっさんなのだからR15指定とかにしてもう少し原作通りのグロ表現や聖王国民の悲惨な描写を頑張ってほしかった
・ネイア視点に絞るならアインズ行方不明時のネイアが仲間(信者)を集めつつ成長していく様をもう少し描いてほしかった
→ネイアの心酔していく様はよく描かれていたが成長描写が弱くアインズとの再会シーンで言葉をかけられた際のネイアの感動の説得力が欠けていた
・原作では別場面のゼルン王子奪還作戦とアインズ帰還シーンが合体していたのはさすがに駆け足過ぎてネイアの焦燥感や喪失感が伝わりにくかった
・アインズの戦闘シーンがことごとく省略もしくは派手なエフェクトを見せるだけになっていたのは残念
・わりぃやっぱ尺足りねぇわ
なんだか愚痴が多くなってしまいましたが基本的には満足しています。原作の続刊とアニメ5期も首を長ーくして待ってます。