「ジェイソン・ステイサムというジャンルの映画w」キャッシュトラック 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
ジェイソン・ステイサムというジャンルの映画w
スティーブン・セガールとジェイソン・ステイサムは、一人の男優だけで一つの映画ジャンルを形成している点で共通する。強烈な存在感を生かした作品が多く、それにハマる人が多いからシリーズ化される。シリーズ化されなくても、実はどれを見ても大差ないような気もするw 一つのジャンルという所以である。
とにかくトラブルに巻き込まれ、それを超人的な体力で切り抜け、最後は敵を壊滅させるだけというワンパターンだし、小道具、大道具はいろいろ変わるもののアクションは同じだし…ま、それでもファンにとっては快感なんですな。小生もステイサム作品は知らないうちに「トランスポーター」とか「アドレナリン」とか、何作も見せられてしまった。
さて、今回は設定がちょっと凝っている。強盗団の大ボスが現金輸送会社の新入社員になって、自分の息子を殺した別の強盗団を探索するというバカげたお話w
周囲からあれこれ揶揄われる新人が、いざ強盗に襲われると鬼のような強さに変身し、ベテラン社員たちも掌を返して彼をヒーローと讃えるシーンはとても面白かった。
ただ、凝った割にそれをさほど生かすわけでもなく、あっという間にいつものステイサム映画になってしまうのは、やむを得ないというかお約束と言うべきか。
ライバルとなる強盗グループの計画もなかなか面白いのだが、それぞれの人間関係が単純すぎる――などとは言うまい。輸送会社の女性との関係が尻切れトンボだ――とも言うまい。これはステイサム映画なのだからw
ラストはやはりライバルが勝利の祝杯を挙げた瞬間に、ステイサムがそれを全部ひっくり返して鬱憤晴らししてくれる快感に、このジャンルのすべてが入っているのだったw