「ボクシングとインド人はまだしも…」こちらあみ子 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ボクシングとインド人はまだしも…
「はだしのゲンをする」って何?
発達障害か何かなのかもしれないが、直接の言及はないし、とにかくあみ子にストレスが溜まる。
映画としてずっと見せられるのは、身近にいるのとも違う。
しかも、食べ物を粗末にしたり無神経な言動•行動に対して周りがまったく注意をしない。
散々繰り返した末の諦めなのかもしれないが、一度も描かれてないのではネグレクトにすら見えてしまう。
粗筋には「純粋で素直な行動」とあるが、結果としていい方向に作用することはない。
唯一クスッと出来たのは写真を撮るくだりだけ。
結果としてあみ子は祖母の家に預けられることになるが、母親の精神を守るためだったのかな?
兄の珍走団入りは親のストレスとして描かれていたワケでもないし、よく分からない。
片方を失くしたトランシーバーや1枚しか撮らなかった使い捨てカメラも、意味深なだけで活かされず。
鳥の卵が出てきた時は「おっ」と思ったが、ぶん投げた上に木に引っかかって無事って…
あみ子の世界を表したにしても、バッハや歴代校長、トイレの花子さんらの行進は浮いていた。
彼らが再登場するラストシーンは、先日観た『ルート29』に被りすぎ。
こちらを先に観ていたら、安西先生ばりに「まるで成長していない……」と思ったことだろう。
あの作品のように全員なら意図的と解釈するが、本作は1割まともなので棒演技も悪目立ちしてた。
何も好転しないし、あみ子自身は「気持ち悪いとこ教えて」という自覚がやっと芽生えた程度。
穏やかな雰囲気とは裏腹に、後味は良くない。
クッキーの件は気付かないよう願っていたが、のり君にはトラウマ級であろう。
男女を囃し立てる同級生は、何故いつもイガグリ坊主なのか。