「フランケンシュタインファンタジー」こちらあみ子 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
フランケンシュタインファンタジー
とても丹精に作られてた。原作未読。冒頭とその後に出てくる子どもたちの下校時間のいくつかのカットがロケーションとあわせてとてもよく、また主人公が不敵な面構えで期待は高まる。でも進めていくとこの子が純粋とか無邪気とかでなく、ちょっと病気を抱えてることがわかる。とても危なっかしい。それがわかる頃から先行きに黒雲が見え始め、母親の流産の後、決定的にやらかしてしまい、時間の進み具合の中で、兄はどこかに飛んでしまい、母はおかしくなり、父はひたすら耐えており、あみ子だけが変わらぬままで、変わること(=成長)のできないあみ子はやがてそこから連れ去られる。
この辺りから「大人はわかってくれない」「お引越し」的なイメージになるのだけど、その2作に比べてあみ子がそれほど感情移入できるようなキャラクターではない。ある意味、劇中あみ子が見ていたフランケンシュタインのモンスターみたいなものだ。まともな子供ではなくどう反応するかわからないのでそれをずっと追っていくが見ているこちらが不安・不穏になる。野生の昆虫や爬虫類が出てくるのも象徴的だ。
そんなこんなでいくつもの映画的なチャレンジもやっていたが、ラストはなんとなく「バーディ」を思い出したな。
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