明日に向かって笑え!のレビュー・感想・評価
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情熱的で行動派・・だけどユルい、それがラテン?
アルゼンチンの映画(スペインも入ってますが)って初めてかなー?面白そうなので鑑賞です。
非常に気楽に観られる作品です。金融危機なんてさらっと出てくるあたりはお国柄なのかなぁ?あまりお目にかからないイベントが立て続けです。結構新鮮です。
鬱屈の日々が続くとか、嘘つきの権力者に辟易とか、真面目に頑張っても報われないなーって思っている方は、スカっとできるかなー?って作品です。
田舎町の真面目な住民達の手弁当の作戦がクスクスポイントです。なんとも牧歌的に、先進的なものも使わずに、畑でも耕すような感覚で進めていく感じが面白いです。ですから、この手の作品にある緊迫感・緊張感が遥か彼方なんですよね(笑)そこが良いのですが。
最初から最後まで、結構ハードな部分もあるのですが、なんか飄々と乗り切っていく感じ、あーだこーだと言いながら、個人プレーのようでチームプレーになっていく感じが南米サッカーを見ているようです。みんなエゴ強い!そこがまた面白いのですが。
細かいこと言えば、こんなことできる?あれ?警察は?とか、いろいろありますが、それはそれ。おおらかにおおらかに。結末もこれまたお国柄なんですかねぇ〜。女社長の息子の行動があまりに面白すぎます。これまたラテン系あるあるなんでしょうかね?
ランチを済ませてシエスタ気分で鑑賞するのにちょうど良いですよ。
良作です。
原題がネタバレ
ぶっちぎりキャッシュ奪取と三段落ち
アルゼンチンの映画事情に詳しくないが、私の見た映画にどれもリカルド・ダリンが出演していたので、たぶん斯界の重鎮なんでしょう。
ドートマンダーシリーズやオーシャンズを思わせる集団犯罪ものの体裁だが、動機が一攫千金でなく農協設立というのが何ともほほえましい限り。有能集団でなく、はぐれものの寄せ集めなので、やたらもたくさしているのも味と言えば言える。ただ、ターゲットが小悪党の弁護士に集約され、政府の金融破綻という巨悪が看過されてしまったのがいささか物足りない。
それにしても、配給会社の最近の邦題は迷走していると言わざるを得ない。ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッドとは何の関係もないし、原題とも英題ともまるで異なる。
主人公が水辺で孫を抱いているラストシーンは良い(ああ、そういうことになったのね)。その後のタイヤ修理工場のシーンもまあ…。
勇敢なおバカさん達
農業施設を設立しようと皆から集めた資金を騙し取られた主人公達が、悪人から逆にお金を奪い返そうと作戦を立て実行する物語。
コメディということだが、笑いより寧ろ、金を奪い返すべく無力でも団結し闘う片田舎の皆のドラマといった感じだった。
金融危機…自分の口座から金がおろせないとか恐ろしすぎますね。。それを知って客の金を騙し取るという悪事をはたらく銀行員とその仲間(⁉)から、少々抜けている所がありつつ、それぞれの知恵を出し合い作戦を練るキャラクター達が微笑ましい。
とは言え、そのやり方って寧ろ奴ら以上に犯罪では(笑)?
…なんて思ったりしましたが、確かに警察に頼んだ所で、相手はいくらでも言い逃れはできちゃう状況でもあるのかな。。
防犯システムで守られた金庫に対する作戦はなかなか。確かに、アレならばそう思わせるのは良いやり方かも。
全体を通して、テンポが良い感じでもないし、慈善団体…って言っても結局手元に戻らない人がいるんじゃあなぁ~と思ったり、母さんの件は直接奴らの所為じゃないだろと思ったり、補助金でおもちゃ買うとか監査仕事しろよとか…色々とツッコミ所はあったし、特にこれといった見せ場といったものはあまり感じなかったが、、、
逆に退屈するような場面も特にないし、日本では恐らく起こらない(そう願いたい)危機時の恐ろしさ、隣人の暖かさも感じれる、普通に楽しめる作品といった感じだった。
それと、秘書さん、とっても美人‼
【サッカーとタンゴの国、チェ・ゲバラを生んだ国】
タイ発のアジア通貨危機が、韓国に飛び火し、韓国がIMFの管理下に入ったさまは映画「国家が破産する日」に描かれたが、これは、ロシア通貨危機、当時の世界最大のヘッジファンドLTCMの破綻も誘発、ブラジル通貨機に繋がっていく。
そして、アルゼンチンの金融危機。
1990年代の終盤から、2000年代の初めにかけて発生した金融危機だ。
日本では、バブルが弾けた後遺症で、山一証券や、長銀、拓銀なんかが破綻した時期と重なる。
もともと、アルゼンチンは80年代、他のラテンアメリカ諸国同様、放漫財政からハイパー・インフレを経験し、90年代になって、緩やかなドル・ペッグ制に移行し、為替やインフレを一定程度抑えることに成功していたことから、この作品に描かれたような事態は非常に衝撃で、債務不履行にも陥ってアルゼンチン債が紙くずみたいになり、最近でも、僕の仕事で当時のことが話題になるほど、対外的なアルゼンチンの評価を下げる大事件だった。
だから、今でも、アルゼンチンの財政政策を信用している人は多くはないし、実は、昨年(2020年)5月にも国債の利払いが実施されず、9回の債務不履行に陥った。
当時の、こんな状況で、米ドルのキャッシュをひとりで抱え込み、甘い汁を吸おうとする弁護士がいたら、それは、やっつけるべきなのだ!
それこそ、勧善懲悪!
アルゼンチン国民の大半の生活は困難を強いられていたのだから、許す!。
そんな気分で、とろ臭いおっさん連中を中心に、憂さ晴らしをして、ハッピーエンドなのだが...、約1名、裏切るやつが...いた!
まあ、これもアルゼンチンというお国柄なのだ。
この国は決して、完全に団結することはないのだ。
僕は強くそう思う。
ああ、サッカーとタンゴの国アルゼンチン。
チェ・ゲバラを生んだ国アルゼンチン。
この国は、一体どこに向かっていくのだろうか。
変電所爆破!
さすがに、アルゼンチンだからといって、変電所を爆破したら、ハッピーエンドでは終わらないだろう。
しかし、そんなことは、どうでもいい。銀行と悪徳弁護士にお金を騙し取られた人達が、悪徳弁護士のつくった牧場の中の地下金庫から現金を奪還するため、様々な策を施し、嵐の日に、その計画を実行に移そうとする。
フェルミンは妻とともに、放置されていた農業用倉庫を活用し、農協を設立しようと、町の住人達から出資を募る。
資金は何とか集まるが、農協設立に必要な額には達せず、お金を一旦、銀行の貸金庫に預け、銀行に融資を依頼する。
後日、銀行から連絡があり、フェルミンは融資担当者と向き合うが、預金の残高が足りないとことを理由に融資を断られる。
しかし、その時、融資担当者から、貸金庫にある現金を、預金にすれば、すぐに融資は受けられるが、銀行の営業時間である今日の17時までに口座に入れないと、融資は数カ月後、いや、いつになるかわからないと告げられる。
フェルミンは迷いながらも、その現金を預金するのだが…。
勧善懲悪!痛快アルゼンチン通貨危機物語!
これは、素直に楽しみましょう!
ぜひ、劇場でご覧ください!
【"貧しき庶民の夢と財産を取り戻せ!"不正をする者には、正義の裁きが下されるのである。愉快で、痛快で、爽快な物語。】
- 2001年にアルゼンチンで起きた金融危機を背景に、夢と財産を騙し取られた少しおバカだが、善良な市民達が悪徳弁護士マンシーの鼻を明し、財産を取り戻す物語。-
◆感想
・ブエノスアイレス近郊で、ガソリンスタンドを営むフェルミン(リカルド・ダリン:アルゼンチンと言えば、この人!)は寂れた町を再興するために、農協再建を思い付く。
- 町の住民から、少しずつ金を借りる過程でユニークな町の人々の姿が、描かれる。-
・必要な30万ドルにはアト20万ドル・・という所まで金を集め、銀行支店長の勧めで全額預金するフェルミン。だが、翌日の緊急封鎖で預金は凍結。失意の中、フェルミンは事故を起こして、最愛の妻を亡くしてしまう。だが、彼の元に驚くべき不正の情報が・・。
- ここからの、フェルミン達が悪徳弁護士マンシーが、彼らから巻き上げた金の奪回方法が実に面白い。
「おしゃれ泥棒」で、ピーター・オトゥールが考えた厳重な警報システムを解除させる方法(分かりますよね!)をヒントに、彼らが考え付いた奪われた金を奪回する姿が、愉快、爽快、痛快である。マンシーが、センサー異常アラート通知が来る度に、必死の形相で隠し金庫に車で何度も駆けつける姿。可笑しいなあ。-
<不正をして、利益を得る輩には必ず正義の鉄槌が下されるのである。おバカだが、真面目に生きる町の住民達が自分たちのお金を奪還するために、絞った知恵の数々(嵐の度に停電する地域の悩みを逆手に取ったりね・・。)が面白いのである。
愉快、痛快、爽快な物語である。>
自分で駆けつけるシステム
#66 犯罪かどうかは見る人次第
南米の人ってもっとお金にルーズで計画的なことが出来ない人達が多いのかと思いきや、非常に忍耐強く自分達のお金を取り戻すのに団結する人たちの物語。
国や政府を信じられないから、真面目に生きていく人達はこうゆう手段に出るしかないと知らされる映画。
ラスト近くで「永遠に(para siempre)」って言葉が何度か出てきて、このセリフ最近観た映画でも言ってたよな〜、でも最近スペイン語映画観てないし〜と疑問に思ってたら「イン・ザ・ハイツ」の歌の歌詞に出てきた言葉だったんだ。やっぱあの映画、英語映画じゃないよね。
悲惨な過去を笑い飛ばす
無計画なお爺ちゃんたちのザルな泥棒作戦で、基本はコメディ。
証拠を残しまくって、バレずに上手くいくのがおかしい展開なのも、そういうリアリティライン。
クレイジーキャッツやドリフの映画を思い出したりして。
2001年の金融危機で悲惨な目にあったアルゼンチン国民が、これを観てスカッとするだろうなぁ、と。
ある意味、悲惨な過去を笑い飛ばすところまで時間が経過したということか。
前半は老人たちののんびりした会話劇で眠たく。
中盤は金融危機によるパニックと、悲惨な事故で、どんよりでしたが、後半からはよく笑わせてくれました。
邦題が『明日に向かって撃て』のパロなのは、中身がいろんな映画のパロ的なオマージュが満載だからか?
『明日に向かって撃て』はもちろん、『オーシャンズシリーズ』『おしゃれ泥棒』などが見て取れました。
人生は苦くてほろ苦、時々あたたか
上映している映画館は少なめですが、良い映画。
今年89本目(合計153本目)。
この映画のストーリー「自体」は史実に基づいたり史実に着想を得たりしたものではないようですが、アルゼンチンの経済混乱状況が背景にあります。そのため、その知識があると有利かな…と思います(字幕の中でも何の説明もなく出てくるので、やや説明不足かな…とは思える)。
また久しぶりのスペイン映画です。「プラットフォーム」も含めて今年(2021年)では2~3本目かな?
タイトル通り、有名映画のタイトルと似ているのは、色々な過去の名作を参考にしたリスペクト作品なのだろうと思います(この程度だと元著作者からも文句は言われないかと…)。そのため、ストーリーも奇想天外で(ある意味「変な人」たちしか出ない等)、さらに過去の名作と呼ばれる部分に着眼点を得てネタにしているなど、色々な意味で笑いのツボという点は結構多いです。
確かに「コメディ・お笑いもの映画」という側面が強いので、うまくいきすぎとかややご都合主義が過ぎるかなと思える点(悪役になる弁護士も、弁護士の資格を持っているのかどうか怪しいくらい何もせず、(アルゼンチン民法などに基づいて)合法的に止める手段はいくつも考えられるが、何もやってない)はあるものの、そこに突っ込みを入れる映画ではないかな…と思います(まぁ、やりすぎると法律系科目・資格を持ってないと意味不明になる)。
ストーリーとしてはあまり「ひねりがない」ということも、スペイン(アルゼンチン)映画ということも考慮すれば、あれもこれもひねりまくると、日本では余り見ることがない映画なのでストーリーが理解不能ということになりかねず、まぁ多少ご都合主義が過ぎるかなという点はあるとしても、2時間(120分)で見るには「理解のしやすさ」という点では何ら劣るところではないと思います。
採点に際しては下記が気になりましたが、大きな傷ではないので5.0まで切り上げています。
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(減点0.1) 上述通り、作品自体は架空のお話のようですが、アルゼンチンの経済混乱状況が背景にあることは事実(このことは映画内でも明示される)な一方、そのことも日本では高校世界史でも扱いませんし、日本の政治経済(特に「経済」の部分)で類推するには難しい点もあり、少し字幕が不親切かな…と思いました。
(減点0.1) この映画、スペイン映画なのですが、エンディングロールではBGMにのって歌を歌っている部分の歌詞の字幕はあっても、肝心のエンディングロールの字幕の翻訳はないので(よくある、「本映画を無断盗撮すると民事・刑事の責任を問われます」みたいな内容は一切出てこないし、アメリカ映画なら必ず出る「動物は傷つけていません」も出ない一方、何か長文らしきものは出るが翻訳されていない)、エンディングロールで「そしてアルゼンチン経済は混乱の一途をたどり…」といった部分があるとしてもわかりようがなく(誰もがスペイン語検定とか持っているわけではない)、ちょっと翻訳不足に感じました(英語映画なら、まだ個人で補って視聴しろともいえるが、日本で誰でもスペイン語検定1級とか持っているわけでもない)。
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バタ臭いオーシャンズ11
2001年、アルゼンチンの寂れた田舎町が舞台。題名やポスターから笑える喜劇を想像してましたが、悲壮感漂うバタ臭いオーシャンズ11という感じです。
スマートな風貌は全くなく仲間のほとんどがお金がなくただ善人というのが変わってます。携帯電話が普及し始めた頃農業施設を経営するために仲間たちから善意の出資者を募り銀行に入金する。その翌日金融危機で預金が凍結。事前に情報を知っていた銀行支店長と弁護士に預金を騙し取られ住民たちは一文無しに。
その後仕返しの為に緻密な強奪計画を立て実行する。途中でダラダラするシーンがあって緩く感じましたが後半になって徐々にスリルが味わえます。
緻密な計画の割りに電力施設を全て爆破したりするのは被害がデカく微妙な気もしますが強奪計画は予定通りに進みます。さてラストは・・・。
バタ臭い庶民の悪党への復讐劇を楽しみたい人はご覧ください。
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