劇場公開日 2021年8月6日

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「エルガーの“愛の挨拶”をバックに小さな村の住人達が繰り出す痛快な資金奪還作戦」明日に向かって笑え! よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エルガーの“愛の挨拶”をバックに小さな村の住人達が繰り出す痛快な資金奪還作戦

2021年10月11日
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鑑賞方法:映画館

舞台は2001年のアルゼンチンの小さな町。地元の英雄だった元サッカー選手のフェルミンは町外れにある廃サイロを復活させて農協を設立しようと奔走。有志からかき集めたなけなしの米ドル資金を銀行の貸金庫に預けようとするが支店長に請われて預金口座に預けたところ、翌日に発生した金融危機で預金が凍結されてしまう。金融危機が発生することを予見していた支店長が弁護士と結託して顧客の預金を騙し取っていたことを知ったフェルミン達は絶望の淵に叩き落とされるが、夢を捨てきれない彼らは自分達の資金を奪還するため奇想天外な作戦に打って出る。

資金が凍結されたことで人間関係がボロボロになり精神的にも打ちひしがれた人達が立ち上がる姿を痛快に描いた作品ですが、舞台がのどかな田舎なので資金奪還作戦は実にほのぼのとしたもの。特に酷い精神状態に陥ったフェルミンが帰郷した息子とともに自分を取り戻していく姿に寄り添うように奏でられるエルガーの“愛の挨拶”が印象的でした。

よね