「燦然と瞳輝く“中井友望”という逸材を見逃すな!」かそけきサンカヨウ わたろーさんの映画レビュー(感想・評価)
燦然と瞳輝く“中井友望”という逸材を見逃すな!
とにもかくにもかわいい映画。愛でる映画。
今泉監督の過去作でいうと、「mellow」がタッチとしては一番近いかもしれない。当事者にとっては大きな恋愛、家族愛、生活の激変のように見えて、鑑賞者にとってはすごくミニマムな問題で、それだからこそ共感したり、応援したりできるタイプの映画。
それでいて今泉組3本目にして初主演の志田彩良さんの透明度がこの作品の魅力を増している。ドラゴン桜の共演前だったという鈴鹿央士さんとのピュアピュアなやり取りにおじさんほっこり。
とはいえ、一番語るべきは贔屓目たっぷりですが中井友望ちゃんの魅力でしょう。なんですかあの水晶体の吸引力は。感情がのってないように見えて、語尾の上げ下げで余韻を残す声の演技もグッド。テンカラット○周年(忘れました)記念作品だから抜擢されたのかな?また今泉監督の作品で見たいです。稀有な逸材ですよ。
今泉監督が家族愛を描くとこうなるのか。根底にある「好きってなんだろう」は変わらず。好きの種類に悩む2人を魅せるシーンはかなり酷で粋な配置だった。
予告編でも印象的なセリフを中井友望さんが言うシーン、鈴鹿央士さんは雨の中座って自分には何もないと語る、中井友望さんは立ってどことなく上から目線で語るという構図の作り方も好きでした。大切だから言えない。あの後のバスケットゴールに向かってのシュートでも確実に映像としては語れている。
自分にとっては完全に異種な子どもと急な共同生活が始まったところでの感情の揺れ動き、「ただいま」という前の扉の前での決心のシーンなど、さらっとやってるけど重かった。「またっていつ?」っていうセリフもさらっと核心を。
ファーストカットがここに繋がるんだという驚き。「街の上で」でもやってたようなタイプのスマートさ。
芹澤さんは今後今泉組のいくつの店舗のカフェの店員をやるんだろう(笑)
エンドカット、ちょっと蛇足だったような気もするけど、二人の関係を言葉で説明しなかったことは○
シアタス心斎橋の初日レイトショーが貸し切りとは何事だ!観に行ってください!!