「むしろ今、ハーレムでこんなフェスティバルが開けるのだろうか?」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
むしろ今、ハーレムでこんなフェスティバルが開けるのだろうか?
闘いを始めた頃の記録、としての価値。
これは強く感じた。
かなり政治色が強いであろう事は、ある程度予測してたものの。ニーナ・シモンが完全に活動家してたのには驚きでした。単なる音楽映画だなんて、とんでもない。アメリカの激動の時代を写す鏡の様なドキュメンタリーでした。
50年間、フィルムが地下に眠った理由は「誰も見たいとは思わないから」だと言うけれど。「誰も、その値段では買おうとしなかったから」ってのが正しいと思うんですよね。
半世紀を経て。
声を上げた弱者を取り巻く環境の激変はあったものの。過度に精鋭化した集団の登場、ビジネスと選挙に結びつける潮流、などなどもあり。差別は悪との認識は一般化したものの、被差別の悪用と偽装弱者の蔓延は、問題の根本的な解決を更に困難なものにしている、ってのは最近強く感じます。
メディアを通じて目に映る対立と分断の激化は、社会の実態と乖離してる事ないですか?
にしても。B.Bキングもニーナ・シモンも、すごい歌詞の歌を歌ってたんだな。ってのが衝撃的だった。
良かった。
音楽も。ドキュメンタリーとしても。
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