「アーティストは時代の代弁者であれ。サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アーティストは時代の代弁者であれ。サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

2021年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1969年、とても気にするべき年である。気になる年である。
そんな政治の時代、冷戦の時代、黒人差別消えやらぬ時代に開かれた、ブラックピープルによるブラックピープルのためのフェス。ガス抜きだったのだろう。とても人当たりの良さそうな共和党のニューヨーク市長にとって。
アーティストたちの圧倒的な歌唱力、リズム感、グルーヴ、観衆の熱量は言うまでもない。
そんな中、面白かったのがその最中に飛び込んできた「アポロ飛行士の月面着陸」というビッグニュースとそれに対する一般観衆の彼らのとても冷めた反応。
それがどうした。無駄遣いだ。そんなことより、自分の周りには食うに困る貧困層がいくらでもいるのだから、と。
翻って現在も、宇宙旅行にご執心のジェフ・ベソス、イーロン・マスク然り、同じような目で見られているであろうことは想像に難くない。

Kumiko21