「台湾でも「花束みたいな恋を」していた、ラストは怖い…」恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
台湾でも「花束みたいな恋を」していた、ラストは怖い…
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ネタバレレビューは描きたくない主義なので、ざっくりではあるが、ラストはちょっと怖すぎる…。アプローチもギミックも意欲的で観ていて楽しかったはずだったのに…と感じた作品。
前半はiPhoneで撮ったらしい縦型の画角で始まる。用心深くレインコートを羽織り、外出の為なら武装も怠らない。そんな彼が出会ったのは、おなじ強迫性障害の女性。レインコートを羽織り、万引きしないと気がすまない。分かり合えるのはあなたしかいない!と始まった二人の恋。実は『はな恋』と言っても過言ではないほど「共感的」なラブストーリー。微笑ましくて楽しい。
画角が変われば転調の合図。ボーちんかボーチンから症状が消えてしまった。そこらへんまでのギミックは噛み合っていて面白いのだが、急にシリアスになっていくのでかなり大変。こちらまで否定されたような息苦しさを感じる。ジェットコースターのような二人の恋の行方は…。仕事から来るズレも『はな恋』っぽいのだが、二人の歪さを引き出すために打たれていたテンポが形となって狂ってくるのもまた胸が痛い。そんな中で迎えるラスト…。それがかなり脆くてきつい。映画的だが、返って消化不良を起こす感じ。
互いの良さも悪さも認め会える、そんな関係なんて疲れそうな気もする。恋愛をこじらせている自分にとってはかなり重症な重めの作品だった。
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