「死を恐れる者たちへの最終兵器。」SEOBOK ソボク レントさんの映画レビュー(感想・評価)
死を恐れる者たちへの最終兵器。
クローン技術によって生まれた実験体ソボクをめぐる米韓とバイオ企業との攻防を描く。
テロにより研究所所長が暗殺され、国家ぐるみでのクローン研究が明るみになるのを恐れた韓国諜報機関は安全のため実験体の移送を行う。
その護衛としてすでに退職した脳腫瘍末期のギホンが選ばれる。ソボクはその骨髄から抽出したips細胞により人の病を治すどころか不老不死までをも与える力を持っていた。
ソボクを護衛すれば、その臨床試験を受けられ腫瘍を治せると聞いたギホンは依頼を引き受けるのだが、そこには罠が潜んでいた。
米韓の密約により秘密裏にソボクをアメリカ側に引き渡すための捨石としてギホンは利用されたのだ。しかし、それに気づいたバイオ企業は傭兵を使って彼らを拉致する。
からくも脱出したギホン達であったが、味方にも傭兵部隊にも追われる身となり、二人の逃避行が始まる。
追手からの攻撃に身を挺して自分を守ろうとするギホンにソボクは何故かと尋ねる。ソボクの存在が自分の命を握っているからだと言うギホンにさらに尋ねる。
何故そうまでして生きたいのか、人間はいずれは死ぬ存在なのに。そうまでして生きるに値する人間なのかと。
かつて、自分の命欲しさに親しい同僚を見殺しにしたギホン。そうまでして生に執着したにもかかわらず皮肉にも末期の腫瘍で死期が迫る。
それでも生きたい、死は恐ろしい。みっともないまでに生にしがみつくギホンを、死を知らないソボクは冷徹なまなざしで見つめる。
人とは異なる遺伝子を持って生まれたソボクを研究員は人ではないただの実験動物だと言う。しかし、ソボクには心があった。
自分を産んだ母への思い、母の息子にはなれない自らの運命を悲しむ心が。
逃避行を続ける中でかたや生に執着するギホンを、かたや人間と同じ心を持つソボクを互いに理解しあうようになる二人。
研究所に戻った彼らを自らの私利私欲のために利用しようとする人間たちが待ち受ける。お前たちのような人間が不老不死になればこの世は地獄だと吐き捨てるギホン。ソボクを守ろうとするギホンだったが、母を殺されたソボクの怒りが爆発する。
すでに戦闘不能となった敵に対して容赦しないソボクだったが、彼は言う。自分が生きている限りこんなことはなくならない。終わりにしたいと。
生に対して冷徹だったソボクは生にしがみつくギホンと出会い、生命の尊さを知ったのかもしれない。
自分のせいでこれ以上の悲劇が繰り返されないためにもソボクは自らの命を絶つのだった。そしてギホンもまた生への執着を捨てて自分の命の終わりを受け入れるのだった。
死が間近に迫る男と永遠の命を持つ少年との出会いを通して命の尊さを訴える作品。
再投稿。
レントさん
そうなんですね。対象となるかならないかの線引きが難しそうですね 🤔
全削除、それは悲し過ぎますね。。
当サイトでも引き続き宜しくお願いします (^^)
レントさん
「 福田村事件 」へのコメントを頂き有難うございます。
投稿されたレビューが削除!それは、驚きますし、悲しいですよね。
再度投稿されても削除されるのでしょうかね ? どうなのでしょう。
間違った考え方にNOと言える、そんな社会であって欲しいし、人でありたいと改めて感じました。