劇場公開日 2021年7月16日

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「いろいろな問題提起を含んだ映画。今週お勧め。」SEOBOK ソボク yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いろいろな問題提起を含んだ映画。今週お勧め。

2021年7月18日
PCから投稿

今年83本目(合計147本目)。

韓国映画といえば、放映される映画館がかぎられる印象がありますが(大阪市だと、シネマート心斎橋さん等)、結構な話題作だったようで、「普通の」映画館でも普通にやっていました。

いろいろな問題提起を含む映画で、考えさせられることはあるな…と思います。
勝手に人を人体実験にしてよいのかという倫理的な問題、また、「不死身で死ぬことを知らない人生は果たして幸せなのか」、さらに、そもそものiPS細胞(など)に関する人体実験の倫理の問題など、色々な問題提起が詰まった映画です。

この意味では、理系のなかでも生物学にまつわる内容だけでなく、哲学(文系?)的な内容もミックスされていて、史実に基づく映画ではないようですが(当たり前…)、その問題提起を否が応でも考えないといけないという点で「学術的な内容に準じる」かと思います。

…と書いても、「アジアの天使」のように深く日韓関係を扱う「重い」内容ではなく、2人の移動を通じて困難を乗り越えていくことで、そうした面を映し出す映画で、若干ですがアクションシーンは出ます(ラストのほう)。
iPS細胞や手術などを扱うので、若干残酷なシーンもありますが、最低限に抑えられていますし、「本当の幸せって何?」「不死身な人間(現実世界でも、遠くない未来にできるのでしょう)は幸せなのか」等、色々考えさせることがあり、今週迷ったら間違いなくお勧めな一本です。

なお、「ソボク」というのは、作内でも触れられるように、不老不死を象徴する古代中国の人物からきた名前です。(韓国でも、漢字教育や漢字の使用は全くないわけではない。中国語の表記を韓国語読みした場合の表記が「ソボク」)、この説明は序盤に1回しかないものの、本質論ではないと思います(最初にこの説明がもう少しあればよかったかも…。高校世界史でも一切出てこない人物ですし)。

採点にあたっては、5.0から引く要素は特にないので、満点採点としました(減点対象なし)。

yukispica