劇場公開日 2021年8月27日

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「アナログシンセの魅力が分かるなら」ショック・ドゥ・フューチャー CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アナログシンセの魅力が分かるなら

2021年11月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

萌える

大前提として、電子音楽に興味がある人ための映画。音楽はやっぱり生音じゃないと!とか、ロックンロールが鳴り止まない人にとっては観る必要はないかなと。

でも、そもそも映画ってそういうものじゃないですか。
個人的にハリウッドチューンな映画は得意じゃないので、タイタニックやアルマゲドンを未だに観ていなくても、誰に何も言われたくない。個人の自由な訳です。

YMOや電気グルーヴをルーツにダンスミュージックに30年弱触れてきた身からすると、古い(時代背景的には最新の)モジュラーシンセに囲まれた空間だけで目がハート。主人公のアナがツマミを弄り、ジャックを挿すシーンがもう格好いい。Supernatureをバックに朝から踊る姿なんてもう最高。個人的には、映画史上5本の指に入るタイトルバックです。

パンフで石野卓球氏も言っているように、良質なエレクトロミュージックは歳を取らない。もし知らない曲ならば、今聴いたその時がまるで新作。そんな素晴らしい音楽が鳴り続ける本作。早すぎるエンドロールを目に「もっと観ていたい!」と思えたのは、音楽の良さ(と言うより嗜好の一致)と映像の美しさ、そしてフランス人の内なるエロスが原因なのでしょう。老若男女すべての演者が格好いい。ああ、見た目だけフランス人に生まれ変わりたい。

と、星の数に比例しない感想なのですが、その理由は客観視した時のストーリー。英語を小バカにし、ニュートラルに女性を下に見る1978年のフランス気質を挟みながら、新しい音楽での成功を目指して頑張る女性を描く。それ以上でもそれ以下でもないので仕方がない。

TR-808以前のリズムマシン「CR-78」を体感してはしゃぐアナに価値を感じるなら必見です。

LADA