「ヒキコさん、ご懐妊です」ヴォイジャー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒキコさん、ご懐妊です
居住可能な惑星というのは現在では数多く発見されているらしいけど、そこまで到達するのが大変。2063年には遥か何光年か先の惑星まで航行できる技術が進んでいるかもしれません。そして、最近のSF作品にしては珍しく、ワープ航行やコールドスリープを使わず、NASAのヴォイジャー宇宙探査機のようにゆっくりと進んでいるようだ。ゆっくりといっても多分光速に近い速度で・・・
性欲抑制剤みたいなブルーという飲み薬を飲んでいた彼ら子どもたち。抗うつ薬を飲んでいても性欲は抑えられるのだから似たような系統なのだろう。ある時、クリストファーとザックたちがその秘密を知り、ブルーを飲むのを止める。すると、性欲のみならず人間の本能を丸出しにし、秩序が乱れ、やがてクリストファーとザックが対立することとなった。唯一の大人であるリチャードも何かが原因で・・・といった展開。
戦争の始め方というのは欲望や恐怖をふりまいて、敵を作り、デマを流せばよい。たまたま薬を止めたためにリバウンドも起こったのだろうか、独裁者になろうとするザックのやり方も凄すぎる。隠蔽工作、エイリアンというデマ、食糧問題を解決しようとする悪辣な歓待。リチャードによって操作されていると訴えたのも他の子どもたちの気を引いた。
さすがに船内での銃撃戦はやり過ぎ感もあったが、静かすぎたストーリーを盛り上げるためにはしょうがないのかも。宇宙船がぶっ壊れるんじゃないかと思ったけど、元々は優秀な子たちばかりだから修復可能なんだよね、きっと。まぁ、一番気持ち悪かったのは隠し部屋に第三世代用の武器が隠されていたことでした。この時点ですでに侵略者なんだよな~地球人は。
最終的には選挙でリーダーを決めるとか言ってたジョニデ二世だったけど、ヒトラーだってプーチンだって選挙で選ばれてますからね・・・どうなるかわからん。