「フォトジャーナリズムと公害環境問題」MINAMATA ミナマタ あささんの映画レビュー(感想・評価)
フォトジャーナリズムと公害環境問題
1971年の熊本、まだSNSなどがない時代のフォトジャーナリズムの様子を知ることができ、真のジャーナリズムの意義、「一枚の写真で1000の言葉を伝えられる」というフォトジーナリストという職業の尊さも感じ取ることができた。
エンドクレジットではまだ賠償を果たしていないチッソ株式会社と日本政府を批判し、
エンドロールでは資本主義がもたらした弊害、世界中の公害・環境問題が写真とともに映し出される。
企業や組織が豊かさや便利さを追求すると同時に生み出した公害病や環境問題について、私たちは今以上に意識し行動を変えていく必要がある。
発展や利益を優先し個を抑制する社会や企業の隠蔽はコロナ禍によって色濃く炙り出された。劇中のチッソ(株)の社長とユージンの取引は今もそこらじゅうで行われていて金に目が眩み真実を伝えない人たちも一定数いるのだろう。
真実を伝えようとする者が消され、強いものが弱いものを虐める社会が今もなお続いていてまさにタイムリーな作品である。
鉄壁の日本の俳優陣はさすが、ユージンと日本人達との架け橋となったアイリーン役MINAMIも重要な役どころで印象に残った。
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