「【忘れ去られつつある、近代日本の負の遺産をテーマにしたこの作品が、シネコンで上映される意義は大きい。エンドロールで流れる恐ろしい事実に、私達が出来る事は何かを問いかけてくる作品でもある。】」MINAMATA ミナマタ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【忘れ去られつつある、近代日本の負の遺産をテーマにしたこの作品が、シネコンで上映される意義は大きい。エンドロールで流れる恐ろしい事実に、私達が出来る事は何かを問いかけてくる作品でもある。】
ー 近代日本の負の遺産。それは、今作で取り上げられた水俣病だけではなく、ジョニー・デップが演じたユージン・スミスが経験した苛烈な沖縄戦や、福島第一原発事故など多数ある。
エンドロールでも流れた、現在でも世界各地で起きている環境破壊を憂い、未来の地球の行く末を案じ、この作品を制作したジョニー・デップには、謝意と敬意を表します。ー
・だが、この作品はアメリカでは未だに未公開である。ジョニー・デップのDV疑惑が理由だそうである。一日も早い公開を祈念する。
DVは到底許されるものではないが、この作品が世界に発信するメッセージは、崇高且つ重要なモノだと思うからである。
・ユージン・スミスが、アイリーン(美波)に無理やり、NYから水俣に連れて来られるシーンや、彼とライフ誌との関係性の描き方は、ハッキリ言って粗い。
だが、ライフ誌の編集長を演じるビル・ナイとジョニー・デップの会話などから、推察出来る。
・ユージン・スミスが、アイリーンに頭が上がらない数シーンは少しオカシイ。
水俣の貧しい家(浅野忠信)が一生懸命に出してくれた食事に手を伸ばさないユージンに対し、アイリーンが一睨みすると”ア、オナカガヘッテキマシタ・・”
□チッソの社長を演じた國村隼(良く、引き受けたなあ・・。だって、あの役はやりたくないでしょう。役者の気骨を感じたし、立派であると思う。ジョニー・デップに決して負けていない、悩める社長を演じる姿にも。)とジョニー・デップの高所でのツーショットの駆け引きは、見応えがあった。
・水俣病に苦しみながらも、認定を受けられない男を演じた加瀬亮や、リーダー役を演じた真田広之の演技も見事であったと思う。
ー 特に、団交シーンの加瀬亮の迫力、目力は、凄かった。ー
<政府は、水俣病については、和解金を支払ったという事で、安倍首相の時代にケリがついたと思っている。
だが、現在でも水俣病に苦しんでいる方々は、多数いる。
今作でも描かれているような、見えざる差別や偏見。
最も恐ろしかったのは、現在も世界各地で発生している、エンドロールで流れた余りにも多い、「人為的な事件」の数々である。
だからこそ、現在でも世界各地で起きている環境破壊を憂い、未来の地球の行く末を案じるが故に、このエンタメ性の薄い作品を制作し、主演したジョニー・デップには、謝意と敬意を表するのである。>
お邪魔します。
水俣病は今なお苦しんでいる方がとてもたくさんいらっしゃるのですね。
終わってなんかいなかった・・・
それを教えてくれたジョニー・デップ他監督・スタッフにお礼を
言いたいです。
こういう映画に笑える箇所がある、入れたってことが素晴らしいと思いました。そういうのが人間かなー(お手洗いのカレンダー?)と思うので。映画見ると頭が冴えて困ります。冴えるけどかなり疲れるので見てからすぐ後は睡眠せざるを得ないこともよくあります。NOBUさん、ショートスリーパーなんですよね、羨ましい。
昨日鑑賞しました。
おっしゃる通り、スミスとアイリーンの凸凹カップルが可笑しくてね(笑)
ホントに真剣な人ってユーモアがあふれ出て笑いを誘うものですよね。
“姉さん女房ぶり“のアイリーンの演技と演出は突出して良かったです。
シゲルくんにカメラの指南.をさせる、
通訳を中断したところ、
並んだ布団を無碍に離す、
するべきキスも。
・・苦しい映画に微笑みを足してくれました。
写真集「魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣」の表紙の彼ら二人の写真。ご覧下さいな。見入ってしまいました。
カメラマンは撮られても絵になるのですね!
NOBUさんコメありがとうございます。
前々からフォローしていたと勘違いしていました。よろしくお願いします!
私もこの映画、粗いなぁ、と思っていました。NOBUさんが指摘する点やセット、や配役(特に子役)など、、、、ユージンの住む家は『あぁぁ、絶対燃やされる』と直感的にすぐ分かってしまいましたし、ジョニーデップのメイクは不自然でした。多分、映画賞を取るレベルではないかと思います。が、あの母娘の入浴シーンは突き刺さってしまいました。凄い力を持った映画です。
今年は邦画が豊作ですね!レビュー楽しみにしてます。
MINAMATAとても良かったですね。ジョニー・デップは完全にジーンに乗り移っていました。酔っ払った時にスパロウ船長がチラついたのは、彼のサービス精神でしょうか?さて、当選葉書の件ですが、ご安心下さいm(__)m我が家にも届いておりません、一通も。多分コロナの関係で、無毒化する為に1週間放置とかしているのでは?去年は以外と早く届いた気がしますが…私はラッキー賞狙いです‼
・だが、この作品はアメリカでは未だに未公開である。ジョニー・デップのDV疑惑が理由だそうである。一日も早い公開を祈念する。
→そうでしたか。アメリカって、本当にエキセントリックですね。北朝鮮とはまた違う怖さも、いちおう心に留めておかないとですね。
これから観たい作品で予習をかねてコメント拝見しました。
こういう問題や沖縄戦のこともそうですが、なんというか後世の我々がキチンと受け止めて浄化するという事だけが救いなのではないかと考えたりします。
作り手の思いをどれだけ汲み取れるかわかりませんが、しっかり鑑賞してこようと思います。
ディジタル庁もいいけど、政府にとって不都合な真実も包み隠さず、記録し公開するアーカイブ庁とかも作って欲しいですね。
国会議員は、国会で居眠りしたら、アーカイブ庁の指定する過去の過ちから3つ選んで、国会で見解を発表することを義務化する、なんてどうでしょう?
因みにアーカイブ庁の長官は日本学術会議が指定する、なんて条件を付けたらいかがかと😜
イイネありがとうございました。
水俣病って日本政府と企業が賠償に合意したとはいえ、半世紀以上経つのにまだ解決に至ってなかったのはショックでした。
福島原発もそうだし。
自分の体は自分で守るしかない。明日は我が身と考えてしまいました。