「テンポ良くループ」コンティニュー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポ良くループ
タイムループ作のお手本の様な1作。フランク・グリロらしさ全開という事も相まって安定の仕上がりとなっている。予算はそこまで高い方では無いだろうが、迫力の映像とテンポの良さで乗り切り、SFアクション映画の教科書の様な物語である。主人公が無敵過ぎるというSF映画の宿命とも言える展開もこの手の作品はループというある意味ご都合主義な世界で主人公が鍛錬を極め、猛者と化すことが出来たという説明がつくからその辺の調整等も楽と言えば楽かも知れない。ややループのし過ぎで画的には単調に思える部分もあるのだが、コメディタッチで観客を飽きさせない工夫は見受けられる。
本作の残念なところはどこをとっても普通というか安全な作りになっているという事か。SFの教科書、タイムループ物のお手本、いつものフランク・グリロ要素、どこも観てもいつも通りであり、想像の範囲を超えないというのが気になった。無難に攻めたとでも表現するべきだろうか。
主人公はもちろん死ぬと振り出しに戻るというゲームの主人公の様な体験を嫌という程する訳だが、どんな行動を取ろうとも同じ結果がついてくるあたりは観ていて面白い。日々の訓練や実践で何度も死に、目覚めるとまた戦いに放り込まれる・・・。だんだん慣れてきた主人公は戦いにも余裕で臨める位にまで成長していく。最近の転生系のマンガやアニメみたいにも思えてしまう。そんなひたすらレベルアップした主人公を巻き込む結末は無理やりにも感じるが、どこかB級臭のする本作は是非押さえておきたいものである。
コメントする