劇場公開日 2022年9月9日

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「【”倦怠期に有った妻ある夫の浮気が齎した事。”子供の成長の中で、親の不仲が与える影響は多い。だが、そんな中、子供達は父親の変わった靴紐の結び方を覚えていて・・。30年に亙る家族関係を描いた作品。】」靴ひものロンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”倦怠期に有った妻ある夫の浮気が齎した事。”子供の成長の中で、親の不仲が与える影響は多い。だが、そんな中、子供達は父親の変わった靴紐の結び方を覚えていて・・。30年に亙る家族関係を描いた作品。】

2023年11月8日
PCから投稿

悲しい

知的

幸せ

■1980年初頭のナポリ。
 ラジオ朗読のホストを務めるアルド(ルイジ・ロ・カーショ)、妻・ヴァンダ(アルバ・ロルヴァケル)、姉弟のアンナとサンドロの4人家族の平穏な暮らしは、夫の若きリディア
(リンダ・カリーディ)との浮気で終わりを告げた。
 だが、ヴァンダの飛び降り自殺未遂により、家族関係はギリギリ続くのである。
 そして、アルドとヴァンダが老齢となった今でも冷え切った夫婦生活は続いていた。

◆感想

・フツーであれば、アルドの浮気が発覚(というか、自ら妻に告げている。文化の違いを感じる。)した時点で、アルド一家は崩壊するが、妻・ヴァンダの自殺未遂により家族4人は、再び一緒に住み始める。
ー 当たり前であるが、長女の父を見る眼差しは冷たい。-

◆アルドが、アンナとサンドロに靴紐の締め方を見せるシーン。二人は、”ちょっと変だけれども”そうやって、教えて貰ったよね”と確認するシーン。
 今作の胆であるシーンでもある。

・父が隠していたカラクリ細工の中の、浮気相手との写真を大人になった姉弟のアンナとサンドロが見つけるシーン。
ー 大人になった彼らは”しょうがねえなあ”と言う表情である。-

・そして、年を取ったアルドと妻・ヴァンダは、今でも一緒に暮らしている。
ー それは、アルドの妻・ヴァンダに対する贖罪で有ろう。-

<家族とは、人間とは複雑で難解で完璧な人などいないというメッセージが詰まった作品である。
 だが、私は家族の絆は複雑で難解で完璧でなくても、強く繋がれているのだと思った作品である。>

NOBU
talismanさんのコメント
2023年11月9日

アルド役のルイジ・ロカーショ、今週から公開される「蟻の王」に出ますね!浮気男のアルドと全く異なる役柄で今からとても楽しみです

talisman