劇場公開日 2022年6月3日

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「好きな事に打ち込んでる人に特にオススメ。鑑賞後、幸福な余韻に包まれる秀作。」太陽とボレロ beast69さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0好きな事に打ち込んでる人に特にオススメ。鑑賞後、幸福な余韻に包まれる秀作。

2022年6月12日
PCから投稿

追記して再投稿。
「太陽とボレロ」初日に鑑賞。
この映画、初めは観に行こうかどうか、少し迷ってました。最近、観たい映画が多過ぎて、少ない休日にどれを選ぶべきかを決めるのも大変。ちょっと参考がてらにサイトを眺め読みしようとしたところ、まだ公開前なのに「試写会で観た」とかいうレビューが他の映画と比べても何故か異様に多くて、しかも低評価が多い。これがちょっと奇妙で、不自然な感じがしました。一瞬、これに騙されて、観に行くのやめようかな?と思ったりもしたのですが(笑)、こういう一般レビュー投稿サイトの場合、複数アカウントを多く持って、殆ど同一人物みたいな同じ内容の悪評を連ねてる荒らしレビュアーさんがいたりするので(更に細かく見ると、この映画の悪評を書くために、わざわざ新しいアカウントを作ってる人物がチラホラ)、ネットのレビューは少し参考にする程度にして、信用するのは禁物ですね。

毎度良く行く映画館で、前から「太陽とボレロ」の予告編が流れる事が多く、「この映画館の推しなのだな」と分かりました。私の場合、それが大きな決め手になりました。長年の経験から、「この映画館が推す作品には、当たりが多い」と思い起こし、初日に観に行きました。
結果、大正解!でした。

終演後、「凄く良い映画を観れたなぁ~♪」という余韻が心地好く、映画館からの帰り道が幸福な気持ちで満たされました。比較的大きめサイズの良く出来たパンフレットも購入。それを読むと更にこの映画がどれだけ多くの人達に支えられて出来上がったかも良く分かり、感動がより増しました♪

私自身、昔から楽器を演奏するのが好きで長く続けていますが、プロでも無いアマチュアが音楽という魔法に魅かれて打ち込んでしまう、その意味や価値の大きさが、この映画の多くの場面で貴重なメッセージとして表現されていました。そこが個人的に素晴らしいと思えた箇所でもありましたが、年間で映画館に150回ほど通う映画好きな私から見ても、本作は老若男女、どんな方が観ても楽しめる、普遍的な感動を味わえる良作でもあると強く感じました。文句なしにオススメです。

映画が始まり、すぐの演奏シーンで「ファランドール」が出てきて、自分が昔から良く演奏していた有名曲でもあり、個人的に早くも気分が上がりました(笑)。ベートーベン交響曲第7番も素晴らしく、クライマックスの「ボレロ」まで、音響が凄く良い映画館で聴けたのもあって、気分爆上げで堪能出来ました。世界的指揮者、西本智美さんが水谷さんと親しく、この映画の内容が気に入られて出演依頼OKした事も、この映画をより盛り上げる大きな役割を果たしていますね。

昔からベテラン俳優として、誰もが知る水谷豊さん。彼が監督も務めた映画として、本作が3作目に当たります。日本では俳優が監督もこなすケースがそれほど多くないですが、水谷さんは俳優陣、関係者や制作スタッフからの信頼も厚く、数少ない成功例の1人だという事が本作を観ても良く分かります。3作品それぞれが題材は違いますが、根底にあるメッセージは、水谷さんが映画を通して伝えたい一貫性あるものとして、更に深化を遂げていると感じました。次の4作目が出来た際には、また絶対に観に行きたい!と思いました。

宝塚出身人気女優、檀れいさんが初主演する映画、という点でも見逃せない本作です。彼女がスクリーンの中に出てくると、やはり存在感が違いますね。さりげない身のこなしの上品さ、表情の豊かさ、華やかな美しさを堪能させられます。彼女のお母さん役として、檀ふみさんが出演しています。私が昔、テレビドラマで良く拝見していたベテラン女優さんとして懐かしいですが、スクリーンで観る彼女の笑顔の美しさは今も輝いていて、嬉しい驚きでした。

映画に初出演の新人女優、バイオリン担当の南マリアさんが、重要な役で多くの場面を彩り豊かにしているのも、大きな見所です。めっちゃ美人で、演技力も抜群で、魅入ってしまいました。女性客の場合は、トランペット担当のイケメン男優、町田啓太さんが目当てで観に来た人も多そうな感じですね。他にも多くの豪華メンバーが集まっていて、全てを書きだしたらキリが無く長くなりそう。個人的に好きな俳優さんばかりが多かったのも、嬉しい要素でした。

アマチュアで構成された「弥生交響楽団」の運営が厳しくなり、解散コンサートを決意するというのがストーリーの大筋ですが、オーケストラだけに出演人数が多く、これまた書ききれないほど、それぞれの個性的キャラの俳優さん達が色々なエピソードで楽しませてくれます。クラシックに詳しくない人が観てもその映像世界に入り込めるように、分かりやすく仕上げている作風も見事です。誰が観ても楽しめる傑作なので、是非とも劇場に足を運んでいただきたいですね。

やはり映画は自分の目で確かめないと、分からないものですね。悪質な荒らしレビューにまんまと洗脳されて、こんな素晴らしい映画を観に行かないのは勿体ないです。そう思って、拙いながらレビューを書きました。
1人でも観客が増えますように。

追記:
私が初めに投稿した初日の頃と比べて、少しずつですが良い評価のレビューも増えていますね。良い傾向です。ちょっと嬉しいです。

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beast69