「特殊設定でシンプルに親子愛に迫る」そして、バトンは渡された みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
特殊設定でシンプルに親子愛に迫る
予想以上にナチュラルな作品だった。最近、激しさを追究する作品が多いなか、稀な作品である。笑わせよう、泣かせよう、感動させようというような作為がない分、却って、笑えて、泣けて、感動できる作品に仕上がっている。本作は、何人もの義理の親に育てられ成長していく少女の物語である。ストーリー設定が特殊なので、ストーリー展開はシンプルにしている。ストーリー設定とストーリー展開のバランスが絶妙であることが奏功して、静かに心に響く作品になっている。
本作の主人公は、苗字を4回も変えて、血の繋がらない義理の親たちに育てられ成長した高校3年生・森宮優子(永野芽郁)。彼女は義父(田中圭)を森宮さん呼んで二人暮らしをしていた。将来の不安、良好ではない恋愛、友人関係に悩んでいたが、どんな辛い時でも笑顔を絶やさずに過ごしていた。高校卒業後、彼女は就職し結婚することになり、義理の親たちを訪ねていく。そこで、彼女は意外な真実を知ることになる・・・。
主人公を演じる永野芽郁が際立っている。彼女のイメージが主人公と重なっている。同化している。佇まい、演技がナチュラルで演じているという作為を感じない。特に、恵まれない過去を背負いながら、厳しい現実を笑顔で包み込む時の笑ってはいるが活気がない表情が良い。主人公の人生が垣間見えてくる。また、現在の義父との関係は親密であるが、義父を森宮さんと距離感を取って呼んでいる。親密でありながら義理の親子であるという関係を永野芽郁と田中圭が自然で息の合った会話で表現をしている。
義理の母・梨花役の石原さとみが持ち味を十分に発揮している。破天荒ではあるが優子のために懸命に奮闘するのは何故か。謎多き女性を巧演している。
親子愛を強く感じる終盤は感動的である。
本作は、義理の親に育てられた主人公の姿を通して、親子とは、血の繋がり云々ではなく、互いを強く想い、無償の愛で結ばれた存在であることを切々と訴えている。
最後の2行が響きますね。
1度目はキャストの関係が終わりまで???でした。永野芽郁さん、いいですね。あの有名な女子社員の作品はカッコ良かったし、坂口健太郎との病院のサスペンス?と同一人物とは、キャスト名を見るまで気づきませんでした。(作品名を書かずすみません)
この作品、同級生以外は善意の固まりみたいな人ばかり登場。心があったかくなるし元気が湧いて来るというか。
最後はさらに感動させてくれるし。
まだレビューしてませんが。