「これは観なくてもいいかなって思ってる人へ、観なくて全然オッケーです!」シン・仮面ライダー ch229さんの映画レビュー(感想・評価)
これは観なくてもいいかなって思ってる人へ、観なくて全然オッケーです!
まず仮面ライダーを復刻させる上でいちばんいらない要素は昭和の湿っぽいドラマ感だと思うのだが、まさかのそれを豪速球でぶち込んできてくれました。
湿っぽい人間ドラマが観たいんだったら「火曜サスペンス劇場」とか「山村美紗サスペンス」とか「家政婦は見た!」とか、お母さん向けのテレビドラマのほうが格段に上質である。
アクションを中心とした前半はオリジナルの仮面ライダーを思い出させるものがあったのでまあまあ悪くなかったのですが、クライマックスで急にお涙頂戴のドラマが始まるも、もともとぶっ飛んだ設定世界観ゆえ「自分の身の回りにも起こりうる悲劇」として共感を持って受け入れることは不可能であり、その存じ上げない世界の存じ上げない目線から特殊すぎる悲劇を切々と語り続けるルリ子にあれだけ尺を奪われてしまうと、えっここがそんなに描きたかったとこなんすか?参ったな。早く次行ってくんないかな?ってなる。
例えばエヴァンゲリオンが支持を得ることができたのは、あんなぶっ飛んだ世界であんな無茶振りされたら人はどんなリアクションをするのか?シンジくんがそれをしっかりと納得のできる形で体現してくれた。我々はシンジくんという媒介を通してあの狂気の世界を理解し受け入れることができた。
ではシン仮面ライダーはどうだったかというと、「ショッカーの脅威や怪人の存在も知らず、ただ強くなりたいなーと思ってるだけの人間が、ある日突然、肉体改造されて強くなっちゃった」ときのリアクションはこうです!!!!!
ん?うーん・・・ごめん、わからん。
まあ終始このような調子で、出会ったばかりの人の言う事を簡単に信じすぎです。それどころかえらく簡単に揺るぎない信頼を持ちすぎ。お前らこっちの世界に来たら悪徳営業や詐欺や新興宗教の絶好のカモにされて丸裸だぞ。
あと仮面ライダーのデザインはオリジナルを踏襲しつつディティールを高めているという点で良いと思うのだが、サイクロン号だけやけに近未来的デザインで浮いてるため、どこの時代背景に投影して見ればいいのかわからなくなる。
個人的にはレトロバイクのような、今みるとダサいけど独特の味があっていい、みたいなデザインにすれば良かったのにと思う。
などなど書きながら思い出したんですが、「シン仮面ライダー」よりも「仮面ライダー THE FIRST」のほうがだいぶ良かったですね。
0.5点をつけようと思ったんですが、浜辺美波が可愛いので1点追加。
THE FIRSTで強化服+マスクと現代版リブートもやっちゃってて、同じようになりたくないからああなった感もありますね。なら、出渕裕にデザインさせるなよ、とも思いますがw