「実話ベースの強みを生かした大逆転劇、背中を押してもらえる正義の貫き」サムジンカンパニー1995 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
実話ベースの強みを生かした大逆転劇、背中を押してもらえる正義の貫き
スカッとして、胸が熱くなって、感動して…!実話を基にしたフィクションだけに、結構本格的でどんでん返しも魅力的だった。
1995年、民主化により英語の価値が高まってきた時代に起きた、韓国の企業とそこで働く彼女たちの大逆転劇。学歴差別に女性差別…色濃く残る中で(今もあるけど)戦った3人の女性たち。実話が基になった話の映画化は好きなので、寧ろそれだけで観に行ったのだが、爽快かつ痛快で面白かった。『半沢直樹』っぽい大逆転に次ぐ大逆転…そして『ショムニ』のような機敏さが同居する。
何がすごいのかと言うと、本人たちの周りに囲われたアレコレをアレだのコレだのと引き出しを開けまくって、自分たちの導きたい方向へと手繰り寄せる機敏さ。
ジョヨンの意地っ張りで負けず嫌いなところに、ユナの周りを見渡す着眼点の良さ、ボラムの圧倒的な数学力など…キャラがしっかりとついた上で、会社の不正告発に奔走する。それがなんともカッコいい。それぞれの正義を全方位に振り撒くが、相手が味方になったり敵になったり…読めない展開がより作品の層を厚くする。そして、ちゃんと躍らされてまんまと「うわっ…!」となることが多かった。
3人共可愛いけどやっぱりボラムが1番可愛いかな。ちょっとマイペースだけど頼れる武器を持ったやつ。ああいうのがやっぱり出て来てくれると機能性も高くなるというか。また、3人が初め汚水の放出の事実隠蔽を住民に伝えるために立ち上がったのに、その渦が大きくなって束になってかっさらっていくような唸りが堪らない。かなり面白かった。
今も平等に働くなんて口先だけの部分は大いにあるし、告発して称賛される人なんてそんなにいないと思う。ただ、その正義を振りかざして立ち向かえる人の姿は背中を押してくれる。自分も何か貫いて頑張ろって思えた。
p.s「サムジンカンパニー」って韓国の企業だからあの企業だと思うんだけど、隠しきれてなくていいのかね?笑