コットンテールのレビュー・感想・評価
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盛り上がりに欠けるけれど、良い映画だ。
「パーフェクトデイズ」に引き続き、外国人監督が日本人俳優を使って秀作を作り上げた。妻の臨終場面が一番の山だけど、その前に中年になった夫婦関係(妻が認知症になる前)をもうちょっと描いてくれると良かった。でも、なんで若い美人が惚れたのだろう。作家を夢みて、英語の翻訳かなにかで、食い扶持をつないでいる男と結婚したんだろうと思う。書いている小説がよっぽど優れているのならば、それなりに描いてくれないと。
でも、良い映画だ。付箋回収もきちんと行われて、見て損はない。顔のグロースアップが多用されている。セリフ以上に顔の表情で心理を読んで下さいと監督は言っていると思う。だから、役者さんは大変だ。役所広司には負けているが、リリー・フランキーも大したものだ。
リリー・フランキーの演技がすべて!
シンプルな話だが、
リリー・フランキーの一つ一つの表情によって成り立った映画であり、
それらがすべてを言う、ような感動作。
妻と同じ世界を共有する時の表情、妻を思い出す表情、喪失感あって心のどっかが空っぽになった表情、イギリスの家庭でちょっとした楽しいことがあったときの表情...自然なのに人間性が分かるような重みのある演技だった。
それに加えてイギリスのきれいな景色も見れるロードムービーにもなり、旅の終点に兼三郎が探した湖があった。
と思わせつつ、
家族みんなで絶景を目にしたり、ラビットを追ったりするシーンから、まだ旅も人生も終わりなく、すぐそこに存在する今を手放してはいけないような気分になった。
考えさせられるものがあった
リリーフランキーさん演じる主人公がとにかく駄目な男で「なんだこいつ」という印象だったが
夜雨のシーンのあとにレストランのトイレで息子とふたりになるシーン辺りから妻の最後の病室シーンまで、考えることが多い作品だった。
静かに進むので途中心折れそうになるけれど、最後まで見て理解する部分も多い。
リリーフランキーさんが、最高!
兼三郎と明子の夫婦の絆が、わかりました
病気に怯えて、不安な明子と
それを受け止めたくない、兼三郎
兼三郎と息子を愛する、明子と
明子に愛情を注ぐ、兼三郎
兼三郎の息子への思いは、迷惑かけたくないという
空回りの思い
息子としは、父親兼三郎ときちんと親子になりたいという
あせり
2人は空回りしながら、母親の気持ちをしり
母親の最後の願いによって、新しい親子になっていく
最後には、握りしめていた紅茶の缶を手放して
新しい親子のあり方を受け止めていく
兼三郎の旅?の部分は、人に触れ温かい気持ちになりました
私も、困った人はたすけなきゃ!って
でも、実際は介護って、ほんとに大変!
する方も、される方も、心のメンテナンスが絶対に必要だ!と、常々思っています…
綿の尻尾?と思ってたらピーターラビットの妹の名前でした
なんとなく良さそうな映画だなと直感を信じ鑑賞。
認知症の妻を亡くし、妻の生前に書いた手紙を住職から受け取り、妻の最後の願いを叶えるため、息子夫婦とイギリスのウィンダミア湖に遺灰をまきにいく物語。
リリー・フランキーさんがらしい役柄で、偏屈な親父役を静かに熱演。息子役の錦戸亮さんも良い。
静かな映画で激しくやり合うシーンはほとんどないが、父と息子のわだかまりというか溝が感じられる演出は上手い。
兼三郎の妻との回想シーンが頻繁に挿入され、妻を亡くしたショック、兼三郎の現実を受け入れられない心の様が伝わる。
息子と衝突しながらも、美しい湖の風景の中、ようやく心を通わせるラストにほのかな希望が感じられた。
コットンテールって何かなと思ってたらピーターラビットの三匹の妹の中の一匹の名前でした。
助けてあげる
亡くなった妻の最期の願いは、「遺骨をイギリスのウィンダミア湖に撒いて欲しい」というものでした...。《遺骨を撒く》という作品、自分は「川っぺりムコリッタ」や「アイ・アムまきもと」が思い浮かぶんだけど、このテーマを扱うものは意外にもパッと明るいコメディが多い。だけど本作は、亡くなった妻が認知症だったこともあり、胸がじりじりと痛くなるような、なかなかに重い作品になっている。永遠の課題である《延命治療》についても取り上げながら、助けるとは何かと考えさせられる。
キャラ設定、人物描写がとにかく秀逸。
もうそんな歳じゃないのに、孫に対して“いないいないばあ”をやって喜ばせようとする兼三郎。これだけで、不器用だけど心優しい人だと分かる、分からせるのすごい。それに対し、子どもはおじいちゃんを喜ばせるために愛想笑いをする。息子、息子の嫁だけでなく、孫までも自分に気を使っているという状況。虚しくなるんだけど、演出のあまりの上手さに笑っちゃった。そんな不器用で身勝手な父に、息子のトシが何も言わずギュッと抱きしめるシーンもまた、すごくホッコリした。
リリーフランキー、錦戸亮、木村多江。本物の家族に思えるし、3人とも言葉に出来ないほどの演技力。リリーフランキーは自由奔放に動き回っている様子がめちゃくちゃハマっていて、ポスターにもある、大自然の中を自転車で放浪するシーンはこの一瞬のためにキャスティングされたんじゃないかレベルで最高だった。錦戸亮も雰囲気にピッタリで、怒り、寂しさ、苦しさを繊細な顔の演技で見せてくれた。いいなぁ、錦戸くん。木村多江は、背筋が凍るほどリアル。上手い、上手すぎる。呻き声がグサグサ刺さる。葬式のシーン後に惨いシーンがあるため、2度目の方が感情揺さぶられそう。
自然の美しさを映し、生きることの苦しさを描く。地味でどっと悲しくなる作品ではあるけど、あの終わり方には希望が持てたし、エンドロールは余韻に浸りっぱなしだった。イギリス・ウィンダミア湖。本当に美しい場所だ。日本人キャストがそんな中でも浮き彫りになっていなかった。この調子で、海外の監督さん×日本人俳優で沢山映画を撮って欲しいな。
雰囲気映画=映画内リアルの欠除
役者もいいし、雰囲気はいいと思います。
ただ、なんだかとっても都合の良い展開で、白けてしまいました。
ウインダミア湖を探して旅をするんですが、唯一の手がかりの写真の場所じゃなかったとか言い出して車でウロウロするときに、全く別の湖のカットが無い。イギリス特有の風景なのかな、草原というか、丘の一本道を車で走ってるような感じばかり。大きな湖の別の場所を探すシーンとかなんで入れないんだろ。
挙句に、聞き込みで別の湖だったことが判明。いやいや、もう40年くらい経ってんだから、写真1枚だけで場所わかるかな?。
ま、わかるとして、「じゃ、ここから俺一人で」って車降りてから、まあまあの距離。ほんとにそこが写真の場所かどうか確定してるわけじゃ無いのに、見送る息子夫婦。
なんだかなあ。
もっと前の、逆方向の電車に乗るエピソードとか、予告編に入れるならいい材料だけど、実際、反対方向に行ったのに、歩いてとか、自転車盗んで、地図もないのに、行きますかね。ロンドン?に戻った方がいいんでは。子供でもわかりそう。
牧場の親娘も、あんな胡散臭い東洋人をあっさり信用しすぎ。ファンタジーか。
母親の認知症はいいとして、死因は別の病気だよね。それを明かす必要はないけど、モニターが付いてたら、ナースステーションにも無線で繋がってるはずだから、看護師が訪室して初めて気づくなんてありえない。
色々、エピソードを入れたけど、料理の仕方が、あんまりだなあと思いました。
そうそう、この映画に限らないんだけど、普通の靴でどんどん湖に入っていくのって、普通なのかな。私的にはありえないんですけど。
ピーター“ラヴィット”
亡くなった妻の遺灰を妻の遺言でイギリスのウィンダミア湖に撒きに行く夫と息子家族の話。
明け方市場でタコを買い、思い出の寿司屋を訪れる様子から始まる現在の話しに、妻との出会いから現在までを回想するシーンを沢山織り込みながら進行して行く。
妻の葬儀の日、住職から数年前に妻から預かったという手紙を渡され、そして少々息子とのやり取りがあったと思ったら、もうイングランド!?
その後も結構肝心なところを観せないところがいくつかあったり、多分自分の不甲斐なさに対する苛立ちみたいな何かを抱え込んではいるのだろうなとは想像させるけれど、それにしてもこういう自己中ジジイなんだろうなと思わせるところが続いたり…。
折角良い話しだし、何から何までみせてくれとも言うつもりもないけれど、もう一歩しっかりみせて欲しかった。
静かに込み上げる思い出
雰囲気は悪くないが、兼三郎の行動が無茶苦茶なので感情移入しづらい作品
2024.3.6 一部字幕 MOVIX京都
2023年のイギリス&日本合作の映画(94分、G)
妻の遺言を叶えるために旅に出る作家家族を描いたロードムービー&ヒューマンドラマ
監督&脚本はパトリック・ディキンソン
原題の『Cottontail』は劇中に登場するウサギの別名
東京在住の作家の兼三郎(リリー・フランキー、若年期:工藤孝生)は、妻・明子(木村多江、若年期:恒松祐里)を亡くし、途方に暮れていた
認知症から全介助状態になり、自宅で面倒を見てきたが、それも限界に達し、施設への入所を余儀なくされていた
息子・慧(錦戸亮)との折り合いも悪く、そんな二人を見ている慧の妻・さつき(高梨臨)も心を痛めていた
明子が亡くなり、寺の住職から遺書を渡されて困惑する兼三郎と慧
そこには「遺灰をイギリスのウィンダミア湖に撒いて欲しい」と書かれていて、彼女は生前から「ピーターラビット」をこよなく愛していたことを思い出す
兼三郎は一人で行こうと考えていたが、慧の計らいもあって、慧の娘・エミ(橋本羽仁衣)も連れて、4人で向かうことになった
1秒でも早くその湖に行きたい兼三郎は、イギリスに着いても気が休まらない
慧とさつきが買い物に出かけた際にも部屋にいておられず、エミを連れて、街を散策し始める
兼三郎は何事もなかったかのように帰ってくると、慧は激怒し、それが原因で兼三郎は別行動を取ることになってしまう
兼三郎は右往左往しながら列車に乗るものの、乗客からは反対方向に乗っていると言われ、降りた駅で途方に暮れてしまう
そこからは、適当な道を歩いていくものの、どこにいるかもわからずに、仕方なく牧場を訪ねることになってしまう
そこにはオーナーのジョン(キアラン・ハインズ)と娘のメアリー(イーファ・ハインズ)がいて、少しの暖に預かりながら、彼らの車でウィンダミア湖を目指すことになったのである
映画は、湖に向かう道中で過去のエピソードを思い出すという構成になっていて、現在パートと過去パートで同じ寿司屋が登場したりする
そこでの悪事はお粗末なものだが、兼三郎はイギリスでもチャリをパクったりするので、結構行動に問題がある人物のように描かれている
慧との喧嘩になっている原因が物語のキーシークエンスになっているが、それを言い出せないことが心にわだかまりを作っているように見える
慧は聞きたくないというものの、本心では「そうではない」と願っていて、それが確認できたことで、次のステップに進めるような感じになっていた
映画は、日英合作ということで、パンフレットやエンドロールは洋画のようなつくりになっている
ポートレイト的な感じに仕上がっているパンフレットは悪くなく、映画を気に入った人ならば、その世界観を崩さずに想起できる感じになっていた
エンドロールにて、真矢みきと光石研が登場して「どこに?」と思っていたが、どうやら「写真」で登場していたようで、繰り返し観る人は確認してみても良いかもしれません
いずれにせよ、雰囲気映画っぽさは否めず、ロードムービーという割にはイギリスっぽい場所があまり登場しない
親子の諍いがテーマになっているが、その軋轢の正体もスッと入ってこない部分があり、死生観も少し違うのかなと感じた
アルツハイマー型認知症になったようだが、その後の経緯というものがほぼ語られず亡くなっているので、結局何がどうなったのかわからないままだったりする
そのあたりは雰囲気で察する感じになっているので、細かいことが気になる人には向いていないのではないだろうか
若かりし頃の兼三郎と明子
本作品、「怪しいな」と感じつつも上映時間が都合よかったために劇場鑑賞に踏み切りましたが、観た感想は完全無欠の「おなら映画」でした。
スッカスカな脚本を、回想を繰り返し入れ込むことで経緯を小出しにして映画っぽく仕立てていますが、全般ファンタジーな設定と都合のいい展開。回想きっかけに馬鹿の一つ覚えでリリーさんを想いに耽させ、展開によってキャラクターの人格すら変わるのにはもう苦笑を超えて失笑です。
一点、そこに力を入れたのかと思えるほど印象的なのは、若かりし頃の兼三郎と明子を演じる工藤孝生さんと恒松祐里さんが、その後を演じるリリー・フランキーさんと木村多江さんの特徴をよくつかんだ演技なところ。そもそも役そのものではなく、その役者に似せているところは、何なら若手の方が頑張ってるな、とひねくれた感想ですみません。
まぁ私の好みではありませんでした。個人の感想ということでお許しを。
映画「コットンテール」はリリーフランキーが光る愛と喪失の物語だった
# 感想
喪失について考えさせられたというか、感じるものがあった。
# 男 (リリーフランキー)
ものすごく柔和な雰囲気で話す男。リリーフランキーの良さがものすごく出ている。
こんな柔和で独特の間を持ちながら話す人は、世間でも見かけることがある。
一体どうやったらそんな話し方になるんだろうか。天然で身についたものなのか、それとも複雑に鍛え上げられた社交術としての喋り方なのか。
兎にも角にも序盤の彼はなんとも言えずやさしげでふわっとした雰囲気を纏っている。だがその裏側には別の感情が渦巻いていたのだ。
男は行きつけの寿司屋に行き、妻の分もグラスをもらって、今はもう存在しない妻と酌を交わす。
# 若い頃の女
かつて男と出会ったばかりの頃の女。
めちゃくちゃ可愛い。
目がぱっちりしていて、髪型もばっちりてわ、表情は明るく、男好きのする感じの甘えた声で、八重歯で、色っぽさもある。
「私かわいいでしょ?かわいいでしょ?」みたいな心の声が聞こえてきそうだった。
そんな女と男はやがて一緒になる。
# 遺骨を撒きにイギリスへ
妻が死に、彼女の遺言で遺骨をイギリスまで巻きに行く男と、その息子家族の旅が始まる。
# 多くを語らない男
役所広司の「PERFECT DAYS」もそうだったが、この映画の主人公も多くを語らない。
「私は妻をこれだけ愛していた」「あの時こんな気持ちだった」とかいうことをほとんど語らないのだ。
ただ彼の表情や行動だけが僕らに「どんな気持ちなのだろう?」と推察させる。そう喪失というものはたやすい言葉ではとても語りきれないものなのだろう。たぶん、きっと。
# 認知症
妻は認知症だった。
おそらく年齢設定的には60歳を超えてそうな気がするのだが、映画なので容姿端麗で綺麗なままだ。
なので決して見苦しい絵にはならないのだが、認知症で子供にかえり、自分ではなくなってしまうこと、愛する人が当人でなくなってしむうことの悲劇が表されていた。
大人が赤ん坊に帰るのは何故ダメなのだろう。やはり体格が大きいから大変だというのはあると思う。他にも複雑な感情が起こりそうだ。
# 息子
残念ながら男の息子だけはセリフを棒読みしているような感じだった。リリーフランキーの縁起が良いだけにそれが悪いコントラストになってしまっていた。
# エンディング
一番良いところで終わった。まったく蛇足でなく終わるべき場所で終わるのだ。綺麗な映画だった。
良作だけど
家族の思いを感じる物語
明子は、病そのものよりも自分がいなくなった後の夫や、息子との関係が心配でたまらなかったようだ。
その夫、大切な日に息子が連絡をとるのにひと苦労させる。魚屋のバカにした態度が気にくわなければ頭にきて蛸をくすねる。それを持って妻と出会った馴染みの寿司屋の開店前なのに入れてもらう。弔事の前にどうしても(エアー明子と)乾杯したい。
なるほど…兼三郎はなかなかのマイペースで頑固でプライドがあって、不器用なさみしがりときた。
知り尽くす妻としては、そんな夫の自分の亡き後の様子が手に取るように想像できていたのだろう。
だから夫にも息子にも最期についての意志をそれぞれに話しておいたのだと思う。
そして、そのどちらも兼三郎の心の負担を軽くするための支度であり、家族への深い愛情で。
息子からみれば父は献身的に母を介護してくれたものの息子を頼らなかったし、案の定、弔事、旅先でも勝手な行動や発言を繰り返す。
以前から2人にはすれ違いによる距離があったようだが、息子はこんな時に及んでまで父が自分だけでなんとかしようとするところ、その割にうまく立ち回れない様子に苛立ち、嫁に気を遣わせてるのもわからないような姿に呆れてしまう。
嫁も健気に義父をフォローしていたが、慣れない地で長時間勝手に娘を連れ出した時にはさすがに心配が度を越え怒りの態度をみせた。
挙句の果てにはどうしてもとひとりで予定を繰り上げ迷子になる父である。
明子はほらやっぱりと空の上で眉をしかめていた事だろう。
いよいよピンチ?!と思ったがそうなったあとでも、結局息子夫婦は兼三郎を見放すことはなかった。
それは生前の母・明子の在り方のおかげだったのだろうなと思う。
明子亡き後もその思いは生き続け、そんな兼三郎と息子家族の繋がりが弱る度に何度も修復し続けてくれているようにみえた。
兼三郎が迷ったとき助けてくれたイギリス人父娘も大きなひと役をかってくれた。
もともと口数も少ないので会話も充分ではないが兼三郎の状況を察してある事情を話してくれた。それをきっかけに境遇を重ねあわせた兼三郎がはたと気付いた瞬間がある。
それがなかったら結末はもう少し変わっていたかも知れない。
いつもの兼三郎のふるまいにより珍道中になりながらも、みんなの助けを得て明子の念願はようやく叶った。
兼三郎は自分の役目を遂げそれまでの肩の力を抜くように、あれだけがっちり身につけていたカバンを丘の草原にふわりと置くことができた。
生前の明子が兼三郎とカフェの席で、リサイクルショップに出しちゃうわよ〜みたいなことを冗談めかして言っていたが、いろんな意味を込めほんのりお灸をすえておきたかったんだろうな。
そんな手の焼ける夫が、息子の家族と幼少期の思い出の場所にいる。あの時の自分みたいに家族とうさぎを追いかけ無邪気にはしゃいでる。
その光景に明子はようやくにっこり微笑んだと思う。
そしてもしかしたら、自分のことで家族に迷惑をかけたくないと言っていた明子の気持ちを汲むあまり兼三郎は自分1人で役目を果たそうとしたのかも。
だから息子とイギリス行きの話をしたときあんな言い方をしていたのだろう。(小さく付け足した言葉に本音は漏れちゃっていたけれど。)
それに普段から誰かを頼れないタイプの性格だと頼むことほど頑張らないといけない事はない。(私の父がそうであり、何を隠そう私も引き継いでいる。)
だからわかるのだが、父に対しては明子や息子のような思いをする割に、自分のことは〝兼三郎〟路線に近い。
でもこれを観てちょっとは反省😅
この物語はどこにでもありそうな家族の思いが溢れている。
みんなが本当は優しく向き合っているのだ。
だけど、家族だからこそ近い人だからこそしまい込んだり、出しすぎたりする本音。
その匙加減が難しいのだろう。
余白の部分を察して寄り添ったあのイギリス人父娘を見習い、ちょうどよい具合で手をさしのべれる人、そしてそれをありがたく受け入れる人になりたいなぁと思ったりした。
誤字訂正済み
⭐︎更新済み
介護や
いいストーリーなのに残念
リリーフランキーと木村多江の演技は良かったし、色々考えさせられた。
しかし、残念な箇所も多い。
まず、母明子の死の原因は結局何だったのか
はっきりしなかった事とこの作品は結局何を
伝えたかったのかはっきりしなかった事。
親子の修復にも見えるし、病気を抱えた家族との接し方なのかいろんな解釈ができる。
むしろ、はっきりさせた方が良かった。
急がば回れ
自分もそうだったけど、父親と息子というのは関係が難しい。
決して嫌いではないのだけど、どう接していいものか。
2人のやりとりが、観ていて共感だらけだった。
息子にとって母親のあんな姿はかなりショック。夫として見せたくないのもあるし、自分で出来るという兼三郎さんの意地っ張りな性格もあって、どうにも行き違いがもどかしい。
病院行く前に腕を組もうとするシーンは、ちょっとぶっきらぼうな愛情が可愛らしかった。
イギリス行ってからの兼三郎さんは、もはや偏屈じいさん。
はやる気持ちはわかるけど、それで結局遠回りになったり、トシと険悪になったり。
いろいろイラッとくるけれど、なにしろロケーションが美しい。
明子さん役は2人とも似てる。
木村多江さんはホント凄い女優さんだなぁ、観ていて辛くなるほどの熱演。
全95件中、41~60件目を表示