隔たる世界の2人のレビュー・感想・評価
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嘘のようなホントの鬼畜白人怪談話。
この作品の大前提の知識として、
2021年公開の前年に、ミネソタ州で起きた、白人警官による黒人フロイドさんに対する暴力殺人事件があった事は、
予習で押さえておくと、霞んでいる視野が少しくっきりと見えるのかなと思う。
フロイドさんは、非武装無抵抗だったのに、白人警官は膝で彼の首を8分間押さえ続け、動かなくなった。
その業病院に運ばれ、そのまま死亡した。
つまり冒頭の、1回目に殺される主人公は、前年に実際に起こった事実を元に作られたシーンなのだ。
その後、タイムリープというフィクション現象により、何度も何度も主人公は白人警官に殺される。
とどのつまり、この作品は、タイムリープするという部分だけ「嘘の話」であり、
それ以外の殺される過程はおそらく、「全て本当の話」もしくは「事実を元にした限りなくノンフィクションなエピソード」なのだ。
接続詞だけが偽で、他は真。アメリカという国は、昔から狂っている国だという事が、たった30分の映像で明かされてしまうのが、とても面白い。
あー、白人って根絶やしにしないとマズイ生き物なんだな、
と個人的には納得したのだけれども、多分その結論は人類的にはマズイと思うので、
ラストの主人公が諦めない姿勢に、私以外の人は光を見出したほうがいいよ。
私は白人根絶やし殲滅こそが正解だと思うけどね。
嘘のようなホントの鬼畜白人怪談話。
タイトルなし(ネタバレ)
「人種差別問題を真正面から描いた短編映画」と解説を読んだが、私はそんな事は感じずに「ただ殺人者が個人的に、ある男を殺して楽しんでる映画」にしか思えなかった。
なんだ あのラストは。
白人と仲良しになれるかと思いきや、改心する気のない白人警官はイラつく
白人による黒人差別のメッセージ性は強かった。しかし、ストーリーはメッセージのゴリ押しだけで微妙。タイムリープで何回も黒人が殺される様を見せて嫌な気持ちにさせるのが狙いなのかな。
白人と仲良しになれるかと思いきや、改心する気のない白人警官はイラつく。これによりハッピーエンドの線は消えた...。
最後は爽やかな終わり方に見せてるけど、白人警官は改心しないだろうし、永遠に死のループに陥る主人公を思うと胸糞エンドで可哀想。
このループは永遠に続く。そして、被害者が白人になる時も来るかもしれない。
まずは、白人の社会だから何をやっても駄目。この場での解決策は黒人の女性が言った行動しか無い。そして、現在はそうなっている。つまり、アメリカでは、白人社会と同時に、銃社会も根絶しなけりゃ駄目だと思う。かつて、暴力を肯定する黒人社会があり、僕もそれに賛同したこともあるが、人種、宗教、国の隔たりは抜きにして、暴力は避けるべきだと思う。
と、言いつつ、暴力は無くならない。たぶん、このループは永遠に続く。そして、被害者が白人になる時も来るかもしれない。
現代社会への勇気ある問題提起
1人の黒人男性が一夜を共にした女性宅を出ると警官に詰め寄られ、不条理に殺害される。死後、目を覚ますと同じ日にループしてしまうという強いテーマ性とSFがかけ合わさった本作。
全編を通してアメリカ社会に根深く残る人種差別に対してダイレクトにメッセージを
残していると感じた。
何をどうしても殺されてしまう主人公の苦悩の末に導かれた対話という答えに現代社会の課題アプローチとして納得感のあるものだと感じだが、現実はそれほど甘くなかった。
主人公がただ家に帰りたいだけなのに対して相手はただ殺したいだけというひどくシンプルで救いようのない構図でアメリカ社会に蔓延る差別意識の根深さを鮮明に表していると感じた。
最後の主人公の意地でも家に帰るという意思表示はこれまで虐げられてきた人々の狼煙と捉えることができ、結末は現実に託すという作品のスタンスに思わず唸った。
シンプルだけどスゴいアイデア
伝えたい事をたった30分強で伝えきったって感じで
とても分かりやすくて良い短編だと思った。
分かり合えると言うラストを期待してたけど、
そうじゃない。
それが現実なんですよ、とズシンと来たけど、
これはあくまで黒人目線であって、
誇張してると思いたいけど、実際こうだもんなぁ。
白人からのこれのアンサー映画が欲しい。
こんな事あってはならないし、
台詞の中で白人は白人に生まれただけで保護を受けている
と言う言葉があって、
黒人は白人に虐げられてもいつか分かってもらえるよう
努力を惜しまないと言うラストにかすかな希望が見えた
けど、
先日、黒人がアジア系の女性に暴行する映像を見て
僕の中ではアジアンヘイトを黒人はどう思ってるのかな?
と黒人に完全に同調出来ない気持ちも持ってる。
ただ、映画としては別々の事件に見えてるものを
1人の男がタイムループする事で同じ事件なんだと
見せる手法は上手いな!と感心しちゃいました。
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