劇場公開日 2021年12月24日

「前日譚は歪んだ純愛映画だった!」劇場版 呪術廻戦 0 さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5前日譚は歪んだ純愛映画だった!

2022年2月10日
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少年ジャンプの人気作品「呪術廻戦」の劇場版にして本編の前日譚。

興行収入が100億円超えと、いまや鬼滅に次ぐ人気振りとなった本作ですが、正直アニメ本編は個人的に鬼滅の刃よりも呪術廻戦の方が好きでした。
(ちなみに僕は、呪術廻戦の原作は読んでいません)

今作も面白かったのですが、劇場版は鬼滅の方が正直良かったです。

まずは好きだった点。

劇場版ということもあってか、作画の迫力とスケール感は圧巻です!
呪術廻戦のアニメはアクションシーンに力を入れており、特に近接の戦闘シーンが特に素晴らしい作品でした。
今回の劇場版でもアクションシーンに臨場感があり、特に終盤に訪れる「百鬼夜行」のシーンはどのキャラクターにおいても見所がありました。
特に特級の呪術師である五条悟の戦闘シーンは彼らしく最強さを感じるものになっていて圧巻でした!

また、呪術高専の2年生キャラの真希さん、狗巻先輩、パンダが今回1年生で今作の主人公の同級生ということもあってか、本編では見られない新たな一面が観れたのが面白かったです。
真希さんはどこか釘崎野薔薇に近い態度で接し、狗巻先輩は友達思いの優しい一面が前面に出ており、表情も豊かでした。

これはアニメというより原作の良さになりますが、呪霊:折本里香のデザイン。
本っ当に恐ろしいです!!
恐すぎます!!((( ;゚Д゚)))
こういった霊やモンスターが出てくる作品の人気作はデザインのインパクトなんだな、と改めて感じさせられます。
個人的にはパンズ・ラビリンスのペイルマンだったり、エイリアンだったり、そういった名作映画のモンスターやクリーチャーのデザインに匹敵するインパクトでした!
漫画で描かれた恐ろしさと可愛さの二面性のあるデザインを、アニメーションで動かせて迫力のある映像を作ったアニメスタッフと花澤香菜の演技には脱帽です。

ここから微妙だった点です。

まずは今回の主人公である乙骨憂太。
TVアニメ本編の主人公虎杖悠仁とは打って変わってネガティブだけど強い主人公でした。
序盤の性格然り、アニメの演出然り、そして演じた緒方恵美さんの演技然り、完全にエヴァンゲリオンの碇シンジを彷彿とさせられます。

完全に個人の好みにはなりますが、虎杖悠仁程の魅力を感じられなかったです。
虎杖悠仁はジャンプ漫画の主人公らしさがありつつ、他のジャンプ漫画にないオリジナリティある性格や魅力があって個人的に大好きでした。
対して乙骨憂太は良くも悪くも碇シンジっぽさが出ていて、虎杖ほど強い印象は持てませんでした。

また、これは鬼滅の無限列車編でもそうでしたが、説明の多さです。
特に、TVアニメで説明された登場人物の設定をまた今回も説明するのは正直くどいです。
例えば呪術高専の2年生キャラ3人(今回は1年生だが)の秘密や能力はTVアニメでも描かれてたので正直描く必要性が感じられないです。
なので、回想やちょっと挟む程度で良かった気がします。

にも関わらず、本編との関連等で疑問点等もいくつかあるので、尺の都合を加味しても少々アンバランスなシナリオ構成だったように思えます。

ただ、大作アニメとして、娯楽映画としてわりと楽しめました。
最近忙しいのもあって久々に劇場観賞しましたが、「映画は面白いな!」と感じさせられたので満足しました!

さうすぽー。