エンドロールのつづきのレビュー・感想・評価
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初めて映画に接するときの少年の純朴な表情が忘れられない
映画への愛をふんだんに詰め込んだ本作だが、だからと言って決して『ニュー・シネマ・パラダイス』のような叙情的な作風ではない。インド映画ならではの感情をダイナミックに曝け出す演技と演出が無尽蔵に押し寄せてくることもなく、代わりにそこには少年の映画との出会いと純真な初期衝動が、ごくナチュラルに活写されている。印象的なのは初めての映画館での体験。誰もが食い入るようにスクリーンを見つめる中、少年は後方から照射される光の帯に手を伸ばし、その娯楽性だけでなく構造的な部分にも興味を持つのである。そうやって芽生えていく情熱に加え、少年の家庭環境、映写技師との絆、それから仲間同士の友情とを織り交ぜながら、徐々にストーリーはその照準を彼自身の”未来へ向けて伸びゆく道筋”へと合わせていく。時代や技術の移り変わりや映写用フィルムの行方に関するパン・ナリン監督のビジョンに、ふと”輪廻の哲学”を感じたの僕だけだろうか。
色使いが素晴らしい
インドの貧民児の旅立ち
last film show
アマプラで配信はじまった!やっと観れた!
想像に反して、かなりシビアな内容!
邦題の『エンドロールのつづき』より本国の『last film show』の方が合っているなとおもった!
「インド風味のニューシネマパラダイス」のレビューは
良くも悪くも嘘だと思う!
全体を通して、光の描写がめちゃくちゃよかった!
光に魅せられる主人公の視点を追体験するような感覚。
色を帯びて重なる光、差し込む光、それらが全て映画につながっていくこと...一緒に体験していく感覚に。
インドの人々の暮らしが垣間見れるのも良い。トラと睨めっこのシーンなんて、え!?これ日常!?なんてビックリしちゃいました笑
お母ちゃんのつくるご飯が、ぜーんぶ美味しそうで、ここまで美味しそうにご飯を撮っているインド映画ってあんまりないんじゃないかななんて思ったりした!
少年たちの青春はキラキラしていて、オバケ村に映写室を作るシーンなんてもう最高だった!音をつけているシーンが特にお気に入り!映画への愛に溢れている映画だなとおもった!
ラストの、フィルムがバングルへ、映写機たちがスプーンへとリサイクルされるシーン。主人公の視点にたち続けて、一緒になってドキドキワクワクしていたからこそ、そのダイレクト過ぎる表現に、面食らってしまった。懐古映画過ぎて、なんかこう、あたらしいそれこそ『エンドロールのつづき』がもっと想像出来るような光に満ちたエンドを期待していたけど、光が差し込んできた...!くらいの希望だったのが良くも悪くも意外だった。
ショックを、大きく表情に出さずに、日常を取り戻そうとする主人公の大人さ健気さに頭をなでなでしたくなった。お父さんの粋な計らいは、ベッタベタではあるけど、「うんうんこういうのでいい」と大きく頷いていました。
フィルム上映への郷愁を掻き立てられた一本
<映画のことば>
客は3時間のうち1時間は暗闇を見ているんだ。それで、カネを払っている。
別にフィルム上映を取り上げた一本ではないのですけれども。
映画製作がデジタルに移行し、廃棄されたフィルム映写機やフィルムは、意外なものに再生される―。
そのことから、フィルム上映への追憶・郷愁を無性に駆り立てられた一本になりました。評論子には。
評論子自身も、映画館では客席の最後列に陣取ると(評論子は、映画は客席の最後列・中央で観るものだと固く信じて疑っていない)、かすかに映写機の稼働音が聞こえ、その音に浸りながら作品を観た記憶があります。
そんななかで、どこか『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿とさせる作品でもありました。本作は。あの、トト少年とアルフレード映写技師との、あの温かな心のふれあいが、脳裏に浮かびます。
心をほんわか温めたい時には、きっと好個の一本になることと思います。
佳作としての評価に値する一本だったと思います。評論子は。
(追記)
映画館でもDCPによるデジタル配信か急速に普及し、フイルム上映は殆ど姿を消している昨今、評論子もフイルム上映を最後に見てから、もう10年以上になることでしょう。
映画のDCP配信に対応できなかったりして閉館したミニシアターも、実際に見てきました。
当時、ミニシアターの館主は、早起きでなければ務まらなかったと聞きます。上映を考えている作品の試写は、まだ館内に客が入らない早朝でなければできなかったということで。
(試写用のDVDが手に入るようになってからは、閉館後に、自宅でグラスを傾けながらでも試写ができるようになったので、ずいぶんと楽になったとおっしゃっていました。)
(追々記)
インド映画というと、輪廻などの伝承をモチーフにしたり、歌ありダンスありのエンタメ路線だっだりして、それ故に長尺作品が多いというイメージもありますが、本作のようなドラマ性をより重視した作品に触れたりすると、これからの展開(人材の輩出)が楽しみなジャンルでもあります。
インドの味付け
比較するのが可愛そうかな。。。
母親愛は感じる
インドの少年が映画に夢中になる様子。 とても素朴な題材でありながら...
映画好きの少年の旅立ちの物語
映画が地獄に落ちる所がみられます
チャパティは薄めがいい!
インド映画にまたしてもヤラれた!
評価大の皆様のレビューに急かされて念願の鑑賞!
少年が映画に魅せられ創る人!になる過程は
絶賛上映中の「フェイブルズマン」のサミー少年と同じだがインドの田舎町の貧しい少年サマイには立派な機材など手に入るわけが無い
そこで仲間の協力を得て廃材やガラクタを利用し
何と9歳の少年が自分の手で映写機を作り上げてしまうから驚いた!
自分で工夫し想像力を尽くし…
何だか昭和の子供達を見ている様な懐かしさに鼻の穴が膨らんじゃいましたよ!
とにかくサマイが住む田舎町の情景が懐にハマる…線路の焼ける匂いに草っぱら、チャリの全力漕ぎ走行…おまけに野生の動物達との触れ合い(ライオン遊びはやめた方が…💦)
興味や感性を、引き上げる色々な香りが
スクリーンから流れ出てくる様でした
中でもサマイの母が作る料理に釘付け!
映写機は絶対に作れませんが棚の奥にしまい込んでたすり鉢を引っ張り出しスパイスを各種使ったカレーとチャパティ(勿論!薄めの)なら手間暇かけて作れそうだな!
映写機のカタカタする音とサマイを虜にした光…いつの間にか忘れてたなぁ…ってしみじみ想いました
安らぎと穏やかさを得られた良作を見逃さずに鑑賞出来た事に感謝!
3000人の中から選ばれた主人公サマイ役のパヴィン・ラバリ君の俳優としての「つづき」も
楽しみですね!
「映画」に対する想いを、個人的な熱情を超えた奥行きで描いた一作
映画監督が自らのキャリアの原点を振り返る作品は、もともと数多く作られてきたけど、『フェイブルマンズ』と同時期に本作が公開されたという偶然は興味深いです。
最初から最後まで、「映画」そのものだけでなく、映像芸術としての映画を築き上げてきた先達に対する敬意と愛情が全編に溢れた作品です。どの場面・挿話にも、パン・ナリ監督が影響を受けた監督の影響を入れ込んでいて、作中の少年(バビン・ラバリ)が本当にこの映画を作ったんだなー、と心動かされます。
キューブリックの影響は特に大きいようで、『フェイブルマンズ 』同様、この作品でも随所で光源を意図的に画面に入れ込む、プラクティカル・ライティングを用いた映像が随所に使われています。
貧困やカーストなど、インドの社会問題も物語に大きく影響してきますが、声高な告発調ではなく、少年たちが逆境の中でも映画に対する情熱を燃やし続ける姿に描写の焦点を絞り込んでいる点がとても印象的でした。
映画の光学的な原理を説明する場面は、『エンパイア・オブ・ライト』のある場面と奇妙に符合していますが、こちらの作品はユーモラスかつ皮肉が効いていて、あくまで物理現象として説明する『エンパイア』との対照性が面白いです。
まさにタイトル通り、エンドロールに到達した映画フィルムの行く先を通じて、時代が移り変わっても先達の魂は生き続けることを確信を持って提示した結末は非常に素晴らしいです。
英語が出来る人とそれ以外
インドの田舎町で暮らす9歳の少年サマイは、学校に通いながら父のチャイ売りを手伝っていた。バラモンの家系で、厳格な父は映画を低俗なものと考えているが、信仰するカーリー女神の映画だけは特別だと言い、家族で映画を見に行った。初めて経験する映画の世界に心を奪われたサマイは再び映画館に忍び込んだが、チケット代を払えず追い出された。それを見た映写技師ファザルは、料理上手なサマイの母が作る弁当と引き換えに映写室から映画を見せてくれた。サマイは映写窓から見る様々な映画に引き込まれ、自分も映画を作りたいと思うようになった、というインドの映画監督の実体験に基づく話。
カーストの頂点、バラモンの家系なのにチァイ売りに落ちぶれた家族が不憫だと感じたが、下からのし上がっていく人もいれば、上から落ちていく人もいる。家柄なんて現代では役に立たないものだとつくづく思わされる。インドで英語の出来る事を重要と考えられているのもよくわかった。
お母さんの作る料理はどれも美味しそうだった。
サマイ役のバビン・ラバリが魅力的だったし、お母さん役の女優は美しかった。
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